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水の変化の不思議:なぜ水が『氷』になると体積が大きくなる…?

地理・科学


今回は、水の変化についてお話しします。


水は私たちの生活に欠かせない存在ですが、実はとても不思議な性質を持っています。


水がどんな風に形を変えるのか、そして、その変化がなぜ起こるのか一緒に見ていきましょう。

水の三つの姿


水には三つの姿があります。


それは、液体固体、そして気体です。この三つの姿は、温度などによって形状が変わります。

『液体』『固体』『気体』の形状、体積の違い

【形状】

  • 固体 (氷): 定まった形と体積を持ちます。
  • 液体 (水): 定まった体積を持ちますが、形は容器に依存します。
  • 気体 (水蒸気): 定まった形も体積も持たず、容器全体に広がります。

【体積】

  • 気体 (水蒸気): 水蒸気は体積が最も大きく、容器全体に広がる性質があります。
  • 固体 (氷): 氷は液体の水よりも体積が大きくなります。
  • 液体 (水): 液体の水は固体の氷よりも体積が小さくなります。

通常、多くの物質は個体になると(凍ると)その分子が収縮して体積が小さくなりますが、水は例外となります。


水の変化『液体(水)』⇒『個体(氷)』


冬になると降ってくる雪、冷凍庫の氷などが固体の水『氷』です。


これは、水が液体から固体に変わる現象によって起こります。


水の温度が0℃以下になると、水分子が集まって動きが遅くなり、結晶構造を作り始めます

水分子とは、2つの水素原子と1つの酸素原子から構成される、化学式がH2Oの分子です。




この結晶がどんどん成長していくと、私たちが知っている固い『氷』になります。


水が『氷』になると体積が大きくなる理由

水が液体状態のときは、水分子は比較的自由に動き回り、密に詰まっています。

しかし、水が凍って固体(氷)になると、水分子は固定された位置に並び、六角形の格子(こうし)構造を形成します。

水分子がこのように規則的に並ぶと、分子間に多くのすきまが生じて体積が増えます


水の変化『個体(氷)』⇒『液体(水)』


私たちが普段飲んでいる水や、雨、水たまりなどが『液体』の水です。


温度が0℃以上であれば液体の状態になります。



個体の水(氷)だった場合は、気温が上がり温度が0℃以上になると結晶構造が崩れ、再び水の液体状態に戻ります。



水の変化『液体(水)』⇒『気体(水蒸気)』



沸騰(ふっとう)したやかんや、煮え立ったナベなどから出て来る水蒸気が『気体』になります。


水の温度が100℃になり沸騰すると、水分子が激しく動き始め空気中に気体となり飛び出します

やかんの湯気は、気体? それとも 液体?

やかんで水を沸かすと水が沸騰し水蒸気(気体)になります。この水蒸気がやかんの注ぎ口から出てきますが、冷たい空気と接触すると水蒸気の一部が冷えて非常に小さな水滴となります。この水滴が集まったものが白い湯気(液体)として見えています。

そのため、やかんの注ぎ口から出たすぐは、目に見えない透明な『気体(水蒸気)』となり、それが冷えてできた微小な『液体』である水滴が白く見える湯気となります。




その他、

洗濯物などを干して濡れてた洋服が乾いたり、地面の水たまりが乾くのも、水が液体から『気体』に変わる現象が起こったからになります。


実は、『気体(水蒸気)』は目には見えませんが、空気中にたくさん存在しているのです。

分かりそうで分からない、『蒸発』と『沸騰』の違い
蒸発

洗濯物が乾くことや、池の水が減るなど。

  1. 現象の場所
    蒸発は液体の表面でのみ起こります。
  2. 温度条件
    常温で起こり得る現象で、特定の温度に達する必要はありません。
  3. 速度
    蒸発の速度は比較的ゆっくりです。
  4. 影響要因
    温度、表面積、風、湿度などが蒸発の速さに影響します。
沸騰

やかんの水が沸騰することや、パスタを茹でる際の水の様子など。

  1. 現象の場所
    沸騰は液体全体で起こります。そして液体内部からも気泡が発生します。
  2. 温度条件
    沸騰は特定の温度(沸点)に達した時に起こります。例えば、水は摂氏100度で沸騰します。
  3. 速度
    沸騰の速度は非常に速いです。
  4. 影響要因
    圧力に影響を受けます。例えば、高地では気圧が低いため、水の沸点〔液体が沸騰し始める温度〕が低くなります。


蒸発と沸騰はどちらも液体から気体への変化を伴うものですが、そのメカニズムや条件には明確な違いがあります。そして、この蒸発や沸騰のように液体から気体に変わることを『気化(きか)』といいます。


水の変化『気体(水蒸気)』⇒『液体(水)』


最後に、冷たい飲み物を外に置くとコップの表面に水滴がつくのを見たことがあると思いますが、それは空気中の水蒸気が冷やされて再び『液体』の水に戻る現象となります。



冷たいコップが水蒸気を引き寄せ、それを冷やすことで水滴ができるのです。


そして、この現象を「凝縮(ぎょうしゅく)」と言います。


自然界の『水の変化』


水の変化は自然界でたくさんの役割を果たしています。


例えば、雨が降るのも、雲が水蒸気から水(液体)に変わることで起こっています。そして、その雨が植物を育てています。


冬に雪が降るのも、水が液体から固体に変わることで起こります。


そして、その雪もまた地球のどこかで溶けて川などに流れ、その水が蒸発して雲になり、また雨となって降る。この水の変化が繰り返されることで、私たちの生活に必要な水が供給されています。

まとめ



水が形を変える理由は、基本的には温度による分子の動き方の変化です。※ただし、蒸発はあらゆる温度で起こります。


温度が上がると水分子は活発に動き出し、『固体(氷)』⇒『液体(水)』⇒『気体(水蒸気)』に変わります。


逆に、温度が下がると分子の動きがゆっくりになり、『気体(水蒸気)』⇒『液体(水)』⇒『固体(氷)』になっていたのです。

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