地球が丸い理由
地球が丸い理由は、自然の法則に基づいています。その大きな要因の一つが「重力」です。
重力は、物体を引き寄せる力のことなのですが、質量のあるすべての物体に働きます。
それでは、どのようにして地球がこの球形を取ることになったのか、そのプロセスをじっくり見ていきましょう!
重力と地球の形成
約46億年前、地球はガスや微小な岩石の粒子が集まる巨大な雲の中で誕生しました。
これらの物質は互いに引き合いながら徐々に固まり、形を成していきます。
この過程では、中心へ引き寄せる「重力」が大きな役割を担いました。
そして、重力は物質を全方向から中心に引き寄せ、均等に力が働くため、地球は自然と球体に近い形になっていきます。
この現象は地球だけでなく、他の惑星や星にも共通して見られ、多くの天体が球形に近い姿をしている理由となっています。
なぜ、地球は「完全な丸」ではない?
地球は「丸い」と表現されますが、実際には完全な球体ではなく、わずかに「扁平(へんぺい)」な形状をしています。
これは、「地球の自転」が関係しています。
地球は毎日、自らの軸を中心に回転しているのですが、この回転によって赤道付近では遠心力が強く働いている為、少し膨らんでいるのです。
この形状は「回転楕円体(かいてんだえんたい)」と呼ばれ、地球は赤道部分がわずかに膨らみ、極部分が少しへこんだ形になっています。
そのため、地球の形状を厳密に表現するならば、完全な球体ではなく「楕円体(だえんたい)」という方が正確です。
地球は楕円形なので宇宙に一番近い山はエベレストではない…
重力と質量の関係
とはいえ、地球はほぼ丸い形をしていますが、その理由には先ほどの重力の他「質量」も大きく影響しています。
地球は非常に大きな質量を持つため、強力な重力が働き、すべての物質を中心に向かって引き寄せます。
地球にとっては小さな物体、例えば、岩石や山などは、地球全体の重力に比べればごくわずかな影響しか与えません。そのため地球全体の形に大きな影響を及ぼすことはないのです。
逆に、もし地球が小さな岩ほどのサイズだった場合、重力は弱くなり、その結果、形は不規則になっていたかもしれません。
実際、小惑星や彗星のような小さな天体は、重力が弱いため不規則な形をしています。
〔プシケ (小惑星)〕
地球の内部構造による影響
さらに、地球が丸い理由にはその内部構造も関わっています。
地球の内部は高温のマントルやコア(核)で構成されており、これらの層は固体や液体ですが、高温の影響で長い時間をかけると流動性を持ちます。
それにより、地球は長期間にわたり丸い形を保ち続けることができるのです。
また、固体である山や大陸も、地球全体の重力バランスに支配されているため、地球の丸い形を大きく崩すことはありません。
でも、本当に地球は丸いかたちなの…?
ご存じのとおり地球が丸いという事実は、現代では確かな証拠があります。
宇宙から撮影された地球の写真を見ると、一目で地球が丸いことがわかりますし、宇宙飛行士が月から撮影した地球や、人工衛星からの映像がその証拠です。
また、地球の影によっても丸いという証拠があります。
例えば、皆既月食の時、地球の影が月に映るのですが、この影がいつも丸いことも、地球が丸いことを示す確かな証拠の一つなのです。
皆既月食(かいきげっしょく)とは?
皆既月食は、地球が太陽と月の間に入り、地球の影が月をすっぽりと覆ってしまう現象です。
このとき、月は暗くなり、時には赤っぽい色に見えることがあります。これは、地球の大気を通った太陽の光が少しだけ曲がって月に届くためです。
この赤っぽい月は「ブラッドムーン」とも呼ばれ、地球の影によって月の色や明るさが変わることで知られています。
まとめ
地球が丸いのは、物理〔自然界の現象や物質の動き〕の基本法則である「重力」によるものです。
物体が大きくなればなるほど、重力がその物体を中心に強く引き寄せ、自然と球体に近い形になります。
そして、地球の自転による遠心力が影響して、完全な球ではなくやや楕円形になるのです。
このように、地球はその形成過程と物理的な法則が密接に関わって、ちょっと楕円とはなりますが…丸くなっていたんですね!