風船やタイヤの空気が抜ける理由
自転車や車のタイヤにどんなにパンパンに空気を入れても、いつの間にか抜けいるような気がしますが… なぜ、空気が抜けるのでしょうか…?
やっぱり、バルブから少しずつ抜けている…?


勿論バルブの周りのゴムの劣化によって空気が抜けることもあるのですが、実は風船やタイヤのゴム自体からも少しずつ空気が抜けていたのです。

なんとなく、風船の結び目だったり、空気の入れ口から抜けていると思いがちですが、ゴムからも空気を通してしまっているわけだったのです。

気体の種類でゴムから抜けるスピードが変わる?


このゴムから抜ける空気ですが、入っている気体の種類により、原子、分子の大きさや性質が変わるので、気体の抜けるスピードに違いがでてきます。
原子(げんし):通常の化学的な方法で、それ以上分割できない、物質の基本的な構成単位である粒子。
分子(ぶんし):物質の化学的性質を備えた最小単位.原子の結合によってできる。
窒素ガスとは?

例えば、近年、車のタイヤに空気の代わりに窒素ガスを入れたりすることがありますが、これも空気中に含まれる酸素が性質上タイヤから抜けやすいため、酸素より透過率が低い窒素ガスを入れています。
※窒素分子は不活性ガス〔他の物質と反応を起こさない安定したガス〕で、酸素分子よりも大きいのでタイヤから気体が抜けづらくなります。
酸素と窒素では、タイヤを通り抜ける速さ(透過率)におよそ3倍の差があるとされており、そのため空気の代わりに窒素ガスを充填するのは有効だとも言われています。
とはいえ、もともと空気中には約78%の窒素が含まれているため、実際にどれほどの効果が得られるかは、はっきりしない部分もあるようです。
そのため、タイヤのゴムそのものから少しずつ空気が漏れてしまうという性質に対して、その抜けにくさを少しでも改善するための対策といわれます。

