冷血動物とは?

「冷血動物(れいけつどうぶつ)」という言葉、なんとなく冷たそうな印象を持つかもしれませんね。しかし、この名前は体温が実際に「冷たい」というわけではありません。
冷血動物〔変温動物(へんおんどうぶつ)とも呼ばれます〕とは、外部の環境温度によって体温が変化する動物を指して言います。
例えば、カエルやトカゲ、魚、昆虫をはじめ、多くの爬虫類や両生類がこれに当てはまります。
一方で、私たち人間や犬、猫などの哺乳類、そして鳥類は、「温血動物(おんけつどうぶつ)」〔恒温動物(こうおんどうぶつ)とも〕と呼ばれ、外の気温が寒くても暑くても、自分の体の中でエネルギーを使って体温を一定に保つ仕組みがあります。
冷血動物は、温血動物のように自分で体温を調節することができないため、外部環境に依存して体温が上がったり下がったりするというわけなのです。
そして、このような仕組みがカエルのような生物にとてもユニークな特徴を与えています!
カエルの冬眠と生存戦略

カエルは「冷血動物」の中でも特に興味深い冬眠の方法を持っています。
寒い冬になると気温が下がるため、カエルは活動を休止するのですが、これは低い気温の環境では体を動かすのに必要なエネルギーを十分に確保するのが難しくなるからです。
そこで、カエルたちは泥や地面の中に潜り込み、体を冬眠モードに切り替えます。
冬眠中、カエルの代謝は極端に低下するのですが、代謝が低下することで、エネルギー消費が抑えられ、体を維持するために必要な酸素や栄養も最低限で済むようになります。
実はこのとき、アメリカアカガエルなど一部のカエルでは心臓の鼓動もほぼ停止することがあるのです。
心臓が止まるなんて普通なら命に関わる大事ですが、それらのカエルにとっては自然なこと。心臓が完全に止まってしまってもカエルは生き続けることができるのです!
どうして心臓が止まっても平気なの?

どうして心臓が止まってもカエルは大丈夫なのでしょうか?
これは冷血動物特有の身体の仕組みと関係しています。カエルのような冷血動物は、体温が低くなることで細胞の活動もゆっくりになるため、エネルギーの消費が極限まで減少します。
また、冬眠中のカエルは皮膚を通してわずかな酸素を取り込むことができるため、完全に酸欠になることがありません。この特殊な生存戦略によって長い冬を耐え抜くことができるのです。
そして春が訪れると、暖かい日差しによって地面の温度が上がり、カエルの体温もそれに応じて上昇します。温まった体は代謝を活発にし、止まっていた心臓が再び動き出すのです。

そしてカエルは泥の中から這い出し、再び活発に活動を始めます。この瞬間、まるでカエルが「蘇る」かのように見えることでしょう!
最後に

体温が周囲の環境に影響される冷血動物にとって、心臓の動きもその温度に応じて変化します。
寒い時期には心臓の動きが遅くなり、反対に温かい時期には活発に働くのです。
この仕組みは、カエルが過酷な環境にうまく適応し、命を守るために巧妙に進化してきたことを物語っています。

