閏年(うるうどし)・閏日(うるうび)
毎年2月は28日で締めくくられますが、4年に一度だけ2月29日が登場します。
この日こそが「閏日(うるうび)」として知られる特別な日で、実は地球の公転周期に深く関係しています。
※閏年(うるうどし)は、4年に一度、2月29日が追加される年のことを言います。
では、なぜこのような日、このような年が必要なのでしょうか…?
今回は、閏年と2月29日(閏日)の仕組みについて詳しくご紹介します!
近年では、2024年が閏年(うるう年)にあたり、次の閏年は2028年になります。
地球の公転周期と閏年
1年は365日といわれますが、地球が太陽の周りを1周するのにかかる期間〔1年といわれる期間〕は、実はぴったり365日ではありません。
もう少し正確にいうと約365.24日かかるため、毎年わずかに時間が余ってしまいます。
このわずかなズレが積み重なると、カレンダーと実際の季節が合わなくなってしまうので、調整が必要となるのです。
そこで考えられたのが、4年ごとに1日を足してカレンダーのズレを修正する仕組みである「閏年(うるう年)」になります。
この閏年には閏日(うるうび)である2月29日が加わるため、1年が366日になることにより、4年間で生じるズレをうまく調整し、カレンダーと季節のずれを防いでいるのです。
必ず4年に1回ではない⁉ 閏年とその規則
しかし、4年ごとに必ず閏年が来るわけではなく、もう少し細かいルールがあります。
基本的に、4で割り切れる年は閏年になりますが、例外があり、100で割り切れる年は閏年にならないのです。
ただし、400で割り切れる年は特別に閏年になります。
つまり、単純に「4年ごとに閏年」とは言えず、少し複雑な決まりになっているのです。
うるう年(閏年)の規則をもっと詳しく解説!
〔1582年、新しいカレンダーの最初の印刷版の1つ〕
うるう年は、基本的に4年に1度やってきますが、4年間隔で全てうるう年になるわけではありません。
なぜなら、地球の公転周期はより正確にいうと約365.2422日(365.242190413…)であり、例えば単純に「365.25日」などと仮定して4年ごとに1日追加すると、それでも約128年ごとに1日分のズレが生じてしまうからです。
〔※紀元前46年にユリウス・カエサルがユリウス暦を導入した際は、1年を365.25日として調整する方法を取り入れていました。〕
そのため、100年ごとに閏年をなくし、さらに400年ごとには閏年を復活させるというルールを設けることで、カレンダーと地球の公転周期のズレを最小限に抑え、より正確に季節と一致するように調整しています。
〔※過去でしたら、例えば、1700年、1800年、1900年は100で割り切れる年のためうるう年ではありませんが、2000年は400で割り切れる年なのでうるう年でした。〕
ちなみに、この閏年のルールは、 1582年にグレゴリウス暦(グレゴリオ暦) を導入した ローマ教皇グレゴリウス13世(在位:1572年~1585年)と、その改革に関わった天文学者たちによって考えられたと言われています。
〔グレゴリウス13世 (第226代ローマ教皇)〕
閏日(うるうび)を2月に取り入れた理由
〔ガイウス・ユリウス・カエサル〕
ユリウス・カエサル〔帝政ローマの基礎を築いた人物〕が紀元前46年にユリウス暦を導入した際は1年を365.25日とし、閏日を加えて調整する方法を取り入れました。
この調整が2月に行われた理由は、ローマ暦〔更に昔の紀元前753年から使われた、最初は10ヶ月制で1年が304日、後に12ヶ月制に改訂された古代ローマの暦〕で2月が年の終わりに近い月とされていたからです。
そのため、年を調整するための閏日を加えるのに最適な月として2月が選ばれたとされています。
2月29日(閏日)に行われる世界の行事
〔聖ブリギッド:アイルランドの修道女で、アイルランドの守護聖人〕
2月29日は、単に日付の追加にとどまらず、さまざまな文化や慣習にも影響を与えてきました。
例えば、アイルランドでは古くからの言い伝えに基づき、女性がこの日に男性にプロポーズできるという特別な習慣があります。
これは「リープ・デイ・プロポーズ」(Leap Day Proposal)と呼ばれ、5世紀に聖ブリギッドが聖パトリックに提案したことが由来とされています。
4年に一度の閏日に限り、女性が結婚を申し込む機会を持てるという伝統なのです。
〔聖パトリック:キリスト教を広めた宣教師であり、アイルランドの守護聖人〕
また、これに関連する習慣として「バチェラーズ・デー」(Bachelor’s Day)があります。
こちらも女性が男性にプロポーズできる日とされていますが、特にアイルランドやスコットランドで知られており、求婚を断った男性は罰として贈り物をするなどの風習もあります。
このように、2月29日は暦の調整日だけではなく、ユニークな文化的な意味を持つ特別な日でもあるのです!
まとめ
4年に1度現れる2月29日、いわゆる「閏日」は、地球の公転周期に合わせて暦と季節のズレを防ぎ、時間を正確に保つために欠かせない特別な日です。
この日が加わることで、暦は自然界のリズムと調和し、季節がずれることなく循環します。
つまり、閏日はカレンダーの調整だけにとどまらず、私たちの時間の流れを守る重要な役割をする特別な日だったのです!