磁石がつく原理とは…?磁石にくっつく金属の種類と用途について

地理・科学

磁石の種類と用途について



磁石は金属などにくっつくものですが、よくよく考えると不思議なものです。



ふだん私たちが生活で使用したり目にする磁石のことを【永久磁石】というのですが、その永久磁石とは別に、電流を流している時のみにくっつく【電磁石】〔針金などをまいたコイルに電気を通す〕というものもあります。



それでは、それぞれの磁石の違いと仕組みを見ていきましょう。


【永久磁石】



永久磁石にはいろいろな種類があるのですが以下のようなものがあります。

アルニコ磁石  

アルミニウムニッケルコバルト を主な原料としたもの〕

スピーカーエレキギターなどによく使われる。


フェライト磁石  

酸化鉄を主な原料としたもの〕

紙などを挟むのに使うマグネットなど一般的に目にするもの。



 ネオジム磁石(レアアース磁石)

ネオジムホウ素を主な原料としたもの〕

磁力が特に強力で、電気自動車などにも使われる。


ゴム磁石(ラバーマグネット) 

ゴムに粉末のフェライトなどを混ぜたもの

車や冷蔵庫の表面などに張り付けたりする柔らかいマグネットなど。



【電磁石】


電磁石は永久磁石と異なり、電気を流すことで磁力を生じる装置となります。

電磁石は電流が流れる間だけ磁力を持ち、電流を止めると磁力が消失するため、この性質により磁力のオン・オフが可能となります。

また、電磁石は電流の強弱や流れる方向を変えることで磁力の特性を調整できます。それにより、産業分野ではモーターや発電機、電磁クラッチなどに幅広く利用されています。

例えば、リニアモーターカーには【超電導磁石(ちょうでんどうじしゃく)】という電磁石が利用されており、磁石の力を使いながら浮いて走ることによって、高速移動することが可能となります。




磁石はどんなものに対してくっつくの…?



磁石がくっつくものを【強磁性体(きょうじせいたい)というのですが、代表的なものは3つあります。

鉄 


は地球内部の主要な成分の一つとなります。

地球の核は主にニッケルから成り立っており、外核と内核に分かれています。

外核は液体の鉄とニッケルで構成されており、地磁気の発生源となっています。内核は固体の鉄とニッケルから構成され、地球の中心部に位置しています。


ニッケル 


鉄の際にお話ししました通り、ニッケルは地球内部で重要な成分の一つとなります。

ニッケルは地球内部の元素として重要な役割となりますが、鉄よりも地球全体の量としては少ない部分を占めています。

ステンレスの材料電池などに利用される〕


コバルト


コバルトは、金属元素の一つなのですが、鉄と同じくらい堅い特性を持っています。

そして、コバルトは青みがかった銀白色をしており、耐久性が高く、磁性を持つことでも知られています。

工業製品や合金、磁石などに広く利用されており、また酸化〔酸素との化学反応によって物質が酸素と結合すること〕したものは、陶器やガラスなどの鮮やかな青色の顔料として使用されることもあります。


磁石がつく原理とは…?



磁石電気と、とても近い関係といわれています。

世の中のものはすべて原子〔物質を構成する最小の単位〕でできており、原子の中には原子核というものがあります。

そして原子核の周りには【電子】というものがぐるぐると回っており、この電子が磁力として働くのですが、ほとんどの物質はこの電子の回転がバラバラで互いに打ち消しあい、磁石を近づけても磁力として成り立ちません。

しかし、先ほどの強磁性体〔鉄、ニッケル、コバルトなど〕の電子に関しては、回転の方向がそろいやすい性質を持っており、磁石を近づけると電子の回転がそろい磁石として磁気を帯びることができます。

これが、磁石がくっつく原理となっています。


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