星の光は過去の光…?
なんとなく不思議な話に聞こえますが、実は、今見ている星の光はその星が過去に放った光だったのです…
それは、どういうことなのでしょうか…?
地球にいると光は速すぎて、光のスピードというものを感じませんが、光〔光の粒子〕も進んでいます。
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そして、宇宙はあまりにも広く、星も地球からあまりにも遠いので、星の光〔光の粒子〕が地球に到達するまでにはとても長い時間が掛かります。
光のスピードは、秒速で約30万㎞となるのですが…
例えば、月の光の場合、月から地球の距離が約38万㎞なので、
ざっと計算をすると、約1.3秒前に太陽の光を受けて、反射した月の光を地球から肉眼で見ているということになります。
※月は自ら光を放っていないため、太陽の光を受け反射した光になります。
そして、太陽にいたってはもっと遠く、地球から約1億5000万㎞離れているので、
これも計算してみると、約8分20秒前の太陽の光をいつも地球から見ているということになります。
やっぱりなんか不思議ですよね…
光年(こうねん)とはどんな単位…
次に、星の場合ですが、距離をkmで表すにはあまりにも遠すぎてしまうため、主に天文学では、光年(こうねん)〔光が宇宙空間で1年に進む距離=1光年〕という単位によって表します。
1光年=約9兆4600億km
となるので…
遠く遠くのオリオン座をこの光年で表すと、
左上の星のベテルギウスだと約640光年、右下の星のリゲルで約770光年離れているので、今地球からこの星を肉眼で見た場合、約640年前や約770年前の光を見ているということになります。
言い換えると、
今この瞬間にその星が消えてなくなっていたとしても、自分たちはもちろん、子供たち、孫たち、…まだまだ600年以上の間はその星を地球から眺めることができるのです。
ちょっと、人生が儚くも感じてしまいますね…