秋になると漂ってくるいい香りの花は…?
毎年、夏が終わり、少し涼しくなった秋の季節になると、ふわっと、どこからともなく甘い香りが漂ってくる気がするのですが…
どこから漂う香りなのでしょうか…?
金木犀(きんもくせい)
秋を知らせる香りの正体は、金木犀(きんもくせい)という、モクセイ科(木犀科)の 常緑小高木(じょうりょく しょうこうぼく)だったのです。
【常緑】とは?
植物の葉が一年中緑色の植物。
【小高木】とは?
成長した状態で、木の高さが3m以上が『 高木 (こうぼく)』、その内、大高木(15m~)、中高木(10~15m)、小高木(3~10m)。
木の高さが3m以下が『 低木(ていぼく) 』、その内、低木(1~3m)、小低木(~1m)
中国原産の植物なのですが、江戸時代に中国から輸入されたようで、古くから庭などの観賞用として育てられているそうです。
キンモクセイは、9月〜10月頃に花を咲かせるのですが、
花が見頃の時期はとても短く数日(2~3日ぐらい)で、1週間も経つと散ってしまいます。
それがまた、魅力的だったりするのかもしれませんが…
しかし、そうと思いきや、
近年では温暖化などの異常気象の影響なのか、はっきりとは解明されていないのですが、2度咲き、ときには3度咲きも観測されているのです…
暑かった気温が、急激に冷え込むと、キンモクセイも出番かと勘違いしてしまい少し早めに花を咲かせます。
そして、もちろん散っていくのですが…
またぐっと暑くなったりして冷え込んだりすると、また出番かよと、花を咲かせるようです。
〔2回目が本番とも言われています〕
さすがに、3回目となると花の数も少ないようですが、温暖化の影響だったりしたら、植物達も人類に振り回されて大変ですね…(笑)
キンモクセイ(金木犀)以外のモクセイ科(木犀科)
- クリスマスリースなどで使われる 柊(ヒイラギ)
- オリーブ 〔果実はオリーブオイルなどに使用される〕
などなど…
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金木犀の【犀】の字は、サイ…
この、和名である金木犀の【犀】という字は、動物のサイを漢字で書いたときの【犀(サイ)】という字なのですが、
実は、キンモクセイ(金木犀)の樹皮(木の皮)が、動物のサイの皮膚だったり足の感じに似ているため、そのような和名になったそうです。
ちょっと微妙ですが…
こんにゃくの原料は?象の足とも呼ばれている原料には毒がある…
金木犀(キンモクセイ)にはオスの木とメスの木がある…
オリーブと同じ仲間なら、キンモクセイにも果実があっていいようなものですが、見かけたことがありません。
どうしてなのでしょうか…?
雌雄異株(しゆういしゅ)※の植物である、金木犀が中国から持ち込まれたとき、花つきが良いのが雄株(おかぶ)〔動物でいえばオスの性質〕だったことから雄株のみ輸入されたそうです。
※植物の世界では、受粉率を高めるように、雄株のほうが多く花を咲かせる傾向にあるようです。
【 雌雄異株(しゆういしゅ)とは… 】
雌花〔メスの性質〕と雄花〔オスの性質〕を別々の個体〔株ごとに分かれる〕にもつ植物。
そのため、雄株(おかぶ)に雄花(おばな)がつき、雌株(めかぶ)に雌花(めばな)がつきます。
〔果実は、雌花があるメスの性質を持つ雌株(めかぶ)にできます〕
イチョウなどもそれに当てはまるのですが、街路樹などは銀杏(ぎんなん)が潰れると匂うため、雄株〔オスの性質で、雄花を持つ方〕ばかりのようです…
それに対し、雌雄同株(しゆうどうしゅ)は同じ個体に雌花と雄花を咲かせる植物になります。〔クリ、カキなど〕
そのため、日本の金木犀はそれ以来ずっと雄株を挿し木(さしぎ)〔植物の一部を土などに挿して根を出させ、独立した個体をつくること〕で増やした結果、果実ができない雄株の金木犀ばかりになったというわけです。
日本の三大香木
ちなみに、秋のキンモクセイ(金木犀)は、春のジンチョウゲ(沈丁花)、夏のクチナシ(梔子)と並び、日本の三大香木(さんだいこうぼく)というふうに呼ばれています。
そして、この三大香木に冬のロウバイ(蝋梅)を加えて、四大香木とも言ったりするようです。
- 春のジンチョウゲ(沈丁花) 開花時期 2月~4月
- 夏のクチナシ(梔子) 開花時期 6月~7月
- 秋のキンモクセイ(金木犀) 開花時期 9月~10月
- 冬のロウバイ(蝋梅) 開花時期 12月~2月
こんな自然の楽しみ方もあったんですね…
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