今回は、「ワニは両生類か?爬虫類か?」という疑問についてお話ししながら両生類と爬虫類の違いについてもわかりやすく解説します。
それでは、さっそく始めましょう!
ワニは両生類?それとも爬虫類?
まず最初に答えをお伝えすると、ワニは爬虫類(はちゅうるい)です。
では、なぜワニが爬虫類なのか、その理由を詳しく見ていきましょう。
両生類と爬虫類の違い
両生類と爬虫類は、それぞれ独自の特徴を持っています。ここでは、主な違いを3つのポイントに分けて説明します。
皮膚の違い
【 両生類 】
〔イワミサンショウウオ〕
両生類〔カエル、サンショウウオ、イモリなど〕は、湿った滑らかな皮膚を持っています。皮膚は呼吸の一部を担っており、水を通して酸素を吸収します。そのため、常に湿った環境が必要となります。
両生類はどのように皮膚呼吸している…?
両生類の皮膚呼吸は、薄く湿った皮膚を通じて行われます。
この湿った皮膚は酸素と二酸化炭素が溶け込みやすくなっており、酸素は皮膚から血管内に拡散され、二酸化炭素は血管から皮膚を通って排出されます。
皮膚の下に豊富な血管があるため効率的なガス交換が可能となっています。
【 爬虫類 】
爬虫類〔ワニ、トカゲ、ヘビ、カメ、ヤモリなど〕は、乾燥した鱗状(うろこじょう)の皮膚を持っています。この皮膚は水分を保持し、乾燥した環境でも生きられるように設計されています。
ヤモリとイモリの違い: イモリ驚異の再生能力
〔ヤモリ(二ホンヤモリ)〕
〔アカハライモリ(二ホンイモリ)〕
分類
- ヤモリ:爬虫類
- イモリ:両生類
皮膚の特徴
- ヤモリ:乾燥した鱗状の皮膚
- イモリ:湿った滑らかな皮膚
生息地:
- ヤモリ:主に陸上、特に壁や木など
- イモリ:陸上と水中の両方
繁殖
- ヤモリ:卵を産む
- イモリ:水中で卵を産む
再生能力:
- ヤモリ:尾を切られても再生可能
- イモリ:尾や手足も再生可能(脳や心臓の一部が損傷しても再生可能)
ヤモリとイモリは見た目の形状は似ていますが、分類や生活環境、皮膚の性質などで明確な違いがあります。
卵の産み方の違い
【 両生類 】
〔カエル(オタマジャクシ)〕
〔イモリ〕
両生類は一般的に水中で卵を産みます。卵はゼリー状の膜で覆われており水中で孵化(ふか)します。カエルのオタマジャクシが良い例なのですが、幼生は水中で成長します。
【 爬虫類 】
爬虫類は陸上で卵を産むことが多く、卵は硬い殻で覆われています。それにより乾燥した環境でも卵が保護することができます。
体温調節の違い
【 両生類 】
両生類は変温動物で、周囲の温度に体温が影響されます。そのため日陰や水中など、環境に応じて場所を変え体温を調節しています。
皮膚が常に湿っているため、水分の蒸発で体温が影響を受けやすくなります。
変温動物(へんおんどうぶつ)とは?
変温動物とは、外部の環境温度に応じて体温が変わる動物のことをいいます。具体的には、魚類、両生類、爬虫類がそれに含まれます。これらの動物は体温が周囲の温度に左右されるため、環境に応じて体温を調整しながら活動を行っています。
【 爬虫類 】
爬虫類も変温動物ですが、日光浴をして体温を上げたり、日陰や水中に潜って体温を下げたりもします。
爬虫類は両生類に比べて皮膚が厚いため、乾燥した環境でも水分の蒸発を防ぐことができ、皮膚の水分を保ちながら体温調節をしています。
ワニの特性
ワニは爬虫類の中でも特に興味深い存在ともいわれます。
強力な顎と鋭い歯を持ち、川や湖などの淡水域に生息するのですが、ワニの母親は卵を守り、孵化(ふか)後も子供を守るという強い母性愛を示します。
そして、爬虫類の中でもワニの皮膚とその体は非常に硬く、うろこ状の鱗板(りんばん)とその下にある鱗板骨(りんばんこつ)〔皮骨〕によって捕食者から身を守るのに大きく役立っています。
まとめ
ワニは両生類ではなく、爬虫類の一種です。
両生類と爬虫類の違いを理解することで、自然界の多様性に対する理解が深まるかもしれません。
もしも水族館などに行く機会があったら、ぜひ両生類、爬虫類の分類にも注目してみてくださいね!