スポンサーリンク

地層のつくり。地層はどのようにできる…?地層・岩石の種類

地理・科学

地層と大地




地層』とは、地球の表面や地下に存在する岩石堆積物(たいせきぶつ)〔火山の噴出物、生物の死骸、鉱山など〕が層状に積み重なったものを指していいます。そして、これらの地層は地球の歴史や地質的な変化を示す重要な証拠ともいわれます。

それでは、地層はどのようにしてできているのか見ていきましょう!

地層のでき方



地層ができるまでの過程を大きく分けると次のようになります。

  • 風化(ふうか)・ 侵食(しんしょく)

風化は、岩石や土壌などが自然の力によって徐々に変化する現象。

浸食は、風化が進んだ岩石や土壌が風や水によって削られ、地形が変わること。

  • 堆積作用(たいせきさよう)

風化や侵食によってできた岩や砂、泥などの粒子が水〔河川や湖、海など〕や風〔砂漠など〕の力で運ばれ堆積物〔積み重なったもの〕となっていく働き。

  • 堆積物の固結(こけつ)〔堆積物が固まる〕

堆積物が時間の経過とともに圧力によって固まり、岩石・地層として固定される。
圧力は上からの重みや地下水の圧力によって生じる。



これらをもう少し掘り下げて見ていきたいと思います。


風化(ふうか)・ 侵食(しんしょく)




風化(ふうか)】とは、長い年月をかけ岩石や地形が、太陽光や空気、雨水などの自然の力によって崩れたり、分解、変質する過程をいいます。この風化にはいくつかの種類があります。


  • 物理的風化

岩石が物理的(物質的)な力によって崩れる現象。

例えば、風や水の力による磨耗や破砕(はさい)〔粉々になること〕したり、凍結・融解(ゆうかい)作用〔水が凍ると膨張し、凍った水が解けると圧力が減少して岩が割れたりする働き〕など。


  • 化学的風化

岩石が化学的な反応によって崩れる現象。

例えば、酸性雨〔大気汚染により酸性の性質を持つ雨〕が岩石を溶かしたり、鉄分が酸化して鉄錆(てつサビ)ができるなど。




侵食(しんしょく)】とは、風化によって弱体化した岩石や土壌が、風や水流、風、氷などの自然の力によって削り取られ、運ばれて変化する過程をいいます。この浸食にもいくつかの種類があります。


  • 水による侵食〔水食 すいしょく

川や湖、海などの水が地形を削り取る現象。

例えば、水流により川底の地盤が削り取られたりするなど。



  • 風による侵食〔風食(ふうしょく)

風が岩石や地形を磨耗させる現象。

例えば、砂嵐による岩石の磨耗など。



  • 氷河による侵食(氷河侵食)

氷河が地形や岩石を削り取る現象。

例えば、氷河の浸食によるU字谷〔U字形をした谷底を持つ谷〕や、フィヨルド〔氷河によって削られた深い入り江や海岸線〕など。

〔U字谷〕

〔フィヨルド〕



堆積作用(たいせきさよう)



堆積作用(たいせきさよう)】とは、岩石や砂、泥などの粒子が川、風、氷河などの自然の力によって運ばれ、その運ぶ力が弱まってくることで地面に沈殿し積み重なっていく過程を言います。


  1. 運搬(うんぱん)

風〔飛砂(ひさ)など〕や海の波、河川の流れや氷河など、自然の力によって岩石や砂、泥などの粒子が運ばれる。

〔飛砂〕



2. 沈殿(ちんでん)


運ばれた粒子が、地面や海底、湖底などに沈んでいく。

沈殿した粒子は、次第に地面に落ち着き、堆積物〔積み重なった物質〕を形成する。

堆積物の性質に応じて、砂岩、粘土岩、礫岩などの岩石が形成されていく。




堆積物の固結(こけつ)


堆積作用によって地表や水中に堆積した粒子や岩屑(がんせつ)〔岩石の破片〕が、時間と圧力の作用によって固い状態〔固結〕となり岩石や地層を形成する。

固結〔固まること〕には次のような種類があります。



  • 圧力による固結

堆積物は上からの重みや地下水、周囲の地層の圧力によって圧縮される。


圧縮された堆積物は粒子同士が密着し、間隙が減少することによって強度が増し、岩石へと変化していく。


  • 水分による固結

堆積物が水分を含むことで粒子間の結合が強化され、緻密で固い構造を形成する現象。

表面張力で粒子を引き寄せ、小さな隙間に入り粒子を結びつける。
さらに、水分を吸収してから乾燥すると収縮して密度が高まり、堆積物は固く安定した構造を持つようになる。


  • セメント質の生成による固結

地下水や地下の岩石から溶け出した物質が土や岩石中に浸透し、化学反応を起こしてセメント質が生成されることがある。

主なセメント質としてはシリカ(二酸化ケイ素)、カルシウムカーボネート(炭酸カルシウム)、鉄酸化物などがある。

これらの生成されたセメント質が粒子同士を結びつけ、土や岩石を固結させ、土や岩石の強度や安定性が増したりもする。




地層・岩石の種類



地層・岩石は、その形成過程や性質によっていくつかの種類に分類されます。


【 堆積岩層(たいせきがんそう)】


堆積作用によって形成された岩石層。水や風、氷などの力によって運ばれた堆積物が固結してできます。

主に、砂岩粘土岩礫岩(れきがん)、石灰岩(せっかいがん)などがあります。

〔礫岩〕

〔石灰岩〕


【 火成岩層(かせいがんそう) 】


火山活動マグマの冷却によって形成された岩石層。溶岩が地表に流れ出して固まったり、マグマが地下で冷えて結晶化したりして形成されます。

主に、玄武岩(げんぶがん)、花崗岩(かこうがん)、閃緑岩(せんりょくがん)などがあります。

〔玄武岩〕

〔花崗岩〕

〔閃緑岩〕


【 変成岩層(へんせいがんそう)】


地球の深部(地殻)で高温・高圧の条件下で岩石が変質することで形成される岩石層。既存の岩石が圧力や熱によって結晶化や変質を経て形成されます。

主に、結晶片岩(けっしょうへんがん)、大理石(結晶質石灰岩)などがあります。

〔結晶片岩の一種:緑色片岩〕

〔大理石〕



氷河堆積物層


氷河が地形を浸食して運搬した際に積み重ねた岩や土砂の層。

氷河が動くときには大きな岩も削り取られ運ばれるのですが、氷が溶けるとその周りに岩や土砂が積み重なって地面に残ってできます。


不整合層


地層が連続していない箇所や、地層の間に断層〔地層に力が加わりずれる〕や褶曲(しゅうきょく)〔地層が曲がりくねる〕などの地質学的な不整合が見られる箇所を指していいます。




地層・岩石の種類は、地球の地質学的な過程や歴史などを知るうえで重要な情報源となっています。




グランドキャニオンの地層


グランドキャニオン〔アメリカ合衆国アリゾナ州〕は、何億年にわたる地質変化によって形成された巨大な地層の集合体になります。

最も古い地層は、約20億年前の地層になり、その上に新しい地層が次々と堆積しています。

グランドキャニオンの地層は、風化や浸食によって現在でも常に変化しており、地質学者や観光客にとって貴重な場所となっています。



人気ブログランキングブログランキング・にほんブログ村へ