世界で平均身長が大きい地域は…?
スポーツ競技などを見ていても、欧米選手に引けを取らないぐらいに、アジア選手にも体格がいい選手が多くなったような気がするのですが、実際、世界では平均身長はどのくらいの違いがあるのでしょうか…?
近年の日本人の身長の平均値は、30代で、男性約171cmぐらい、女性約158㎝ぐらい、17歳〔文科省統計〕で、男性約170㎝ぐらい、女性約158㎝ぐらいになります。
この数字は世界の平均身長からみると真ん中より少し下あたりの身長となるようです。
特に身長が高い国の、オランダ、ノルウェー、デンマーク、ボスニアなどでは、統計によって多少の上下はありますが、平均で男性180㎝以上、女性167㎝以上になり、日本人に比べ平均で10cmぐらいの違いがあります。
その中でもオランダは男性約183cmぐらい、女性約170cmぐらいと世界一背が高い国といわれることがよくあるそうです。
地図を見ても分かるようにヨーロッパの寒い地域に、身長の高い国が多いように感じられるのですがどうしてなのでしょうか…?
さまざまな要因があるとは思いますが、ひとつに食生活が関係していると言われています。
この辺りの地域では、特に酪農が盛んであることもあり、日々の生活でも乳製品の食事が多く、タンパク質やカルシウムなどが豊富という理由が挙げられます。
それと、もう一つは生物学的な理由になり、もちろん例外もあるのですが、人間などの恒温動物(こうおんどうぶつ)は、体温を維持するために、同種類の動物であっても、寒い地域に住むほうが大きい傾向にあるといわれています。
※恒温動物…体温調節能力があるため、外気温が変化しても体温を一定に保てる動物
そのため、平均的にみて身長の低い国は、東南アジアなどの南方の国々に多く、統計によっては、男性で約160cmぐらい、女性で約145cmぐらいが平均的な身長という国もあります。
食事の内容や、地域によっては栄養上の問題もあるかもしれませんが、気候が暑いことで世界的平均値に比べて小さくなる傾向にあるのではないかともいわれています。
※例外の国もたくさんあります。
日本人の若い年齢層の身長のピークは過ぎていた…?
文部科学省が毎年行う、17歳の日本人の平均身長によると、戦後、年々伸び続けていた平均身長ですが、2000年頃までがピークで、それから、20年ぐらいたった今では、若干〔数ミリ〕ではありますが、縮んでいる傾向にあると言われています。
身長の推移
戦後の1950年頃の平均身長は、男性約160cmぐらい、女性約149cmぐらいだったということです。
ここから、特に体の成長に必要なたんぱく質やカルシウムなどの栄養状態がよくなることによって急激に平均身長も伸びていきます。
そして、20年たった1970年頃には、男性約168cmぐらい、女性156cmぐらいにまで高くなります。
それから、ゆるやかに伸びる傾向だった平均値は、1995年頃にピークを迎え、男性約170㎝ぐらい、女性約158㎝ぐらいで高止まり、2000年頃まで横ばいとなります。
そして現在までの20年余りで、少しづつ低くなる傾向が見られています。
この理由としては、厚生労働省の調査内容によりますと、1990年代頃に比べると食生活を取り巻く社会環境の変化に伴い、身長を大きくする栄養素である、たんぱく質やカルシウムの摂取量が減少の傾向にあるということ。
そして生活環境では、特にパソコン、スマホなどの普及により画面を見る機会が多くなり、運動不足と睡眠不足が成長の妨げになっているのではないかと言われています。
何となく予測がつく話ですが、ほんとこの時代、どうしたらいいものなのでしょうか…