『がん』とはどんな病気…?日本人の約2人に1人が一生のうちにかかる病

生活・食物

『がん』とはどんな病気…?



(がん)〔悪性腫瘍(あくせいしゅよう)とも〕は、正常な細胞の遺伝子〔生物が持つ遺伝情報の基本的な単位〕が突然変異によって傷がつき、それにより形成された異常な細胞が増殖し続けて、正常な組織を圧迫したり、周囲の組織や器官に侵入したりする病気になります。

通常、健康な細胞は細胞周期があるため、古い細胞は死滅しますが、がん細胞は制御を失い増殖し続けます。

『がん』は非常に身近な病気であり、体のさまざまな部位で発生することもあるため、日本人の多く〔約2人に1人〕が一生のうち一度はかかる可能性があるとされています。


日本人に多い癌(がん)

肺がん


肺がんとは、肺組織で異常な細胞の増殖が起こり、腫瘍が形成される疾患になります。

主に、喫煙二次的な煙の影響(受動喫煙など)、放射線や化学物質にさらされるなどがリスク要因とされています。

【症状】

咳〔血を伴うなど〕、息切れ、胸痛、体重減少、疲労感などが一般的な症状です。



大腸がん



大腸がんは、大腸〔結腸や直腸〕の内壁で異常な細胞の増殖が起こり、腫瘍が形成される疾患になります。

主に、遺伝的要因食生活〔高脂肪で食物繊維が少ない食事、赤肉の過度な摂取〕、肥満喫煙運動不足などがリスク要因とされています。


【症状】

便秘や下痢の繰り返し、便中に血が混じる、腹部痛、腹部膨満感、体重減少、疲労感などが見られることがあります。



胃がん



胃がんは、胃の内壁で異常な細胞の増殖が起こり、腫瘍が形成される疾患になります。

主に、ヘリコバクターピロリ菌の感染※、食生活〔過剰な塩分摂取、加工食品の過度な摂取〕、喫煙遺伝的要因などがリスク要因とされています。

【ヘリコバクターピロリ菌】

胃の粘膜に感染する、らせん状の細菌です。感染すると胃炎や胃潰瘍、胃がんの原因になることがあります。感染経路は口から感染することが多く、治療には抗生物質〔細菌や微生物を殺す薬〕などが使われます。


【症状】

腹部不快感、腹痛、消化不良、食欲不振、体重減少、吐血、黒色便などが一般的な症状です。




癌(がん)の治療にはどんな方法があるの…?


≪手術≫

がんを取り除くために行う方法です。主に初期段階のがんや局所的ながんに対して行われます。


≪放射線療法≫

放射線〔X線やγ線(ガンマ線)など〕を使ってがん細胞を破壊する方法です。腫瘍の大きさや位置によって適用されることがあります。X線やガンマ線などの高エネルギー放射線を照射して、がん細胞のDNAを攻撃し、細胞の増殖を抑制する治療になります。


≪化学療法≫

抗がん剤〔がん細胞を抑制または破壊する薬〕を用いてがん細胞を攻撃する方法です。全身のがんや転移がある場合に広く使われます。


≪ホルモン療法≫

ホルモンを調整することでがん細胞の成長を抑える方法です。主にホルモン受容体陽性のがん〔ホルモンに反応するがん〕に対して行われます。

例えば、乳がん(女性ホルモン)や前立腺がん(男性ホルモン)などに対して広く用いられています。


≪免疫療法≫

免疫システムを活性化してがん細胞を攻撃する方法です。近年ではオプジーボなどで注目されている治療法の一つです。


≪分子標的治療薬≫

特定のがん細胞〔特定の分子〕に効く薬を使って治療する方法です。がん細胞の特性に応じて適切な薬を選択します。



これらの治療法は病気の種類や進行度、患者の状態によって組み合わせて行われることがあり、治療計画は専門家との相談に基づいて決定されます。


がんの検査方法はどんなものがある?

【画像検査】


  • X線検査(レントゲン)… 身体の内部組織や骨の状態を撮影。患者は特定のポーズをとり、X線(放射線)を照射して画像にする。

  • CTスキャン(コンピュータ断層撮影)… X線(放射線)を利用し、身体の断層画像を撮影。複数の角度から撮影してコンピューターで立体的な画像に変換する。内臓などの組織の状態、異常な腫瘍を詳細に診断。

  • MRI(磁気共鳴画像)… 強力な磁場〔強力な磁石〕と電磁波〔電気と磁気の振動を伝える波〕を使用して身体の内部組織を撮影。高解像度の断層画像を生成し、脳、関節、内臓などの詳細な構造や機能を観察する。

  • PET検査(陽電子放射断層撮影)… 患者にFDG〔ブドウ糖と微量の放射性薬剤〕を静脈に注射し、その物質が集まる部位をPETカメラで観察。がん細胞や脳機能、心臓血流など、病変や異常を検出する。

  • 超音波検査… 高周波の音波を使って体内の組織や臓器を撮影する検査。患者の体にジェルを塗り、超音波プローブ〔音波を使って内部を探る装置〕を当てて音波を送信する。それにより内部の構造や血流をリアルタイムで観察して異常や疾患を診断する。


【組織検査】


  • 生検… 組織を採取して顕微鏡で調べる。

  • 細胞診… 細胞を採取して顕微鏡で調べる。


【血液検査】


  • 腫瘍マーカー検査… 特定の腫瘍マーカー〔がんの存在や活動を示す血液中の物質〕を測定する。

  • 生化学検査… 肝機能や腎機能などを調べる。



【内視鏡検査】



内視鏡には様々なタイプがあり、胃内視鏡(胃カメラ)の他にも大腸内視鏡(大腸カメラ)、気管支内視鏡(気管支カメラ)、膀胱内視鏡(膀胱カメラ)などがある。


  • 胃カメラ検査… 胃や十二指腸などの内部を観察するために使用。柔軟なカメラ付きのチューブを口から挿入し、消化器の状態や病変をリアルタイムで確認する。生検〔組織や細胞の詳細な検査〕も行われ、疾患の診断や治療計画などに役立てる。

  • 大腸内視鏡検査(大腸カメラ検査)… 柔軟なチューブにカメラを取り付け直腸と大腸を観察する。ポリープや炎症などをリアルタイムで確認し生検やポリープ切除も行う。


【遺伝子検査】


  • 遺伝子解析… がんに関連する遺伝子変異〔遺伝子の配列に変化が起きたり、遺伝子が欠失したり、増加したり〕を調べる。

    例えば、がん細胞は特定の遺伝子変異を持っており、それががんの発生や進行に関与しているともいわれる。



これらの検査方法は、症状や疑わしい場所の状態などに応じて適切な方法が選択されます。


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