日本の三権分立
今回は、日本の「三権分立(さんけんぶんりつ)」についてお話しします。
少し難しそうに感じるかもしれませんが、出来るだけわかりやすく解説していきたいと思います!
三権分立(さんけんぶんりつ)って何?
まずは、「三権分立(さんけんぶんりつ)」っていったい何なのでしょうか…?
簡単に言うと、国の権力を三つに分けて、お互いに監視し合いながらバランスを取る仕組みのことを言います。
この仕組みは権力の集中を防ぎ、国民の自由や権利を守るために重要とされています。
その国の三つの権力とは、
「立法(国会)」「行政(内閣)」「司法(裁判所)」を指して言います。
それぞれ役割が違いますが、互いにチェックし合うことで公正な政治を実現できるようなシステムとなっています。
立法(国会)
〔国会議事堂〕
それでは、立法(りっぽう)から説明していきます。
立法は、法律を作る役割〔ルールを決める役割〕を持っています。
日本では国会(こっかい)がこの仕事を担っているのですが、二つの議院から成り立っていて衆議院と参議院に分かれています。
選挙で選ばれた国会議員たちが、みんなの意見を反映しながら新しい法律を作ったり、古い法律を変えたりします。
行政(内閣)
次に行政(ぎょうせい)です。
行政は、国会で作られた法律を実際に運用する役割〔国を運営する役割〕を持っています。
日本では、内閣(ないかく)がその中心です。内閣総理大臣(首相)と大臣たちが協力して、国民のために政策を実行していきます。
たとえば、教育や福祉、経済政策などを考えて実行するのが内閣の仕事です。
司法(裁判所)
最後に司法(しほう)です。
司法は、法律などに基づいて争いごとを解決する役割〔審判の役割〕を持っています。
日本では、裁判所(さいばんしょ)がこの仕事をしています。裁判所は、法律などに従って公正な判断〔法の解釈〕を下すことになります。
裁判所は、最高裁判所を頂点とし、各地に地方裁判所や高等裁判所があります。
「法務省」と「裁判所」の仕事の違い
日本の法務省と裁判所は、司法に関わる役割を担っていますが、その役割と機能には明確な違いがあります。
【法務省(ほうむしょう)】
≪役割・機能≫
- 法務省は、行政機関として法律の施行や法制度の整備を担当する。
- 立法に関する行政業務、法律の改正や新法の立案、司法書士や弁護士の監督、刑事施設の管理、外国人の出入国管理、戸籍管理などを行う。
【裁判所】
≪役割・機能≫
- 裁判所は、司法機関として法律に基づいて紛争を解決し公正な裁判を行う。そして独立した機関として、政府や他の機関からの干渉を受けずに判断を下す。
- 最高裁判所を頂点とし、下級裁判所〔高等裁判所、地方裁判所、家庭裁判所、簡易裁判所〕がある。
このように、「法務省」は法律の管理と行政を担当し、「裁判所」は法律の適用と紛争の解決を担当と、それぞれが異なる役割を持って独自の機能をしています。
『三権分立』は具体的にどのように機能している…?
例えば、ある法律が『国会』で成立(せいりつ)〔まとまること〕したとします。
しかし、その法律が憲法(けんぽう)〔法律などで変更できない、法律の上にある国の決まり事〕に違反している可能性があった場合、『裁判所』が違反がないかどうかを判断します。
もし裁判所で憲法に違反していたと判断されれば、その法律は無効となります。
そのため国会がどんなに強力だとしても、憲法〔国の決まり事〕を超えることが出来ないように裁判所でチェックをする仕組みとなっています。
また、『内閣』は国会の信任(しんにん)〔信用して事をまかせること〕を得て運営されます。
つまり、国会が内閣に対して不信任決議(ふしんにんけつぎ)〔信用できないと意思表示をすること〕を行えば、『内閣』は解散せざるを得ません。
このように、行政権(内閣)も立法権(国会)の監視下に置かれています。
まとめ
日本の三権分立は、立法、行政、司法の三つの機関が互いに独立しながらもバランスを取り合って運営されています。
そして、この仕組みは私たちの社会が公正で安全に運営されるための大切な基盤となっています。
次にニュースで国会や内閣、裁判所の話題を目にしたら、少し難しい内容かもしれませんが、それぞれの役割や関係性について少し思いを巡らせてみると、新しい発見があるかもしれませんね!