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『錆びにくい金属』サビる金属とサビにくい金属の違いとは?

未分類

チタン・青銅・ステンレス鋼アルミニウム

なぜ、サビる金属とサビにくい金属がある?



錆(さび)とは、金属が酸素や水分と反応して化学変化を起こし〔物質が他の物質と結びついて性質が変わる〕、腐食(ふしょく)〔金属が分解されて劣化〕する現象です。



しかし、全てが錆びる金属ではなく一部の金属は錆びにくい性質を持っており、私たちの生活や産業で幅広く活躍しています。



ここでは、そんな「錆びにくい金属」とはどんな物なのか、簡単に説明していこうと思います!


ステンレス鋼



最もよく知られている錆びにくい金属がステンレス鋼(stainless steel)です。

ステンレス(stainless)は「錆びない・汚れのない」などの意味になります。




ステンレス鋼は、鉄に10%以上のクロムを加えた合金〔二種類以上の金属を混ぜ合わせて作られる材料〕となり、酸素と反応して「酸化膜(さんかまく)」を作ったものになります。



この酸化膜が鉄を保護し、錆びにくくしています。

酸化膜(さんかまく)とは?

金属の表面に形成される、酸化物〔酸素と結びついた物質〕の薄い層。




そのため、ステンレス鋼は、水を使うようなキッチン用品、医療機器、建築材料などに多く使われています。


クロムとは?


クロムは、銀白色の硬い金属で光沢がある物質です。


特に耐腐食性〔錆びにくさ〕と耐摩耗性〔すり減りにくさ〕に優れており、他の金属との合金を作ることで強度を向上させます。


そのため、メッキや装飾用としても使われており、車やバイクのパーツ、工具などでもよく見られます。

アルミニウム

〔1円玉は、純度100%のアルミニウム〕



アルミニウム(aluminium)は、軽量で錆びにくい金属の代表格です。



実は、アルミニウムも酸化〔酸素との反応〕しやすい金属なのですが、酸化するとすぐに非常に薄い「酸化アルミニウム」の膜を自然に作り、それが内部の金属を保護します。



そのため、長期間使用しても外観がきれいなまま維持されることが多いです。



そのためアルミニウムは、航空機、飲料缶、窓枠など幅広く使用されています。


さらに、アルミニウムは再利用可能な資源であり、リサイクルが容易なため、環境にも優しいと言えます。


チタン



チタン(titanium)は、錆びにくいだけでなく、強度も軽さも優れている金属です。



アルミニウムと同じく、酸化してもその酸化膜「酸化チタン」がさらに錆びを防ぎます。



海水に強いため、潜水艦や船、スポーツ用品、医療用インプラントに使用されることが多いです。


チタンが海水に強い理由


チタン自体は化学的に非常に安定した金属〔他の物質と反応しにくい〕で、海水に含まれる腐食性物質〔例えば、塩分や硫酸など〕に対しても高い耐性を持っています。


この安定性は、チタンの原子構造と結合の強さ〔原子の結合が強い〕によるもので、反応性が低いため、海水中の酸化物や塩分と化学反応を起こしにくいのです。


さらに、酸化膜「酸化チタン」が形成されることで、金属表面が保護され、海洋環境での長期的な使用に適しています。




また、チタンはアレルギーを引き起こしにくいという特徴もあるため、アクセサリーとしても人気です。

チタンがアレルギーを引き起こしにくい理由


チタンは生体適合性(せいたいてきごうせい)が非常に高い金属で、人体に対して反応を起こしにくい特性があります。


それは、体内に入っても体の免疫系が過剰に反応せず、アレルギーを引き起こす可能性が低くなるということです。


また、チタンは腐食に強く、細菌が繁殖しにくい環境を作るため、医療用インプラントや義肢などに広く使用されています。

銅・青銅



(copper)や青銅(bronze)〔主に銅とスズ(錫)を合金した金属〕は完全に錆びるわけではありませんが、独特の変色である「緑青(ろくしょう)」を形成することで金属を保護する役割をします。

そのため、銅像や屋根材などで使用した場合、長期間にわたってきれいな外観を維持することができます。

さらに、銅は抗菌作用も持っているため、調理器具や水道管、楽器などにも使用されています。


緑青(ろくしょう)とは?

〔名古屋城の天守閣〕


緑青とは、銅が酸化して生成される緑色の物質で、主に酸化物〔酸素と他の元素が結合してできた化合物〕の形で見られるのですが、この変色は銅が空気や湿気にさらされることで発生します。

それにより銅の表面に薄い膜を形成、その下にある金属を保護することにより、長期間にわたり腐食や錆びから守られ元の外観を保つことができます。


例えば、銅像や古い屋根材に見られる独特の緑色が緑青です。

まとめ



「錆びにくい金属」は、表面に保護膜を作ることで内部の腐食を防いでいます。



この保護膜は、金属が酸素と反応することで生成されるものですが、その膜自体が強固であるため、内部の金属がさらに酸化するのを防ぐのです。


特にステンレス鋼のクロムやチタン、アルミニウムの酸化膜は、自動的に再生する性質を持つため、表面に傷がついてもすぐに修復され、長期間にわたって錆びにくい状態が保たれます。



これらの金属はその特性を活かして、私たちの暮らしをより快適で便利にしてくれています。




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