ナメクジはカタツムリの中身ではないの?


カタツムリの中から出てきてしまったものが、ナメクジだと思ってしまいそうですが…
ナメクジとカタツムリは別物です。
それでは、似ているこの両者にはどんな関係があるのでしょうか…?
カタツムリとナメクジの違い

『カタツムリ』と『ナメクジ』共に、【 軟体動物門 腹足綱 】になります。
【軟体動物(なんたいどうぶつ)】とは、身体が柔らかく伸縮自在で、頭、胴体、足はあるがしっかり分かれていないもののことを指し、【腹足綱(ふくそくこう)】とは、らせん状の殻をもった貝の仲間、巻貝の一種のことを言います。
※ただし進化の過程で殻がないものもいます。
カタツムリの進化 ⇒ ナメクジ
カタツムリとナメクジは別の生き物ですが、カタツムリが進化することによって、

殻(から)が退化してしまったものがナメクジなんだそうです。

ちょっと逆のような気もしてしまうのですが…
そのため、カタツムリの殻は体の中から分泌された石灰からなっており、体の一部なので少しぐらい殻が欠けてしまっても再生します。
そして、もちろん殻が大きく割れてしまったりすれば死んでしまいます。
なので、ヤドカリのように中身だけ出ることができないのです…

カタツムリの『目』はどこにある…?

カタツムリを見ると、ツノのような触覚があるのはわかりますが、目はどこにあるのでしょうか…?
カタツムリは触覚が4本。そのうち2本に目。
一般的なカタツムリには、触覚が4本あるのですが、

大きい触覚〔大触覚〕が2本と、小さい触覚〔小触覚〕が2本あります。
そのうちの大触覚の先に小さい目がついています。


↑拡大すると、こんな感じです…
目は光を捉える程度で視力は低いということですが、触れることで障害物を察知するといわれます。
触覚は嗅覚と味覚の働きもある!

そして、なんと小触覚のほうは嗅覚と味覚の働きもあるそうです!
ちなみに、カタツムリはとても生命力が強く、触覚や体は切られても再生する能力があります…
結構、タフです。
カタツムリは歯が10,000本以上…?

見た目ではのんびり屋で温厚に見えるカタツムリですが、
実はとてつもない数の歯が並んでいるのです…

その数なんと10,000本以上!
あの小さい体にその数の歯がどうやって並んでいるのかというと、実は、歯といってもヤスリのようになっており、歯舌(しぜつ)といって舌に歯が並んでいて、歯で物を噛むというよりは歯で削るといった感じのようです。

↑こちらはヌタウナギという別の生物の歯舌で、大きさは違うのですが、舌についた歯はこのようになります。
カタツムリは殻を作るためにカルシウムが必要なため、飼っていれば卵の殻などを与えることができるのですが、自然界ではコンクリート〔炭酸カルシウム〕などをその歯で削りながら摂取しています。

この歯舌は使うことでどんどんすり減っていくのですが、そのため、その度に新しい歯が生えてくるということなのです…
ナメクジに塩をかけると溶けてなくなるの?

「ナメクジに塩」の話しは昔からよく聞きますが、いったいどうなるのでしょうか…?
ナメクジは消えて無くならない
実は、ナメクジは消えて無くなることはなく、ナメクジの体はほとんどが水分〔90%近く〕なので、その体に塩をかけると浸透圧(しんとうあつ)〔濃度の異なるもが差を縮める作用、低濃度から高濃度へ流れ込む〕によって、水を通しやすいナメクジの皮膚を境に、食塩濃度の高い外側へ水分が染み出ていきます。
そのためナメクジは脱水された状態になり縮んでいるだけで消えてなくなることはないのです。
カタツムリの殻は右巻き?それとも左巻き?

カタツムリの殻は遺伝子(いでんし)〔遺伝現象を引き起こす物質〕により右巻が多いのですが、全てではなく左巻きも存在します。
カタツムリの天敵である蛇の中に、右巻きの個体でないと、食べられない〔右利きのような〕習性があるものがいるらしく、そこから逃れるために、進化した左巻きのカタツムリも誕生したのではないかと言われているのです。
生物多様性(せいぶつたようせい)とは?同じ種の生物が長く存続するには…
カタツムリは『オスとメス両方』の性を持つ雌雄同体の生物⁉

カタツムリ(ナメクジ)は雌雄同体(しゆうどうたい)⁉
カタツムリは雌雄同体(しゆうどうたい)といって、一個体でオス、メス両方の生殖器官を持ち合わせているため、オス、メスどちらにでもなることができるようです…
雌雄同体である理由
- 繁殖の効率性
カタツムリのように動きが遅く、パートナーを見つけにくい動物にとって、どちらの性としても繁殖可能であることは生存に有利なため。 - 環境への適応
限られた環境下でも確実に繁殖できるため生息域を広げるのに役立つため。
この仕組みはカタツムリに限らず、多くの軟体動物や一部の他の生物でも見られるユニークな特徴となっています。
そのため、まれに一匹でも卵を産むことがあるといわれています。

すごい生き物なんですね…
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