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「ひょう」と「あられ」の違い。それぞれどんな時に発生する?

生活・食物

「雹(ひょう)」「霰(あられ)」「霙(みぞれ)」の違い


空から降る「氷の粒」には、いくつかの種類があり、その代表的なものが「雹(ひょう)」「霰(あられ)」「霙(みぞれ)」です。


一見するとどれも似ているように感じますが、それぞれ発生の仕組みや性質が異なります。



それでは、それぞれの違いを詳しく見ていきましょう!


雹(ひょう):大きい氷の粒



まず「雹(ひょう)」ですが、これは直径が5ミリ以上の氷の粒を指していいます。



雹は春から夏にかけて、特に積乱雲(せきらんうん)が発生する季節に降ることが多いです。積乱雲は暖かく湿った空気が急激に上昇してできる雲なのですが、この中では強い上昇気流が発生します。



そして、この気流によって水滴が何度も雲の中を上下に移動し、冷却されるたびに表面に氷が付着していき、だんだんと大きな氷の塊になっていきます。


最終的に、重くなった雹が上昇気流に耐えきれなくなると、地上に向かって降ってくるのです。


雹は大きいものだとゴルフボールやそれ以上のサイズにまで成長することがあり、地面に落下する時には大きな被害をもたらすこともあります。



農作物を痛めつけたり、窓ガラスを割ったりと、その威力は非常に強力です。



このように、雹が降るのは「積乱雲の強い上昇気流」と「暖かい季節」が組み合わさった特殊な条件が必要となります。


霰(あられ):小さい氷の粒



一方、「霰(あられ)」は、雹と比べると小さな氷の粒で、直径5ミリ未満のものを指します。



霰も氷の粒ですが、発生する雲や季節に違いがあります。霰は冬から春にかけての寒い時期に、積雲(せきうん)や層積雲(そうせきうん)といった低い雲から降ることが多いです。




雲の中で水滴が凍りつくことで霰が生成されますが、雹(ひょう)のように何度も上昇気流にさらされることはありません。そのため、比較的小さな氷の粒として地上に降りてくるのです。


霰は、雹に比べて降ってきた時の衝撃が少なく、農作物や建物に大きなダメージを与えることは少ないですが、降ると地面が真っ白になることもあり、比較的柔らかい質感を持っています。



霙(みぞれ):「雨」と「雪」の混合



さて、次に「霙(みぞれ)」になりますが、これは少し異なります。みぞれは氷の粒そのものではなく、雨と雪が一緒に降ってくる状態を指します。



気温が0度近くになる冬の時期に、雪が溶けきらないまま雨と混ざって降ってくるため、雨とも雪ともつかないような中間の形で地上に到達します。

みぞれは、積雪として地面に積もることは少なく、どちらかというと雨のように地面に染み込んでいきます。


日本の冬の終わりや春先にはみぞれが降ることが多く、これが春の訪れの前兆として感じられることもあるかもしれません。



雪と違ってみぞれが降ると道がぬかるんだり、歩きにくくなったりするため、少し厄介な降水の形ともいえます。


まとめ



それぞれの特徴をまとめると次のようになります。

  • 雹(ひょう)
    直径5ミリ以上の氷の粒で、主に春から夏の積乱雲から降る。大きくて硬いため、農作物や建物に被害をもたらすこともある。

  • 霰(あられ)
    直径5ミリ未満の小さな氷の粒で、冬から春の寒い時期に低い雲から降る。地面を白く染めることはあるが、大きな被害は少ない。

  • 霙(みぞれ)
    雨と雪が混ざって降る状態で、主に気温が0度近くの時に発生する。地面には積もらず、雨に近い状態で消えていく。

ひょう、あられ、みぞれはそれぞれ異なる条件で発生し、その性質も様々です。


季節や雲の種類、気温によって形を変えて降ってくるこれらの氷の粒は、季節の変化を感じる上で興味深い一面があるとはいえ、私たちの日常生活に危険をもたらすこともあります。



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