スポンサーリンク

老化のメカニズム。どうして人は歳をとっていくの…?

生物・生態



人は、赤ちゃんとしてこの世に生まれてから、段々と成長して大人になり、おばあちゃん、おじいちゃんになっていくわけですが…

その変わっていく姿は、当たり前とは思いつつも不思議な感じがするかもしれません。



それでは、今回は『老化のメカニズム』について科学的なことも踏まえながら、その秘密を探っていきましょう!


年をとるってどういうこと?


私たちの体は、何兆ものたくさんの細胞からできています。この細胞たちが日々新しい細胞に生まれ変わることで、体を健康に保っています。



けれども、この新しい細胞に生まれ変わる力が、歳と共にだんだんと弱まっていきます。これが、年をとるということなのです。

【『成長』と『老化』の違い】

成長は、新しい細胞や組織が形成され、体の発達を促進する過程になります。一方、老化は時間とともに体の機能が低下し、組織や細胞が劣化する過程のことをいいます。

老化は通常、成熟期を過ぎた後に始まります。



それでは、老化する原因となるものを、少し細かくみていきましょう。

1. 細胞の寿命


体の多くの細胞は分裂して新しい細胞を作り出すことができますが、それには限界があります。


細胞が何度も分裂するうちに、やがて分裂ができなくなるのですが、そのことを『ヘイフリック限界』と言います。


正常なヒトの体細胞は約50回~70回の分裂を経て老化し、最終的には分裂を停止します。



細胞の分裂回数が限界に達すると、細胞は老化し機能が低下します。




2. 遺伝子のダメージ


私たちの細胞の中には『DNA』という遺伝子が入っています。


DNAは細胞の働きをコントロールする設計図のようなものなのですが、紫外線やタバコなどの化学物質、その他さまざまな要因によってダメージを受けます。


そのDNAのダメージが蓄積すると、細胞の機能がうまくいかなくなり、老化の原因となります。


そして、このDNAの変異がガンの原因となることもあります。



3. テロメアの短縮

〔灰色が染色体、白色がテロメア〕


細胞の分裂とともに、染色体(せんしょくたい)〔細胞の中にある遺伝情報を運ぶもの〕の末端にある『テロメア』という部分が少しずつ短くなります。


染色体は細胞の中にあるDNAの束で、テロメアはその端を保護するキャップのような役割を果たしています。



しかし、これが短くなりすぎると細胞はもう分裂できなくなり、先ほどの『ヘイフリック限界』がきます。


これが細胞の老化を引き起こし、組織や臓器の機能が低下する原因となります。



【細胞・染色体・DNA のおさらい


簡単に言うと、細胞は体の基本単位で、その中にある核には染色体があり、染色体の中にはDNAが詰まっています。

DNAは遺伝情報を持つ分子〔物質の最小単位〕で、染色体を通じて細胞の機能や特性を決定します。


4. 酸化ストレス




私たちの体内では、酸素を利用してエネルギーを作り出していますが、その過程で「活性酸素」と呼ばれる有害な副産物が生じます。


これらの活性酸素は細胞やDNAを傷つける原因となっています。


若い頃は体の抗酸化機能がこれらを中和しますが、年を重ねるにつれてその機能も低下していきます。




5. ホルモンの変化

〔成長ホルモン〕


歳をとるにつれて、体内のホルモンバランスも変化します。

ホルモン』とは?… 体の機能や調節に影響を与える化学物質



例えば、成長ホルモン〔身体の成長や修復を促すホルモン〕の分泌量が減少するなどです。

ホルモンは、細胞の修復や再生、エネルギー代謝〔食べ物をエネルギーに変える〕など、体の重要な役割を果たしているため、ホルモンの減少は老化を加速させます。




6. 細胞の老廃物の蓄積


細胞が活動することで老廃物(ろうはいぶつ)〔体内で生成された不要な物質〕が発生します。


若い頃は、体がこれを効率的に処理できますが、年を取るにつれて老廃物が体内に蓄積していきます。


それが細胞の機能を妨げ、老化の一因となります。



まとめ


老化は、細胞の寿命、遺伝子のダメージ、酸化ストレス、ホルモンの減少、細胞の廃棄物の蓄積など、さまざまな要因が組み合わさって進行します。


これらの過程は、歳を取る自然なメカニズムです。

老化は避けられないものですが、健康的な生活を送ることで、できるだけ元気な毎日を過ごしたいものですね!




人気ブログランキングブログランキング・にほんブログ村へ