日本の夏は暑いものですが…
単純な話、どうしてそんなに夏は暑くなるのでしょうか…?
暑くなる大きな要因は、地球が傾いているから…
地球は傾いている
地球の自転軸(回転軸)は垂直ではなく、約23.4度傾いています。この傾きのために地球は一年中異なる角度で太陽光を受けています。
更に、それだけではなく地球は太陽の周りを約1年かけて1周(公転 こうてん)しています。
【公転(こうてん)】
地球が太陽の周りを1年かけて回る運動のこと。
【自転(じてん)】
地球が約24時間で自らの軸を中心に1回転する運動のこと。
この動きが季節の変化を引き起こし、暑い夏がやってきます。
『夏』が暑くなる仕組み
夏至(げし)の頃は太陽光が垂直に近い角度で当たる
一年の中で最も昼が長く、太陽が最も高くなる日を『夏至(げし)』と言います。
日本を含む北半球〔地球の赤道より北側の半分の領域〕では、6月21日頃〔2024年も6月21日です。〕が夏至になります。
夏至の時期には、北半球が太陽側に最も傾いているため、太陽光が垂直に近い角度で地球に当たります。それにより、太陽光が強く、地表に多くの太陽エネルギーが届きます。
【夏至が一番暑い夏ではない理由】
夏至が一年で最も昼が長い日であり、太陽が最も高く昇る日であるにもかかわらず、夏至が一番暑い時期ではないのは、地球とその大気や海洋の、熱の吸収と熱の放出の遅れによるためになります。
夏至の時期に受け取る太陽のエネルギーを徐々に蓄え、その後も継続して太陽エネルギーを吸収し続けます。それにより、温度が徐々に上昇し続けるため、暑さのピークは夏至の数週間後に訪れることが多くなります。
直射日光が『地面』を温める
夏の間、太陽は空の高い位置にあり、直射日光が強くなります。
この直射日光が地面を温め、空気を暖かくします。
昼が長い
夏には昼間の時間が長くなります。
長い時間太陽が出ているため、その間に地表に届く太陽エネルギーも増え、気温が上がります。
これらの理由が『暑さ』の仕組みとなってきます。
大気と地表の温まり方
それでは、暑くなる仕組みが分かったところで、具体的に暑さを感じる、その大気などはどのように温まっていくのか見ていきましょう。
【 陸地の場合 】
先ほど、【夏至が一番暑い夏ではない理由】でも少しお話ししましたが、陸地の場合、太陽の光は地表に当たり、地表がまず温められます。
温められた地表は熱を大気中に放出し空気が温まります。そして、この過程が続くと、気温が上昇していくといった仕組みになります。
太陽は遠く離れているのになぜ熱い…?
よくよく考えると不思議なのですが…
太陽から地球までの間に、マイナス200度を下回る宇宙空間があり、地球までの距離も約1億5千万キロメートもあるのになぜ太陽を熱く感じるのか…?
それは、太陽光そのものは非常に強力なエネルギーを運んでいる光線であるだけで、私たちが「熱い」と感じるのは、その光線が地表や物体、大気に吸収されて熱に変わっていた為だったのです。
そのため、太陽光がダイレクトに「熱い」というよりも、太陽光が物体に当たることでその物体が温まり、それを通して熱を感じています。
【 海の場合 】
海の場合も太陽の熱を吸収して温まるのは同じです。温まった海からの熱は大気に伝わり、海の近くの地域も暖かくなっていきます。
しかし、海の場合はゆっくりと温まる傾向〔熱の伝導が比較的遅い〕があるため、海洋の影響での気温上昇は遅れてくることもあります。
まとめ
これまでのことをまとめると…
夏が暑いのは、地球の傾きと太陽の位置によって直射日光が多く届き、そして、昼の時間が長くなるため、地表と大気が暖まって気温が上昇する。
しかし、太陽のエネルギーを徐々に蓄え、温度が徐々に上昇していくため、暑さのピークは夏至の数週間後に訪れることが多くなる。
と、いうことになります。
世界一暑い場所はどこ?
〔デスヴァレー〕
やはり、ここで気になるのが世界一暑い場所となってくるのですが…
世界で一番暑い場所とされているのは、アメリカ合衆国カリフォルニア州にあるデスヴァレー(Death Valley)〔死の谷〕になります。
そこに、デスヴァレー国立公園があるのですが、その公園内の『ファーニス・クリーク』という場所が最も暑い場所として知られています。
世界最高気温
そこで、1913年7月10日に記録された最高気温56.7度が、公式に認定された世界最高気温記録となっています。
なぜ、デスヴァレーは暑い…?
【 地形の影響 】
デスヴァレーは深い谷の中にあり、周囲は高い山々に囲まれています。そのため、熱が谷の中にこもりやすくなります。
【 高度の影響 】
デスヴァレーは海抜以下の低地に位置〔海面より低い位置〕しており、気圧が高くなることで気温が上昇しやすくなります。※気体の圧縮に伴い内部エネルギーが増加するため気温が上昇する。
【低地の気圧が高くなる理由】
低地の気圧が高くなる理由は空気の重さによります。海抜以下のような低い地点では、上に大気(空気)が多く積み重なり、その上にある空気の重さが原因で気圧が高くなります。
そのため、逆に地上から上空に向かっていくと、気圧は徐々に減少していくということになります。
気圧についてはこちらでも説明しています。↓ もし、お時間があればどうぞ。
【 乾燥した空気の影響 】
デスヴァレーは非常に乾燥しており、湿度が低いことで、地表からの熱が直接空気に伝わりやすくなります。
これらの要因によって、デスヴァレーは世界で最も暑い場所となっているようです。