一酸化炭素中毒とは…?
火災などのニュースで一酸化炭素中毒という言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、建物の火災による死亡原因の約4割を占めていると言われています。
それでは、この一酸化炭素とはいったいどんなものなのでしょうか…?
一酸化炭素(化学式CO)は、炭素(カーボン)が含まれている物質〔石炭、石油など〕が燃焼するときに発生するのですが、その際に酸素が不十分な状態〔不完全燃焼〕のときの生じやすい気体になります。
※酸素が十分な状態〔完全燃焼〕のときは、二酸化炭素(化学式CO2)が発生します。
そのため、火災などで不完全燃焼をしたときの煙には、多くの一酸化炭素が含まれている可能性が高くなります。
更に、引火性がとても強く、空気と混ざると爆発する恐れもあります。
日常生活で一酸化炭素中毒は起こらないの…?
普通に生活している中でも、一酸化炭素が発生する危険が隠れています。
例えば、
- ガスや石油ストーブを利用して換気をしていない部屋。
- 火鉢、七輪などで炭を使用したときの煙。
- ガスコンロを使用したときの換気をしていない部屋。〔特に赤い火が出ている時は、不完全燃焼の可能性があり注意〕
- 自動車の排気ガス。〔自動車の排気管が、雪や何らかの原因で詰まった場合、車内に一酸化炭素が充満する可能性がある〕
などなど、様々な場面で一酸化炭素が生じる可能性があります。
一酸化炭素で身体におこる症状とは
この一酸化炭素は、身体にとって有毒な気体ということは周知のとおりなのですが、実は無色無臭であるため、気付かない間に吸ってしまうという危険性があります。
そして間違って、多くの一酸化炭素を吸い込んでしまうと、体内で血液による酸素の運搬が阻害され、酸素濃度が低くなり、体の組織への酸素供給ができなく酸欠状態に陥ります。
ふつう血液中では、酸素を運搬する際に酸素がヘモグロビン(血色素)と結合して体中に運搬されるのですが、一酸化炭素が入り込むと、一酸化炭素がヘモグロビンと強く結合してしまうので酸素循環の妨げをしてしまいます。
特に、脳や心臓などは多くの酸素が必要となるため、頭痛、吐き気、めまいから始まり、この時点でしっかり酸素を供給しないと、意識障害が起こってしまい、助けを呼んだり、室外に出ようにも体が思うように動かなくなり最悪の場合は死に至ることもあります。
そして、無事に生存できたとしても後遺症が残ることもあり、記憶障害や運動障害、精神的な疾患などに見舞われることがあるようです。
火を使う際には、目に見えている火だけではなく、目に見えない気体にも注意を払い、マメな換気を心掛け、室内で多くのガスや石油を使ったり、アウトドアなどで多くの炭などを使用する際には、一酸化炭素警報機というグッズもあるので、利用してみる価値があるかもしれませんね。