電波〔電磁波〕は自然界に存在しているもの…?
現在では電波〔電磁波〕のない生活は考えられませんが、電波はどこから発生しているのでしょうか…?
電磁波は人類が誕生する以前から、もともと自然界に存在していたもので、発見するまではそれに気づかず生活をしていたということになります。
例えば、
太陽は光(※可視光線)、赤外線、そして紫外線を発生しているのですが、宇宙空間は、ほぼ真空〔空気などの物質がない〕なので地球まで熱が届きません。
※可視光線…目に見える光
というのも、熱というのは異なる物質どうしが温度の高い方から低い方へ移動する熱運動のエネルギーなので、物質がない真空を通って熱が直接に地球にまで伝わってこないのです。
それなのに、地球は太陽の恩恵をうけいていますが、どういうことなのかというと…
電磁波である赤外線の※熱放射(ねつほうしゃ)〔熱せられた物体から出る電磁波〕が地球に伝わることで※地球が熱を発生させていたのです。
※熱放射のことを熱輻射(ねつふくしゃ)とも
これは、電子レンジと同じような原理なのですが、太陽から発生する赤外線〔電磁波〕が、地球の地面を温め〔地面の分子を振動させ熱を発生させる〕、地面から照り返す熱によって空気を温めていたのです。
現在では電磁波を様々な分野で利用し生活に役立てていますが、携帯電話やラジオなどでよく耳にする電波も電磁波の一種になります。
電磁波は波長〔波の山と山、谷と谷との距離〕によって区分されており、
波長の長い方〔周波数の低い方〕から順に、
電波〔ラジオ、携帯、テレビ…〕 > 赤外線〔暖房器具…〕 > 光(可視光線)
> 紫外線〔ブラックライト、蛍光灯…〕 > X線〔レントゲン…〕
> ガンマ線〔滅菌など医療関係…〕
と分類されています。
※3,000GHz(ギガヘツル)=3THz以下の周波数を電波と呼んでいます。
※日本では1950年(昭和25年)より『電波法』、そして国家間でも電波の利用ルールが定められています。
電磁波というと難しく聞こえてしまいますが、この分類からも分かるように、私たちが普段目にしている、光も電磁波の一種になりますし、肉眼では見えませんが、太陽の日差しで気にする紫外線も電磁波の一種となり、とても身近なものなのです。
※太陽から発生する赤外線以外の、電磁波〔光(可視光線)、紫外線〕は物質を温める効果はほとんどありません。
このように太陽や宇宙、雷光などからも電磁波が地球に届いています。
人間からも電波や赤外線の電磁波が出ている…
そして、人間からも微量ですが電波や赤外線の電磁波が出ています。
その証拠がサーモグラフィーになるのですが、人間から放射されている電磁波の赤外線に反応して映し出されています。
そして、実は上の写真を見ても分かるように地球上にあるもの〔温度が絶対零度(-273.15°C)以上の物体〕は理論上、全て電磁波〔赤外線〕を発生しているということになるようです…
電磁波はいつ発見された?
それではここからは、電磁波が発見され、そして利用されるまでの歴史を少しだけ振り返ってみようと思います。
1864年、イギリスのジェームズ・クラーク・マクスウェルという物理学者が、電磁波の存在を予言し、光が電磁波であることを証明〔光と電磁波は同等のスピードであること〕していきます。
〔ジェームズ・クラーク・マクスウェル〕
そして数年後、難解だったマクスウェルの電磁波理論を実証する人物が現れることになります。
それは1988年のことで、ハインリッヒ・ヘルツというドイツの物理学者で、この実験により電磁波が空中を移動できることが明らかにされます。
〔ハインリッヒ・ヘルツ〕
その後、1895年にはこの電磁波を応用し、グリエルモ・マルコーニというイタリアの電気技術者が無線通信装置を発明、大西洋をまたぐ通信に成功し会社を設立します。
〔グリエルモ・マルコーニ〕
それからというもの…
ラジオやテレビ、気象レーダーでの天気予報、電話、
そして、医療機器や電子レンジなどの家電、インターネット、携帯電話、GPSなど…
私たちの生活の中で身近に使用する製品へと電磁波は利用されていくことになります。