味蕾(みらい)とは?

〔味蕾〕
口の中で味を感じているとは思いますが、どうして味として感じることができるのでしょうか…?
舌には舌乳頭(ぜつにゅうとう)という球状に突き出しているものがあります。
その中にある味蕾(みらい)という花の蕾のような形状で刺激を感受する細胞によって味覚を感じ、神経細胞〔情報処理、伝達〕を介して脳によって認識しています。
舌乳頭の種類と特徴

舌乳頭の名前 | 形・位置の特徴 | 味蕾の有無 | 主な役割 |
---|---|---|---|
有郭乳頭(ゆうかくにゅうとう) | 舌の奥にある円形の大きな突起 | あり | 味を感じる主役の一つ |
葉状乳頭(ようじょうにゅうとう) | 舌の側面に並ぶヒダ状の突起 | あり | 味を感じる(特に子どもに多い) |
茸状乳頭(じじょうにゅうとう) | 舌の前方にあるキノコ型の小突起 | あり | 甘味やうま味を感じやすい |
糸状乳頭(しじょうにゅうとう) | 舌全体に広がる細かい糸状の突起 | なし | 食べ物の感触をとらえる、摩擦を助ける |
糸状乳頭は数が最も多く、味覚ではなく物理的な感覚に関わっています。
味を感じるのは「味蕾」がある乳頭(有郭・葉状・茸状)になります。
味蕾は舌だけではなく、上あご・喉・のどちんこにもある⁉
実は、この味覚を感じる味蕾は舌だけではなく、上あご・喉・口蓋垂(こうがいすい)〔のどちんこのこと〕にも少数ながら味蕾が存在しています。
舌ほど密集はしていませんが、これらの部位にも味を感じる細胞があり、食べ物が飲み込まれる過程で残る味を感じ取る役割を担っています。
部位 | 味蕾の分布 | 特徴 |
---|---|---|
上あご | 少数あり | 舌と食べ物が接する際に味を補助的に感じる |
喉(咽頭) | 少数あり | 飲み込む前後に味を感じ、食べ物の判別に関与 |
口蓋垂 | ごく少数 | 僅かな味を感じる。主に反射やのどの感覚に関与 |
人間の味蕾の大多数(約70〜80%)は舌に集中していますが、残りの約20〜30%程度がこれらの補助的な部位にあると考えられています。
これにより、より繊細な味の識別が可能になっているのです。
人間の味蕾の数はどれくらい?

味蕾の数に個人差はありますが、人の場合、乳児で10,000個ぐらい、成人で7,000個ぐらい〔その内舌以外で2500個ぐらい〕、65歳を過ぎたあたりで乳児の半分の5,000個ぐらいになると言われています。
そして、実は味は味覚だけで感じているわけではなく視覚、嗅覚、触覚、温覚、聴覚などやその時の感情によっても左右され、すべてを踏まえて判断しているということです。
子供のころ苦手だった味が、大人になって平気になる理由。味覚は身を守っていた…
蕾の数が多い生き物・少ない生き物とは?

それでは、人間以外の生き物たちの味蕾の数はどんな感じなのでしょうか…?
見ていきましょう!
牛の味蕾の数 約25,000個

牛は似たような草の中から必要な栄養素を選んで食べるため味蕾がとても発達しています。
犬の味蕾の数 約2,000個

猫の味蕾の数 約800個

猫は甘味を感じないといわれています。
魚類の味蕾の数 約200個(ナマズは約20万個)

魚類は、口内以外に、口の周りやヒゲ、ヒレにも味蕾があり、口の周りに味蕾があることによってチョンとつついて味を確認しています。
※魚類でも濁った水に生息するナマズはなんと約20万個もあり、特にヒゲ、そして全身に味蕾があるそうです…

蛇の味蕾の数 ほぼ0

蛇は食べ物を丸呑みするためほとんどないそうです…

