脊椎動物は生物の分類上どこに入るの…?
生物は大きい
括り順に、
ドメイン>界>門>綱>目>科>属>種
というように分類されています。
例えば、ヒトならば、
真核生物(ドメイン)>動物界>脊索動物門>哺乳綱>霊長目>ヒト科>ヒト属>ヒト
となり、右に行く程、小さい枠で括られていきます。
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脊椎動物は、上記の分類でいえば、
生物の分類の動物界の下位に置かれている、〔 門(もん)〕の、
脊索動物門(せきさくどうぶつもん)※に属する生物群の一つに位置付けられています。
※脊索(せきさく)とは…
背中側にある柔軟なゼリー状の棒で体を支える器官なのですが、
脊椎動物の中でも哺乳類などの高等な動物は、幼生〔成体になる前の段階〕の時期は
脊索が存在するが、成長と共に脊椎骨(せきついこつ)〔背骨〕となり脊索は圧縮され
退化していきます。
腰痛で辛い、椎間板(ついかんばん)ヘルニアという症状を聞いたことが
あるかもしれませんが、その骨と骨の間にある椎間板の中にある髄核(ずいかく)
というものが脊索の名残りと言われています。
ちょっと細かい話になってしまいましたが…
そして厳密には、脊索動物門をさらに細分化することが可能で、
その下位が〔 亜門(あもん)〕という呼び方になり、
ここで、やっと脊椎動物亜門(脊椎動物)が出てきます。
脊索(せきさく)だったり、脊椎(せきつい)だったり
少しややこしいですね…
脊索動物門のくくりに、脊椎動物を含め3亜門あるのですが、
◆ 脊索動物門 頭索動物亜門(とうさくどうぶつあもん)
… ナメクジウオ〔脊椎動物の祖先ともいわれる〕
◆ 脊索動物門 尾索動物亜門(びさくどうぶつあもん)
… ホヤ
ホヤと聞くと、ホヤ貝と言いたくなってしまうかもしれませんが、
実は、貝ではなく人間など(哺乳類)に近い動物で、心臓もありますし卵も産みます。
※ホヤの幼生は、おたまじゃくしのような形をして泳ぐことができます。
やはり、どうみても動物には見えてこないのですが…
ホヤはホヤ〔世界に3,000種〕であり、他に同じような生態はない
と言われていますが、人間と同じルーツである脊索動物〔無脊椎動物〕であるため、
人の神経ができる仕組みの解明につながる可能性もあるということで、
ホヤの遺伝子研究が進められているそうです。
人もお腹の赤ちゃんにはシッポがあった…?ホヤと人は同じルーツ…脊椎動物とは
◆ 脊索動物門 脊椎動物亜門(せきついどうぶつあもん)
… 哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、魚類など
今回はこの馴染みのある、
脊椎動物亜門(脊椎動物)を見ていきたいと思います。
脊椎動物(せきついどうぶつ)とは…?
脊椎動物とは、脊椎(背骨)をもつ動物の総称になります。
逆に、脊椎(背骨)が無い動物の総称を無脊椎動物(むせきついどうぶつ)と
いうのですが、それは脊椎動物以外の動物すべてを指して言ったりもします。
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脊椎動物の特徴としては、
背骨を中心に左右相称〔左右の部分が同形〕で、
基本、頭部、胴部、尾部(びぶ)〔しっぽのこと〕の3部に分れています。
そして、体を支える骨格が、体の内部に内骨格(ないこっかく)として存在し、
筋肉の付着点となっています。
現存する生物のなかでも、
中枢神経(ちゅうすうしんけい)〔脳と脊髄※(せきずい)のこと。体の刺激に対し
指令を送る〕が発達し、周りの世界の変化に対応し進化してきた、
複雑な体制をもつ動物の一群になります。
※脊髄とは…脊椎動物の背骨の中の脊柱管(せきちゅうかん)を走る白色のひも状の器官。
お腹の中にいる赤ちゃんにはしっぽがある…?
先ほど、脊椎動物の特徴として挙げられた、尾部(びぶ)〔しっぽ〕ですが、
哺乳類である人間も例外ではなく、母親のお腹の中〔妊娠2か月ぐらいまで〕では
赤ちゃんにしっぽがついています。
お腹の中で成長すると共に、体に吸収され消えてしまうのですが、
生まれてからもある尾骨(びこつ)〔尾てい骨。背骨の末端〕はその名残になります。
そのため症例はとても少ないのですが、隔世遺伝(かくせいいでん)※として、
ずっと昔の祖先が持っていた遺伝子が目覚めてしまった為なのか、見解はさまざま
なのですが、生まれてきた子供にしっぽが付いていることもあるそうです。
※隔世遺伝とは…形質が1世代後、もしくは何世代も後になって現われる遺伝現象。
お気づきかもしれまんせんが…
実は、ゴリラも人間と同じで、しっぽが退化してなくなっています。
哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、魚類の特徴
①【 哺乳類(ほにゅうるい) 】
哺乳類とは、
脊椎動物〔背骨を持つ動物〕で、胎生(たいせい)〔母体内で繋がり発育し、
自立可能になってから出産する〕で、主に母乳によって育つ。
哺乳類で現在確認されているものは約5,500種〔その内、日本では約170種〕
- 齧歯目(げっしもく)〔ネズミ目ともいわれる〕
ネズミ、リスなど
哺乳類で最多目で、約2,000種
- 翼手目(よくしゅもく)〔コウモリ目ともいわれる〕
コウモリ
哺乳類で2番目に多い目で、約1,000種
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- 食肉目(しょくにくもく)〔ネコ目ともいわれる〕
イヌ、ネコなど
獲物を捕えるために、目、耳、鼻、ひげなどの感覚器官が優れている。約300種
- 霊長目(れいちょうもく)〔サル目ともいわれる〕
ヒト、サルなど
脳が発達しており、手足の指は主に5本で物を握ることができる。約400種
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- 奇蹄目(きていもく)〔ウマ目ともいわれる〕
ウマ、サイなど
例外を除いて親指(第一指)と小指(第五指)は退化しており、指の数は奇数で、
中指(第三指)は体重を支えるために進化し、走行に適した形状をしている。
ひづめ(爪が変形したもの)を備えている。約20種
- 鯨偶蹄目(くじらぐうていもく)〔クジラウシ目ともいわれる〕
クジラ、イルカ、ウシ、カバなど
近年になり遺伝子の分析技術が発達したことによって、
クジラ目と偶蹄目(カバなど)が同グループだということが分かっています。
進化の過程で海から陸へと上がった生物ですが、
クジラやイルカは、再び陸から海へと戻っていった動物だと考えられている。約330種
②【 鳥類(ちょうるい) 】
鳥類とは、
脊椎動物〔背骨を持つ動物〕で、前肢〔前足〕は翼になり飛翔生活が発達している。
くちばしを持ち、二足歩行。
全ての鳥類が卵生〔卵を産む〕である。
鳥類で現在確認されているものは約10,000種〔その内、日本では約700種〕
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- スズメ目
カラス、スズメなど
スズメ目は、さえずる為の発声器官〔鳴管(めいかん)〕の筋肉が発達している。
鳥類全体の半数以上を占める、約6,000種
他、
- チドリ目、タカ目、ハト目、ペリカン目、ツル目、フクロウ目など
③【 爬虫類(はちゅうるい) 】
爬虫類とは、
脊椎動物〔背骨を持つ動物〕で、変温動物(へんおんどうぶつ)〔体温調整の能力が
ない動物〕の中でも、一番進化している。
表皮がうろこで覆われている場合が多く肺呼吸。
主に卵生〔卵を産む〕ですが、一部、卵胎生〔卵を胎内で孵化(ふか)させて
から産む〕である。
爬虫類で現在確認されているものは約10,000種〔その内、日本では約100種〕
- 有鱗目(ゆうりんもく)
トカゲ、ヘビなど
全体の95%以上を占める。
他、
- カメ目、ワニ目、ムカシトカゲ目〔ニュージーランドの生息する
3つの目を持つトカゲ〕の4つに分類される。
④【 両生類(りょうせいるい) 】
両生類とは、
脊椎動物〔背骨を持つ動物〕で、変温動物〔体温調整の能力がない動物〕
幼児の間は水中で生活し鰓(えら)呼吸であるが、変態〔成長し形態を変える〕
すると肺呼吸に変わり、魚類と爬虫類の中間に位置づけられる。
主に卵生〔卵を産む〕ですが、一部、卵胎生〔卵を胎内で孵化(ふか)させて
から産む 例:ファイアサラマンダー(火トカゲ)〕である。
両生類で現在確認されているものは約7,000種〔その内、日本では約70種〕
- 有尾目(ゆうびもく)
サンショウウオ、イモリなど
尾が長く、胴体も長い。皮膚は粘液に包まれている。
- 無尾目(むびもく)
カエル
尾が無く、胴体は丸みを帯びる。頭部が三角形。
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- 無足目(むそくもく)
アシナシイモリ
四肢(しし 前足と後ろ足)が無く、ミミズに似ている。
の3目に分類される。
⑤【 魚類(ぎょるい) 】
魚類とは、
脊椎動物〔背骨を持つ動物〕で、水中で生活をし、一部を除いて
〔例:ウナギは鰓と皮膚で呼吸をする〕、鰓(えら)で呼吸し、
鰭(ひれ)により移動する。大半の魚類には、鱗(うろこ)がある。
主に卵生〔卵を産む〕ですが、一部、卵胎生〔卵を胎内で孵化(ふか)させて
から産む。 例:グッピー、シーラーカンスなど
魚類で現在に確認されているものは約33,000種〔その内、日本では約4,200種〕
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- スズキ目
スズキ、ボラ、サバ、ハゼなど
魚類で最多目で、約10,000種
- コイ目
コイ、フナなど
魚類で2番目に多い目で、約4,000種
他、
- ニシン目、ウナギ目、サケ目、ナマズ目、タラ目、キンメダイ目、
カレイ目、フグ目、メジロザメ目〔サメ最多目〕、ネコザメ目など
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