腸の長さってどれくらい?
身体の中には臓器がぎっしり詰まっているわけですが…
腸の長さってどれくらいあるのでしょうか…?
小腸
腸は大きく分けると【小腸】と【大腸】になるのですが、腸のなかでも長いほうが小腸になります。
そして、小腸は胃の方から順に『十二指腸(じゅうにしちょう)』『空腸(くうちょう)』『回腸(かいちょう)』という3つに分類されます。
そして、胃で消化された食べ物が、小腸で消化液と混ざり合い分解され、内側にある絨毛(じゅうもう)という無数のヒダによって、食べた物の約9割の栄養素を吸収していくという仕組みになっています。
(絨毛)
小腸の長さ 小腸の直径
成人の平均的な小腸の長さと太さは、
- 小腸の長さ… 約6~8mぐらい〔体内では半分ぐらいに収縮〕
- 小腸の直径… 約3~5㎝ぐらい〔十二指腸から回腸に向かって徐々に狭くなる〕
となり、成長と共に大きくなっています。
大腸
大腸は小腸から続いており『盲腸(もうちょう)』『結腸(けっちょう)〔結腸は上行、横行、下行、S状に分かれる〕』『直腸(ちょくちょう)』という順につながっていきます。
盲腸は大腸で一番はじめの部分となるのですが、盲腸の下には虫垂(ちゅうすい)があります。
虫垂は、虫垂炎(ちゅうすいえん)でよく知られている場所です。※虫垂炎のことを「もうちょう」と言ったりもします。
【虫垂炎】とは?
虫垂炎は、盲腸に含まれる虫垂という部分が炎症を起こす疾患です。通常は急性虫垂炎と呼ばれ、虫垂に細菌が感染して炎症が起こることが原因となります。
主な症状は、腹部の激しい痛みや腫れ、発熱、吐き気、嘔吐など。急性虫垂炎は一般的に手術によって治療されますが、症状が軽度な場合は抗生物質を用いた保守的な治療も行われることがあるようです。早期に診断し適切な治療を行うことが重要とされています。
ゴリラが草食なのに筋肉質なのは大きな盲腸も関係していた
結腸で小腸から送られてきた、液状の食べ物の水分を吸収したり、食物繊維や残った栄養素などを腸内細菌によって分解し吸収し、便の形をつくっていきます。
そして、直腸で便が一時的に溜められた後、押し出され排出されていきます。
大腸の長さ 大腸の直径
成人の平均的な大腸の長さと太さは、
- 大腸の長さ… 約1.5mぐらい
- 大腸の直径… 約6~8㎝ぐらい〔小腸の2倍ぐらいの太さ〕
となり、成長と共に大きくなっています。
人間の血管は地球2周より長い…?
人間の体のなかには多くの血管があり、血液が巡っているわけですが、全ての血管をつなげると、優に地球を一周するよりも長くなるそうです…
血管は大きく動脈、静脈、毛細血管の3種類に分けることができます。
【 動脈 】
- 心臓から送り出す血管で酸素や栄養分を運ぶ役割がある。
- 動脈の太さは、心臓から繋がる大動脈は直径約3㎝にもなるが、徐々に細くなり毛細血管となっていく。
【 静脈 】
- 末端の毛細血管から、血液を心臓に送り返す血管。
- 二酸化炭素を多く含むため、黒味がかった赤色の血液が流れる。
- 心臓に近づくにつれ、血管が集合し太くなり、手足などには、逆流を防ぐ静脈弁がある。
- 皮膚の外側から見える血管は、ほとんどが静脈で、動脈は外側からは見えない深いところにある。
【 毛細血管 】
- 小動脈と、小静脈との連絡となる血管。
- 動脈が枝分かれして、網目状になった血管で、再び静脈となる。
- 動脈から酸素や栄養素を組織内〔体を機能するために細胞が合体したもの〕に送り込み、不要となった二酸化炭素や老廃物〔体の代謝で不必要になった物質〕を受けとって静脈から送り返す。
- 毛細血管は、約0.008~0.02mmの太さが多く、肉眼では見えない。
血管の全長と重量
成人の血管〔毛細血管を含む〕すべての長さを合わせると、およそ10万km(地球の約2周半)になるといわれています。
そして、その距離を約1分間で血液が巡ります。
血管の総重量は、体重の3%ぐらいで、血液の総重量は体重の7~8%(体重の13分の1)ぐらいになります。
この全体の血液量の3分の1を失うと失神し生命の危機となり、2分の1を失ってしまうと心停止で死に至ると言われています。
血液にはどんな役割があるの?
生命を維持するために血液は必要ですが、この長い血管を流れる血液にはどういう役割があるのでしょうか…?
血液の役割と酸素との関係について
息を吸って肺から取り込まれた酸素が、毛細血管〔静脈と動脈の間を連絡する網目状の細い血管〕から入り込みます。
入り込んだ酸素は、血液中にあるヘモグロビン〔タンパク質と鉄で構成〕と結合して体中に運ばれます。
そして酸素は二酸化炭素にガス交換されるため、不要なものとして回収されていきます。
※貧血はこの循環が低下していることが原因のこともあるようです。
摂取した食べ物は、胃や腸で消化、分解されたのち、血管内に入り込み、
(小腸内壁の拡大)
その栄養分を血液により体の隅々まで運び体のエネルギーとして使われます。
そのため、酸素の供給が少ないとエネルギー〔糖〕不足となってしまい、脳、心臓疾患をはじめ身体に大きく影響してしまいます。
そして、最後は血液中の老廃物として肝臓〔解毒作用〕、腎臓〔尿の生成、排泄〕に送り出されることとなります。
その他、血液の働き
- 血液中の白血球〔血液の細胞成分の一つ〕は、体の免疫力を上げるために必要で、侵入した異物などを消化、分解し細菌やウイルスから身を守る。
- 血小板〔血液の細胞成分の一つ〕によって、出血した際の止血をする。
- 体の中で作られた熱を吸収したり、放出することによって体温を一定に保つ〔体温調整〕
などなど、血液は生命維持のために大きな役割を担っています。