蝶と蛾は何が違う?
見た目では色鮮やかで綺麗なのがチョウのような気がしますが、どのように分けられているのでしょうか…?
蝶(チョウ)
【 昆虫綱 鱗翅目 (こんちゅうこう りんしもく)】
蛾(ガ)
【 昆虫綱 鱗翅目 (こんちゅうこう りんしもく)】
ここまでは全く同じです。
※一部では鱗翅目を〔チョウ目、ガ目〕に分けて言っている場合もあります。
この下に続く『科』で、アゲハチョウ科、ヤママユガ科…
などのように分類していくことになります。
種類としては蛾のほうが蝶よりも多く20倍以上の数になるということです。
日本では蛾と蝶を別の昆虫として呼んでいますが、海外ではこの2種類を同じ言葉で表現している国もあり、それぐらいにとても似ている昆虫で、厳密に区別することは難しいと言われています。
蝶と蛾の生態
生態についてになりますが、蝶も蛾も鱗翅目(りんしもく)ということで、鱗粉(りんぷん)がついた、翅(はね)をもつ昆虫になります。
その名の通り翅を拡大して見てみると、
魚の鱗(うろこ)のように見える粉なので鱗粉というようになったそうです。
この鱗粉は蛾や蝶が飛ぶためにはとても重要で、空気抵抗をなくしたり、雨を弾く役割もあり、鱗粉がなければ飛ぶことができなくなってしまうのです。
そして、外敵から身を守るときにも鱗粉でつくられる模様により保護色となることができ、外敵に捕まった場合には粉が剥がれることによって逃げやすくもなります。
蝶と蛾の性質
それではここからは、蝶と蛾の違いをもう少し掘り下げて見てみたいと思います。とても似ている部分が多く、例外も沢山あるのですが、基本的な性質は以下のようになります。
【蛾】は夜行性 【蝶】は昼行性
夜間に活動する蛾は色が鮮やかな必要がないため地味な色が多く、日中に活動する蝶は色鮮やかなものが多い。
※日中に活動する蛾、夜間に活動する蝶も一部います。
【蛾】は胴体が太い 【蝶】は胴体が細い
※蝶にも胴体が太いものも一部います。
静止しているときの羽。【蛾】は広げている 【蝶】は閉じている
※体温を上げるのために蝶も羽を広げて止まっている場合もありますし、蝶の種類によっては、羽を広げて止まる習性のものも一部います。
触覚の形。【蛾】はクシ状や真っすぐ尖った形 【蝶】はマッチ棒の形
この見分け方は日本に生息する種類では、かなりの確率で蛾と蝶を見分けることができるといわれています。
※ほんの一部例外で、蝶の中でマッチ棒が変形したようなものもいます。
幼虫の時期 【蛾】は毛虫 【蝶】は青虫や芋虫
※毛虫ではない蛾の幼虫も一部います。
これらを見てもわかるように、日本では触覚で蛾と蝶を見分けるのが妥当かもしれませんが、確実に区別するのは難しい昆虫だということがわかりますね…