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鼻に水が入ると痛い理由。実は科学の仕組みも関係していた…

地理・科学

なぜ水が鼻に入ると痛いのか?



今回は、「なぜ水道水やプールの水が鼻に入ると痛いのか?」についてお話ししていきたいと思います!

夏のプールやシャワーの時に、水が鼻に入って「イタッ!」と感じたことはありませんか…?


実は、その理由には科学の仕組みも関係していたのです。

塩分濃度の違いが原因



私たちの体液には、約0.9%の塩分(ナトリウム)が含まれています。


この濃度は、「生理食塩水(せいりしょくえんすい)」とも呼ばれ、体にとってちょうど良いバランスになっています。


一方で、水道水やプールの水には、この塩分がほとんど含まれていません。


ここに、水が鼻に入ると痛くなる原因が隠れています…


浸透圧ってなに?



ここで登場するのが「浸透圧(しんとうあつ)」という現象です。


簡単に言うと、塩分濃度の異なる液体が隣り合うと、それらが均一になろうとする力が働きます。

浸透圧の仕組み


二つの水の入った容器があり、一方には塩がたくさん入っていて、もう一方には塩が入っていないとします。

この二つの容器の間に半透膜(はんとうまく)〔例えば、細胞膜など〕という特別な膜があったとします。

この膜は水は通せるけど塩は通せません。


そうすると、塩がない方から塩がある方へ、濃度が均一になるように水が移動しようとします


このときの塩が濃い方に水がどんどん移動する力を浸透圧といいます。この力があるから、水は薄い方から濃い方へ移動したのです。

例えば、キュウリを塩漬けにすると、キュウリの水分が出てくると思いますが、これも外側の塩の多い方に水が出る浸透圧によるものです。

外側の塩水の濃い方を薄くしようと(濃度を均一にしようと)浸透圧が働くからなのです。

その他、植物が根っこから水を吸い上げるときにもこの浸透圧の力が働いているのですが〔根っこの方が高いので植物に水が入る〕、そのおかげで植物に水が行き届いて育ちます。

植物がゴクゴクと水を飲んでいるわけではなかったようですね…

鼻のなかではどんな現象が起こっている…?


それでは、先ほどの浸透圧の仕組みを踏まえたうえで、鼻の中を見ていきましょう!


鼻の内側の粘膜は、私たちの体液と同じような塩分濃度に調整されています。


しかし、水道水やプールの水が鼻に入ると、その塩分濃度の違いから浸透圧が働きます。



その結果、鼻の粘膜の細胞に負担がかかり、痛みを感じるのです。

※プールの水の場合、殺菌のため塩素が含まれているので、余計に刺激を感じることがあります。



具体的には、以下のようなことが起こります。

塩分濃度が人間より低い水〔プール・お風呂などの水〕が鼻に入った場合



塩分濃度が人間の身体より低い水〔真水やプールなど〕に細胞が触れると、浸透圧の影響で水が塩分濃度の高い細胞内に流れ込みます。


この際に、細胞が膨張することで痛みを引き起こすことがあります。



塩分濃度が人間より高い水〔海水など〕が鼻に入った場合



塩分濃度が人間より高い水〔例えば海水など〕に細胞が触れると、浸透圧の影響で人間の細胞内の水分が外に引き出されます。


このようなときは、細胞が収縮しすぎることで痛みを引き起こすことがあります。※ただし、海水ぐらいの濃度の場合は塩分があるおかげで痛まないことが多いといわれます。



このように、浸透圧の差によって細胞が膨張したり収縮したりすることで痛みを感じていたのです。


痛みを和らげる方法はないの?


では、どうすればこの痛みを和らげることができるのでしょうか…?

  • ゆっくり呼吸する

    プールやシャワーなどの際は、鼻に水が入らないようにゆっくりと呼吸をすることで水の侵入を防ぐ。

  • 生理食塩水を使う

    例えば、鼻洗浄などの際には生理食塩水〔塩を少し入れる〕などを使用すると、体液と同じ塩分濃度なので痛みを感じにくくなります。

などとなります…


まとめ



鼻に水が入ると痛い理由は、主に塩分濃度の違いによるものです。


浸透圧の力で細胞が刺激を受けることで、痛みや不快感を感じていたのです。


プールやシャワーで鼻に水が入ってツーンとしたとき時は、「これが、浸透圧の働きだな…」と、思い出してみてくださいね!


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