おなかがすくメカニズム
今回は「どうしておなかがすくの…?」という疑問についてお話しします。
おなかが「グー」って鳴ったこと、ありますか? それにはちゃんと理由があったのです。
それでは、さっそく見ていきましょう!
まず、おなかがすくのは体が「エネルギーが必要だよ~!」って教えてくれているサインなんです。
エネルギーというのは、私たちが動いたり考えたりするために必要な力のことになるのですが、そのエネルギーは食べ物からもらっています。
そして、エネルギーがなくなってしまうと体は動けなくなってしまいます。
それでは、どうやって体はおなかがすいたことを教えてくれるのでしょうか…?
ホルモンが働き→脳が指令を出す
おなかがすくとき、体の中で『グレリン〗というホルモン〔体内のさまざまな器官や組織の機能を調節する化学物質〕が出てきます。このホルモンが多くなると、私たちは「そろそろ何か食べたいなぁ」と感じてきます。
①空腹は『グレリン』の分泌からはじまる
食事をしていない時間が長くなると胃からそのグレリンという物質が分泌され、そのグレリンは脳に「おなかがすいたよ~」というメッセージを送ります。
②グレリンにより『脳』が判断する
グレリンのメッセージを受け取ると体の司令塔である脳が「そろそろ食事の時間だね!」と判断します。
それで、私たちは食べ物を探し始めます。
『グレリン(空腹ホルモン)』をもう少し詳しく
グレリンは、胃から分泌されるホルモンで、「空腹ホルモン」として知られています。
主な役割は、食欲を刺激し食物摂取を増加させることです。
このホルモンは血液を流れ、脳の視床下部〔自律神経を司る部分。体温調整、心拍数など〕に作用して空腹感を引き起こし、食事のタイミングや量を調整します。グレリンの分泌は、食事前に高まり、食事後に低下します。
また、グレリンは成長ホルモンの分泌を促進する働きも持ち、エネルギー代謝や体重の調整にも関わるため、グレリンの不均衡は肥満や食欲不振などの健康問題に関連することがあると言われています。
血糖値の影響
もう一つの重要な要素は血糖値です。
血糖値というのは、血液中に含まれる糖分(ブドウ糖)の量のことになります。
ブドウ糖は、私たちの体の主なエネルギー源となるのですが、食べ物を食べると消化されてブドウ糖が血液中に入り血糖値が上がって体にエネルギーが供給されます。
しかし、食べ物を消化してエネルギーを使い始めると血糖値が下がってきます。
そして血糖値が下がると、再びエネルギーが必要になりおなかがすいたと感じるようになります…
心理的な要因
実は、おなかがすくのは、単に体がエネルギーを必要としているからだけではないようです。
匂いや視覚的な刺激、あるいはストレスや感情によってもおなかがすくことがあります。
例えば、美味しそうな食べ物の写真を見たり、好きな食べ物の匂いをかいだりすると、それだけでおなかがすくことがありますよね!
お腹が減った時に鳴る『グー』は何の音…?
お腹が減った時に鳴る『グー』という音は、胃や腸の中で食べ物や液体、空気が移動する時に出る音です。お腹が空くと、胃や腸が収縮して、消化管内の内容物を次の消化ステージへ押し出そうとします。この時、空気が動くことで音が鳴ります。
特に空腹時には、消化管内に食べ物が少なく、空気が多いため音が大きくなることがあります。音は主に胃と小腸で発生します。これがいわゆる「腹鳴(ふくめい)」と呼ばれる現象になります。
まとめ
おなかがすくのは、私たちの体がエネルギーを必要としていることを教えてくれる大切なサインです。
グレリンという空腹ホルモンが「エネルギーが足りないよ!」と教えてくれて、脳が「食べ物を食べようよ!」と指令を出すことによってお腹がすく現象が起こっていたのです。
そして食べ物を食べることでエネルギーを補給して、元気に活動できる、といったメカニズムになっていたわけです。
おなかが「グー」って鳴ったら、体がエネルギーを欲しがっているサインだって思い出してみてください。しっかりエネルギーを補給して、元気いっぱい過ごしていきましょう!