『建国記念の日』とはどんな日…?

『建国記念の日』と聞くと日本国ができた日のように思いますが、実は初代天皇と言われる神武天皇が即位した紀元前660年2月11日を記念する日になります。
そして、『建国記念日』ではなく、『建国記念の日』が正しい呼び方のようです。
それでは、神武天皇はどんな存在なのか?どうして『建国記念の日』というのか…?
順を追って見ていきましょう!
神武天皇(じんむてんのう)とは…?

神武天皇は、日本の伝説に登場する最初の天皇であり、日本の国家創成に深く関わったとされています。
そして、日本の歴史書である『日本書紀』や『古事記』によると紀元前660年2月11日に即位し、日本の国土を統一したとされる神話が伝えられています。
神武天皇は天照大御神(あまてらすおおみかみ)〔太陽の女神で日本神話において最高神といわれる〕の孫であり、現在の奈良県橿原市の「橿原神宮(かしはらじんぐう)」に降臨したとされているのです。
(天照大御神)
(橿原神宮)
そして、神話によれば神武天皇は勇敢で賢明な指導者として描かれ、九州〔現在の宮崎(日向)から異なる部族を統一して本州〔現在の奈良(大和国)〕に進出。結果、現在の日本列島の基盤を築いたとされています。
一方で、神武天皇の実在性については歴史的な証拠が不足しており、神話的な要素が色濃いとされています。
それでも、神武天皇の物語は日本の歴史や伝統に深く根付いており、日本民族の形成において重要な影響を与え続けているのです。
『建国記念の日』はいつ制定された…?

日本の建国記念の日はもともと1873年(明治6年)に制定された祝日、『紀元節』〔神武天皇が即位した記念日〕と呼ばれていました。
しかし戦後の1948年、天皇を崇拝するとされる紀元節は、GHQの意向により廃止になります。
GHQ(General Headquarters)とは?

第二次世界大戦後、日本に設置された最高司令部で、最高司令官はダグラス・マッカーサーになります。
占領期間中は日本の政治、経済、文化などに影響を与え民主化に向けた取り組みをしました。
その後しばらくして、日本国民から紀元節の復活を願う声が上がり多くの議論の末、『建国記念の日』〔1966年(昭41年)制定、翌1967年適用〕として国民の祝日が再び開始しました。
趣旨は「建国をしのび、国を愛する心を養う」ということで、式典やパレード、スポーツイベントなど全国各地で様々な祝賀行事が行われています。
『建国記念日』ではなく『建国記念の日』の理由

こうした背景から、神武天皇の存在には神話的な要素が多く含まれており、実在したかどうかは定かではありません。また、その誕生日とされる2月11日も、物語の中で語られる出来事と考えられています。

そのため、「建国記念日」として特定の日を指すのではなく、日本という国の成立を広い視点で祝う日として「建国記念の日」と名付けられたとされています!

