月はなぜ大きさが変わる…?
夜空の月を見てみると、その日によって月が大きく見えたり、小さく見えたりと感じたことがあるかもしれませんが、どうしてなのでしょうか…?
月の軌道の位置によって
月は地球の周りを楕円形の軌道で回っています。そのため、地球に最も近い位置(近点)と、最も遠い位置(遠点)があります。
そのとき、若干ではありますが、近点では月が地球に近づくため大きく見え、逆に、遠点では月が地球から遠ざかるため小さく見えています。
【スーパームーン】
スーパームーンとは、地球に最も近い位置に月がある時に観測される現象です。この時、通常の満月よりも約15%ほど大きく見えることがあります。
月が楕円軌道を描いて地球の周りを公転しているために生じる現象なのですが、地球に最も近い位置(近点)にあるときに『満月』が観測されると月は特に大きく見えます。
スーパームーンは一般的に数年に一度の頻度で発生しますが、実際はいつも大きく見えるわけではなく、地平線の状況や気象条件によって異なります。しかし、通常の満月よりも大きく見える傾向があるため、多くの人たちがスーパームーンの観察を楽しんでいます。
月の錯視(さくし)
『月の錯視』とは、月の位置が低く、地平線近くにある月が大きく見える現象を指していいます。
錯視(さくし)… 目や脳の処理によって生じる視覚的な誤解や思考の混乱
通常、月が何倍にも大きく感じるときは、この『月の錯視』が一番大きい要因だと考えられています。
しかし、完全な理論は存在しておらず仮説として以下のようなことが考えられています。
光の屈折
大気中を通過する光は、大気中の微小な粒子〔水蒸気、チリ、煙、ホコリなど〕によって光が散乱〔光の屈折〕するため、周囲にハロー〔光の輪〕を形成する。
そのため、月が低い位置に〔地平線近くなど〕見えるときほど大きく見える錯覚が生じる。
ちなみに…
大気中の微粒子が光を散乱する際、赤やオレンジ色の光がより多く散乱する傾向があるため、月が地平線(水平線)近くにある時には、赤みを帯びた色やオレンジ色に見えることがあります。
大きさの比較によって錯覚
背景に何もない高い位置の月よりも、建物や木々など大きさの比較対象がある低い位置で見える月の方が、脳の錯覚で大きく見える。
心理的な影響によって
月が満ち欠けする周期によっても、人間の心理的な認識が変わる。
月の大きさは変わらないのに、満月の時は月が大きくなったように感じることが多い。
【月の満ち欠け】
月が地球の周りを回る際に、太陽からの光の反射する角度が変化することによって起こる。
〔周期は約29.5日〕
実際には大きさが変わっていない月も、これらのことによって、大きく見えたり、小さく見えたり感じているのではないか…? と言われています。