日本の国旗=「日の丸」ってどんな旗?

白い地に赤い丸――。
世界の国旗の中でも、これほどシンプルで印象的なデザインは珍しいですよね。
日本の国旗は「日の丸(ひのまる)」と呼ばれていますが、正式名称は「日章旗(にっしょうき)」。
白地に描かれた赤い丸には、日本人の自然観や精神性が深く息づいています。
赤い丸は「太陽」――希望を照らす朝日の象徴

国旗の中央にある赤い丸は「太陽」を表しています。
古くから日本は「日の出ずる国」=「日の本(ひのもと)」と呼ばれてきました。

その名の通り、太陽は日本を象徴する存在です。そして、この赤は特に「朝日」を意味します。
新しい一日の始まりを告げる朝日は、希望・生命力・前向きなエネルギーの象徴。
そのため、日の丸の赤には「明るく力強く生きる」という願いが込められていたのです。
白地は「雪」と「清らかさ」――日本の自然と心を映す色

日の丸を包む白い地にも、深い意味が込められています。
白は、日本の四季を象徴する色のひとつ。冬に降り積もる雪のように、自然の美しさと静けさを感じさせます。
また、白は古くから「清らかさ」「誠実さ」「平和」などを表す色として親しまれてきました。
つまり、日の丸の白には――
「まっすぐで純粋な心」「平和を大切にする日本の精神」が映し出されているのです。
日の丸の歴史――いつから日本の旗になった?

「日の丸」の原型は、なんと平安時代にはすでに存在していたと伝えられています。
戦国時代になると、武将たちは太陽を描いた旗を “勝利の象徴” として掲げ、戦場で誇りを示しました。
その後、明治時代の1870年(明治3年)に、日本の国旗として正式に制定されます。
つまり、日の丸は千年以上にわたって受け継がれてきた、日本の誇りと象徴なのです。
日本の国旗としての『日の丸』の正式な制定のいきさつ

明治時代の1870年(明治3年)、日本は外国との交流が盛んになり、国を代表する旗をひとつにまとめる必要が出てきました。
当時は船ごとに違う旗を使っていたため、海外ではどの船が日本のものか分かりにくいという問題がありました。
そこで明治政府は、太陽を表す「日の丸」を日本の国旗として正式に採用。
同じ年の1月27日に出された太政官布告第57号で、「商船は白地に赤い丸(日章)を掲げる」と決められました。
※太政官布告(だいじょうかんふこく)とは、明治時代初期の政府(太政官)〔現在の内閣〕が出した公式な法令・お知らせのこと。
『日の丸』に込められた意味:まとめ

世界の国旗の中には、たくさんの色や模様が使われているものもあります。
しかし、その中で日の丸は、たった2色で「自然」「精神」「文化」すべてを表現しているのです。
派手ではないけれど、どこか凛とした美しさ。
その控えめな力強さこそが、日本人らしさの象徴と言えるでしょう。
色・形 | 意味 | 象徴するもの |
---|---|---|
赤(丸) | 太陽・朝日・希望 | 生命・情熱・前向きな力 |
白(地) | 雪・清らかさ・平和 | 純粋さ・誠実さ・調和 |
円の形 | 太陽・調和 | 世界とのつながり・永遠 |
【雑学】 日本の「日の丸」が影響した国旗

日本の国旗「日の丸」は、シンプルな赤い円と白地というデザインが特徴ですが、他国の国旗デザインにも影響を与えています。
パラオの国旗

青い背景に黄色い丸を描いています。
この丸は太陽ではなく「満月」を表していますが、日の丸のデザインを参考にしたと考えられています。
シンプルな円の象徴性が国旗デザインに活かされている例です。
バングラデシュの国旗

緑色の地に赤い円を描いています。
赤い丸は独立戦争で流された血や太陽を象徴していますが、こちらも日の丸をヒントにデザインされたといわれています。
こうして並べて見ると、他国の国旗デザインにも影響を与えた旗であることが分かりますね!
最後に

何気なく目にしている日の丸。
実はその中には、「太陽のように明るく、雪のように清らかに」という願いが込められていたのです。
どこかで国旗を見かけたときには、少しだけ立ち止まってみてください。
その赤と白の中に、日本人の心のあたたかさと誇りを感じられるかもしれません!

