光の屈折率とは? なぜ光は屈折する? 虹の色や海が青い理由もわかりやすく解説!

地理・科学

『光の屈折』と『光の屈折率』



光が私たちの身の回りの生活で、どのように動いているのか考えたことありますか…?



光は常に直線的に進むわけではなく、さまざまな物質にぶつかることで方向を変えています。



これは「光の屈折」という現象によるものなのですが、今回はこの光の屈折と屈折率について、わかりやすく説明いたします。


それでは、いきましょう!




光の屈折とは?




光の屈折』とは、光が異なる物質を通過するときにその進む方向が変わる現象です。




例えば、ストローが入ったグラスを見ると、ストローが曲がって見えることがあります。



これは、光が空気から水に入るときに屈折する〔折れ曲がる〕からだったのです。




なぜ、光は屈折するの?




それでは、どうして光が異なる物質を通過するときに屈折するのでしょうか…?


光の速度は真空中〔空気や物質が存在しない状態〕では毎秒約30万キロメートル進みますが、光が通過する物質(媒体)によってそれは異なってきます。



例えば、


空気中では非常に速く進みますが、水中では少し遅くなり、ガラスの中ではさらに遅くなります。




この光の速さの違いが、屈折を引き起こしていたのです。




つまり、光がある物質から別の物質に入るとき、その速度が変わるため進む方向も変わっていた〔角度ができていた〕のです。



なぜ、速度が変わると進む方向が変わる…?


イメージとしては横に何列にも並んでまっすぐに行進していた細かい光の粒子〔下図では赤い線が横に何列にも並んでいる感じ〕が、水面の入りずらい場所(物質)にぶつかるのですが、光は直線的ばかりではなく斜めからなども入るため、水面に近い内側の列から入りずらい場所(物質)にぶつかりスピードが減速していきます。列の外側は遅れてついていく


そのため、入りずらい場所(物質)ほど急激に減速するので角度が出来てしまいます


※物質中による光の速度の比率は後ほど屈折率(くっせつりつ)でお話しします!


屈折率(くっせつりつ)とは?




次に、光の屈折率について説明したいと思います。


屈折率(くっせつりつ)とは、光が特定の物質を通過するときの速さを示す指標です。それは、真空中での光の速度と、その通過する物質中での光の速度の比率ともいえます。


例えば、


真空の屈折率は約1.00」、「水の屈折率は約1.33」、「ガラスの屈折率は約1.50」です。





屈折率が高いほど、光はその物質を通過するのが遅くなります




先ほどの例ですと、水の「屈折率は約1.33」になりますが、それは水の中で光は真空中の約1.33倍遅く進むということになります。



物質の屈折率一覧

  1. 真空:1.0000
  2. 空気:約1.0003
  3. ヘリウム:約1.000036
  4. :1.333
  5. ガラス(一般的な窓ガラス):約1.5
  6. ダイヤモンド:2.42


屈折率は物質によってそれぞれ異なり、上記は一般的な物質の例となります。

ダイヤモンドが輝くには、屈折率も関係していた



ダイヤモンドが輝く理由は、カット以外にその高い屈折率(2.42)にも関係しています。



屈折率が高い〔密度が高い〕ダイヤモンド内では光の速度が急激に遅くなり、その結果、光の進行方向が強く曲がります。※スピードが急激に下がることで強い角度ができる。


この大きな屈折が、光をダイヤモンド内部に閉じ込め、多重反射〔内部で何度も反射〕を引き起こします。


それにより、光がさまざまな方向に散乱して強い輝きを放っていたのです。


生活のなかでの光の屈折例


【 メガネやコンタクトレンズ 】



メガネやコンタクトレンズは、光を適切な方向に屈折させることで、視力を補正します。



レンズの形状や材質によって、光の進む方向を変え焦点を調整しています。




【 飲み物の中のストロー 】



水の入ったグラスにストローを入れると、ストローが折れて見えることがあります。



これは、光が空気から水に入るときに屈折するためです。



【 虹の色 】



雨の後に現れる虹は、雨のしずくの中で光が屈折し内部で反射、そして再び屈折することで色が分かれるために見える現象となります。



※太陽光は様々な色(波長)から成り立っており、それぞれの色が異なる角度で屈折しています。



【 海の青さ 】



海の水が青く見えるのは、光が水中で屈折し、特定の波長の光が強調されるためです。




太陽光〔様々な色(波長)〕が海に入ると、水は赤や橙の光〔長い波長〕を吸収して、それにより、残った青い光〔波長が短い〕が強くなります。




吸収されなかった青い光は水中で散乱されるのですが、この散乱によって海は青く見えています。


終わりに




日常生活の中で何気なく目にする光も、その背景には科学的な原理が隠れています。


雨上がりに現れるきれいな虹や青い海、水に沈んだ物が曲がって見える現象も、光の屈折の結果だったのです。



この光の屈折を知ることで、日常の多くの現象を新しい視点で見ることができたら、今よりももっと世の中が新鮮に見えるようになれるかもしれませんね!



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