どうして12星座…?
12星座とは聞きますが、星はもっともっと沢山あるはずです。他にも星座は存在するのでしょうか…?
※星座とは…星列を結び付け、人物、動物、器物などの姿かたちに見立てたもの。
実は、星座と聞くと12星座を思い浮かべてしまいますが、星座の数は現在88個と定められています。
これまでの歴史の中でこの星座の数は変化しており、16世紀までの1,500年ぐらいのあいだは、トレミーの48星座〔トレミーはギリシャ天文学者の英語名〕というものが使われていたそうです。
そこから徐々に付け加えられ、1928年に国際天文学連合〔世界中の天文学者により構成する組織〕により星座の数は88個と定められました。
それでは、どうして12星座が主に使われているのでしょうか…?
地球は公転〔1年かけて太陽を回る〕しているため、地球から見た太陽は、天球上で1年かけてぐるっと一周するように見えます。
天球とは…空を見上げたとき、星は観測者を中心に大きな球に張り付いたように見え、そのことをいう。
この太陽の見かけ上の通り道を黄道(こうどう)と言っています。
1年間は12カ月のため〔古代文明より12カ月は使用されていた〕、この黄道上に沿ってならんだ12星座を、黄道12星座(こうどうじゅうにせいざ)と言うようになったそうです。
※黄道にはへびつかい座というものがあり、合わせると13星座なのですが12カ月にするため除外されたようです。
この黄道12星座に対して太陽がどのあたりにあるかによって、古代の人々は季節を知ることができ、農業をするのにとても重要な役割をしていたわけです。
ちなみに、12星座の中には家畜に必要とする、ヒツジ、牛、ヤギといったものが多く存在しているため、星座は少なくても約5,000年前のメソポタミア文明以前からそこに住み着いていた羊飼いによって考えられたのではないかと言われています。
※メソポタミア地域…現在のイラク、シリアの一部
12星座の期間について
現在でも誕生日などで使われる12星座ですが、先ほどの黄道12星座ですと、星座の大きさの違いなどから、星座での等分割をすることができません。
そのため、黄道を30度ずつ12分割したものを用いることにし、1年の12カ月に割り当てたものを、黄道12宮(こうどうじゅうにきゅう)としたそうです。
そして、12宮と12星座には区間のずれがあるので、わかりやすくするため12星座の名前を12宮に当てはめて使われることになったということです。
- 第1宮 3/21~4/19 白羊宮(はくようきゅう)→ 牡羊座(おひつじ)
- 第2宮 4/20~5/20 金牛宮(きんぎゅうきゅう)→ 牡牛座(おうし)
- 第3宮 5/21~6/21 双児宮(そうじきゅう)→ 双子座(ふたご)
- 第4宮 6/22~7/22 巨蟹宮(きょかいきゅう)→ 蟹座(かに)
- 第5宮 7/23~8/22 獅子宮(ししきゅう)→ 獅子座(しし)
- 第6宮 8/23~9/22 処女宮(しょじょきゅう)→ 乙女座(おとめ)
- 第7宮 9/23~10/23 天秤宮(てんびんきゅう)→ 天秤座(てんびん)
- 第8宮 10/24~11/21 天蝎宮(てんかつきゅう)→ 蠍座(さそり)
※へびつかい座
- 第9宮 11/22~12/21 人馬宮(じんばきゅう)→ 射手座(いて)
- 第10宮 12/22~1/19 磨羯宮(まかつきゅう)→ 山羊座(やぎ)
- 第11宮 1/20~2/18 宝瓶宮(ほうべいきゅう)→ 水瓶座(みずがめ)
- 第12宮 2/19~3/20 双魚宮(そうぎょきゅう)→ 魚座(うお)
※星座の境目は、年により1日~2日ずれることがあります。
※現在では12宮ができてから約2,000年もの歳月がたっているため、歳差(さいさ)〔回っているコマが振れるように、地球の回転も引力により振れる〕により、実際の星座と太陽との位置は1宮分ぐらいのずれが生じているようです。