氷が水に浮くのはなぜ?

「氷って重そうなのに、どうして水に浮かぶの?」
お風呂に氷を入れても、水の上にプカプカ浮かびますよね。でも、よく考えてみるとちょっと不思議じゃないですか?
実はこれ、水が持っている “ちょっと変わった性質” が関係しているんです。
氷が水に浮く“いちばんの理由”はコレ!

それはズバリ!「氷のほうが水より軽い」からです。
え? 氷って水からできているのに、なんで軽くなるの…?
その答えは、「分子(ぶんし)の並び方」にあるんです!
分子ってなに? まずはここから!

分子(ぶんし)っていうのは、水を作っているとっても小さな粒(つぶ)のこと。
水は「H₂O(エイチ・ツー・オー)」という分子からできており、「水素(すいそ)」という軽い気体と、「酸素(さんそ)」という空気の中にもある気体が、手をつないだ “仲良しコンビ” なんです。

そして、水の中では分子たちは自由に動きながらも、まるでみんなで集まってるみたいにぴったり近づいてくっついています。

〔個体 ⇔ 液体 ⇔ 気体〕
でも、冷やしていくとどうなるかというと…
水の分子たちは、氷になるときに「キレイな六角形(ろっかくけい)」の形に並び始めます。

このとき、おたがいにちょっとだけ間をあけて並ぶから、分子どうしの間に “スキマ” ができるんです。
このスキマがポイント!
氷は水よりも分子の並び方がスカスカだから、全体として「軽くなる」のです。
「スキマがある=軽くなる」ってどういうこと?
分子と分子の間にスキマができるということは、同じ重さの水でも、体積(たいせき=大きさ)が大きくなるということ。
つまり…
氷になると同じ量でも “ふくらんで軽くなる(密度が小さくなる)” から水に浮くんです!
【具体例】100cm³の水と100cm³の氷の重さ
たとえば、100cm³の水と100cm³の氷を比べると…
物質 | 体積 | 密度 | 質量(重さ) |
---|---|---|---|
水(液体) | 100 cm³ | 1.0 g/cm³ | 100 g |
氷 | 100 cm³ | 0.92 g/cm³ | 92 g |
→ 同じ体積で比べるなら、水の方が重い!
水以外の液体では凍るとどうなるの?
先ほどもお話しした通り、実は水は少し変わった性質をもっています。
物質(ぶっしつ)の多くは、冷たくなると分子がギュッと近づいて重くなるのに、水は逆に体積が増えて軽くなる性質があるのです。
そのため、たとえばアルコールや油などの他の液体だと、氷のように「固体が液体に浮く」ことはあまり見られません。
まとめ:氷が浮くってすごいこと!

氷が水に浮かぶ理由は、
→ 氷の分子が広がって並ぶことで、密度(みつど)が小さくなる(スカスカになる)=軽くなるから!
この不思議な性質のおかげで、たとえば…
- 池の水が凍っても、魚が下で生きられる!
氷が水に浮かぶおかげで、湖や海の表面に氷がはっても、中はあたたかいままなので魚たちはその下で冬をこせます。もし氷が沈んでいたら、湖の底からどんどん凍ってしまって、魚が生きられなくなるかもしれません… - 南極や北極の氷が浮いて、シロクマが歩ける!
…など、地球にとっても大事な役わりをしていたのです!

おまけの豆知識 ★ 氷の「音」を聞いたことある?

冷たい飲み物に氷を入れると、「パキッ」「ピキピキッ」って音がすることありませんか?
これは、氷の中の分子が、急に温度が変わることで動いて、氷の表面に小さなヒビが入る音なんです。
見た目は静かでも、氷の中では小さな変化がいっぱい起きていて、実はとってもにぎやかなんですね!

