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一週間が7日である理由。古代バビロニアから日曜日が休日になるまでの知られざる歴史

歴史・文化

1週間はどうして7日なの…?



ふだん利用するカレンダーにはもちろん、日付や曜日が付いていますが…

そもそも、一周間が7日であったり、日曜日が休みなのはどうしてなのでしょうか…?

それでは、一緒に探ってみましょう!

7日間周期の起源


一週間が7日となっている最も古い記録は、紀元前1900頃~1600頃の古バビロニア時代〔メソポタミア地方(現イラク周辺 )〕だと言われています。



バビロニア人は、天文学的な観察に基づいて、月の満ち欠けを元に7日間の周期を設定したとされています。

月の満ち欠けの周期と7日間の関係


古バビロニア時代のバビロニア人は、既に月の満ち欠けの周期〔新月から始まり、満月、そして再び新月になる〕が約29.5日であることを知っていたとされています。

そして、この月の満ち欠けの周期を4つの段階に分けると、約7日ごとに月の姿が新しい形へと移り変わっていくことになるのですが、

  • 新月(第1段階)
  • 上弦の月(第2段階、約7日後)
  • 満月(第3段階、さらに約7~8日後)
  • 下弦の月(第4段階、さらに7日後)


【4つの区間(4週間)= 満ち欠けの周期29.5日(ほぼ1ヶ月)】から、自然と約7~8日間(1週間)が周期として定まったのではないかと考えられています。

バビロニア人とは?


バビロニア人は、古代メソポタミア地域(現在のイラク周辺)に住んでいた民族です。

紀元前18世紀頃にバビロン〔メソポタミアにあった古代都市〕を中心に強大な王国を築きました。


そこで特に有名な王はハンムラビ王という人物なのですが、ハンムラビ法典という古代の法律を作り、バビロニア文明は科学、数学、天文学などでも高度な発展を遂げました。

そしてバビロニアの文化や知識は、その後の文明にも大きな影響を与えました。

神聖な数字「7」



一週間が7日である理由は、古代の天文学以外にも、宗教的な背景もあったと言われます。


古代バビロニアでは、数字「7」は特別な意味を持っていました。それは肉眼で観測できた7つの天体〔太陽、月、水星、金星、火星、木星、土星〕を重要視していたからです。



これらの天体が、バビロニア人の宗教的・占星術的な体系に深く関わっていたため、7という数字が神聖視され、一週間を7日とする考え方が生まれたともいわれます。


また、7日ごとの周期は儀式や祭礼において、時を区切る上で利便性がよかったのではないかと考えられます。



ユダヤ教の影響と聖書の「安息日」



古代バビロニアの7日周期は、ユダヤ教にも大きな影響を与えました。


聖書の「創世記(そうせいき)」では、神が6日間で天地を創造し、7日目に休んだとされています。この7日目は「安息日」として祝われ、週のサイクルが神聖なものとして認識されるようになります。


ユダヤ教のこの習慣はその後、キリスト教やイスラム教にも影響を与え、宗教的な理由からも1週間が7日というサイクルが定着したとされています。

キリスト教はユダヤ教から派生しており、イエス・キリストはユダヤ人でした。

イエスの教えは当初、ユダヤ教の文脈の中で発展し、イエスの死後、その教えを受け継いだ弟子たちが「キリスト教」として発展させ、ユダヤ教とは異なる宗教として広がっていきました。

ローマ帝国と世界への広がり


さらに、ローマ帝国がユダヤ教やキリスト教の影響を受けたことにより、7日間の週が広く普及することになりました。


ローマ帝国は広大な領土を支配していたため、その文化や習慣は各地に広がっていきます。


それにより、ヨーロッパから中東、そしてアジアへと、1週間が7日であるという考えが定着していったのです。

日曜日が休日とされる理由とその歴史



日曜日が休日とされる理由にも、宗教的な背景と歴史的な経緯が深く関わっています。

特にキリスト教の影響が大きいのですが、社会的な発展とともに日曜日が休日として広まっていきました。

1. キリスト教の安息日



先ほど、一週間が7日の理由のときもお話ししましたが、日曜日が休日とされた理由の一つは、キリスト教における「安息日(Sabbath)」の考え方があります。


聖書の「創世記(そうせいき)」〔天地創造から人類の始まり、祖先たちの歴史を描いた物語〕では、神が6日間で世界を創造し、7日目に休息を取ったとされています。


この7日目が休息の日、すなわち「安息日」とされ、人々もこの日に仕事をせず、神に祈りを捧げることが求められました。

最初のころ、ユダヤ教では土曜日が安息日とされていましたが、キリスト教ではイエス・キリストが復活した日が日曜日であったため、日曜日が「主の日(Lord’s Day)」とされ、重要視されるようになりました。


これが日曜日を休日とする習慣の始まりです。


2. 産業革命と労働の変化


19世紀に入り、産業革命が進むと、長時間労働が一般的になりました。その中で、労働者の健康や生活の質を保つために、1週間のうち1日は休みが必要だという考えが広まりました。


特に、キリスト教圏では日曜日を安息日とする宗教的伝統があったため、自然に日曜日が休日として採用されていきました。

3. 法律と休日の制度化


20世紀になると、多くの国で労働基準法や社会制度として、日曜日が公式な休日として定められました。

それにより、宗教的な理由だけでなく、労働者の権利や健康を守るためにも日曜日が休日となり、社会全体に浸透しました。


4. 日本での日曜日


日本では、明治時代に西洋の文化や制度が取り入れられた際、日曜日を休日とする習慣が始まりました。

それまでの日本では、特定の日を休みとする伝統はあまりなく、日曜日の休日制度は西洋の影響を強く受けたものとなります。


明治政府は学校や役所で日曜日を休みにし、徐々にこの習慣が全国に広がりました。


まとめ



一週間が7日間である理由は、古代の天文学的な観察や宗教的な要因に由来し、日曜日が休日とされているのは、キリスト教の影響と歴史的な背景が関係しています。


こうした週の構成や休日の概念は、宗教や文化、天文学の要素が長い歴史の中で融合し、現代社会の中に定着していたのです。


このような古代からの慣習が、今も私たちの時間の捉え方や働き方、休息のリズムに大きな影響を与えていると考えると、少しカレンダーの見え方が変わってくるような気もしますね…



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