水は常に循環している
ちょっと不思議な感じがしますが、地球上の水の量は何億年も前からほとんど変わっていません。
そう、私たちが飲んでいる水は恐竜が生きていた時代の水と同じかもしれないのです!
実は、水は「水循環」というプロセスで地球全体をぐるぐる回り続けています。
例えば、川や海の水は太陽の熱で蒸発して雲になります。その雲から雨が降ると、地面や川、海に戻り、また蒸発して雲になる…
これが永遠に続くわけです。
水循環の仕組み
「水の循環」とは、地球上の水がさまざまな場所を移動しながら、形を変えて循環する過程のことをいいます。
主なプロセスは次のようになります。
【蒸発(じょうはつ)】
太陽の熱によって、川や海、湖の水が蒸発して水蒸気になります。
この水蒸気が空気中に上昇して雲を作る材料になります。
【凝縮(ぎょうしゅく)】
空に上った水蒸気が冷えて、小さな水滴になり雲を作ります。これを「凝縮」と言います。
【降水(こうすい)】
雲の中の水滴や氷の粒が大きくなって重くなり、地上に雨や雪として降り注ぎます。
【水の流出】
降った雨や雪は川や湖に流れ込み、最終的に海へと戻ります。
そしてまた蒸発して、再びサイクルが始まるのです。
このサイクルが地球上で絶え間なく続くことで、私たちの使う水は何度でも再利用されています。
「地下水」や「氷河」もリサイクルされている
地球上の水は、川や海だけでなく、地下水や氷河としても存在しています。
そして、これらも水の循環の一部としてリサイクルされています。
地下水のリサイクル
地下水は、雨や雪が地面にしみ込み地中に蓄えられた水です。
この地下水も、時間をかけて川や湖、海に流れ出たり、井戸や泉を通して人間に利用されたりします。
そしてまた蒸発して空へ戻り、雲になって雨として再び地上に降り注ぐのです。
こうして地下に眠っていた水も、地上に戻り循環し続けます。
氷や氷河もリサイクルされている
氷や氷河は、一見すると動きのない水のように思えますが、これも長い時間をかけて溶けて水に戻り、川や海へ流れ出します。
そして氷河が溶けた水もやがて蒸発し、雲になり、降雨として地上に戻ります。
つまり、地下水や氷河も含めて、水循環は地球全体で行われており、すべての水は長い時間をかけて地球を巡り続けています。
地球上の水の量は変わらない
以上のような水の循環のおかげで、地球上の水の量はほとんど変化していません。
そして、地球の水はさまざまな形で貯蔵されています。
地球全体の水の割合
水の割合としては、97%以上が海に存在し、残りの3%弱が淡水〔塩分濃度が低く、飲用や農作物の水に適した水のこと〕となります。
その淡水の68%以上は氷河や氷、30%以上は地下水、2%弱が湖や川、大気中の水蒸気にあるといわれます。
このように、水が異なる場所に貯蔵されていても、地球全体の水の量は変わらないのです。
地球外部からの水の供給はされないの?
地球外部から地球に新たに水が加わることはほとんどないと言われます。稀に隕石が水を含んで地球に衝突することがあるようなのですが、その量は微々たるものだというこです。
水が蒸発しても地球外部に行かない理由
水は蒸発して水蒸気となりますが、地球の重力〔地球が物体を引き寄せる力〕によって大気中に留まります。
さらに、気温が下がると水蒸気は凝結して雲になり、再び降雨として地表に戻るため、地球外部に逃げることはありません。
つまり、何億年も前から地球上にあった水は、今でも私たちの身近に存在しています。
人間や動物が飲んだ水分だけ減らないの?
そうはいっても、やはり人間や動物が飲んだ水分だけ地球から水が減ってしまっているように感じてしまうのですが… どういうことなのでしょうか?
実は、人間などが飲む水分は体内で活用されるとともに、一定のプロセスを経て再び環境に戻るため、「水は減少しない」と言えるらしいのです。
水分の摂取と排出
人間や動物は、毎日水分を摂取しますが、いくつかの方法で排出されています。
具体的には、次のような形で水分が循環しています。
- 摂取
水や飲料、食事から水分を摂取します。 - 利用
体内で必要な水分は、細胞の機能を助けたり消化や代謝に使用されたりします。 - 排出
余分な水分は尿や汗、呼気などを通じて体外に排出されます。
そのため、私たちが飲んだりした水分は体内で一時的に保持されますが、次第に排出されるため、地球全体の総量として減少するわけではないということなのです。
そして、飲んだ水は最終的に自然界に戻ります。
地球規模で考えると少しおかしな話に聞こえますが…(笑)
例えば、
尿として排出された水は、まず下水道を通じて下水処理場に送られます。
そこで、ゴミや汚れを取り除く物理的な処理、化学物質で浄化する処理、そして微生物の力を使って汚れを分解する生物的な処理を受けます。
こうして浄化された水は川や湖に戻され、やがて土壌に浸透し、地下水となり、再び自然の水循環に組み込まれます。
そして水は再び蒸発し、空中で冷やされて雲になり、そして雲が大きくなったら雨として降り注ぎ、再び地表に戻るのです…
それは、人間のさまざまな活動によって使用した水に関しても、水質の変化はあるものの同じようなことが言えます。
このようにして、私たちが使用した水は、さまざまな形で自然界に戻り、また新たな水の循環が始まっているのです。
まとめ
水は何度でもリサイクルされ、地球上で絶えず循環しています。
私たちが日常的に使用している水は、実に何億年も、何十億年も前から存在しているわけですが、この事実を考えると自然界の水循環の重要性とその壮大さを改めて認識させられます。
そして、このような持続的なサイクルがあるからこそ、私たちは地球上で生き続けることができるということなのです。