耳と鼻と喉はどうつながってるの?

鼻が詰まっている時などに強くかむと、耳に圧力が掛かるような感覚を経験したことがあるかもしれませんが、耳と鼻、喉の関係はどうなっているのでしょうか…?
鼻、耳、喉の密接な関係
鼻とのど(咽頭)のつながり

鼻は呼吸や嗅覚の役割を担っていますが、実際にはのどと直接的に繋がっています。
鼻腔(鼻の内部)は、喉の一部である咽頭(いんとう)とつながっており、これを「鼻咽腔」と呼びます。鼻を通って吸い込まれた空気は、鼻腔を経て咽頭に到達し、その後、気管へと進みます。
また、鼻の奥には上咽頭(咽頭の最上部)があり、ここから喉(下咽頭)へとつながっています。

耳とのどのつながり
そして、耳とのどになりますが、中耳の主体となっている、鼓室(こしつ)〔耳の鼓膜奥にある空間〕と、

咽頭(いんとう)〔喉ぼとけ近く〕を連絡する、耳管(じかん)という成人で約 3.5cmぐらいの通気管でつながっています。

※耳管の出口を耳管咽頭口(じかんいんとうこう)といいます。
高層エレベーターでなぜ鼓膜が圧迫…?

この耳管(じかん)は、普段は閉じた状態ですが、食べ物を飲み込むときや、あくびなどの時に、開いて空気を流すことにより、鼓室〔鼓膜奥の空間〕の圧力調整(耳抜き)をしています。
例えば、
高層ビルのエレベーターや、飛行機などの昇降の際、気圧の変化により鼓膜に圧力が掛かりますが、この圧力調整(耳抜き)によって鼓膜をピンと張った状態にすることができ、周りの音が聞こえづらくなることを防いでいるのです。
他にも、耳管には役割があり、鼓室内で発生した分泌物を咽喉に排出するなどの働きも担っています。
子供が中耳炎になりやすい理由
年齢とともに耳管には変化が起こるのですが、子供のうちは耳管の傾きが成人に比べ水平に近くなっています。
それにより、注意しないといけないのが、咽頭の上部や鼻腔の後方の炎症です。


3歳以下の乳幼児に至っては、角度がほぼ水平で、耳管も短いこともあり、中耳炎〔鼓膜奥、鼓室内の空間で起こる感染症〕が起きやすいと言われていわれているので注意が必要です。
大きなあくびでなる耳の奥での『バリッ』音は…

ちなみに…
大きなあくびなどのときに、耳の奥で『バリッ』と音がしたことがあるかもしれませんが、これが耳管が開いたときの音になります。
たまにならいいのですが、あまりにも頻繁にそのような音が続くような場合は、耳管が開いたままである、耳管開放症(じかんかいほうしょう)の可能性もあるので、重症化しないうちに検査も考えたほうがよさそうです。

