薬を塗るときに使うから薬指?
薬を塗る際に、薬指を使用する人がどれだけいるのかは分かりませんが…
薬指と言われるようになった理由にはいくつかの説があるようです。
まず一つ目は、
薬指は生活していて一番使わない指のため、他の指に比べれば汚れづらく清潔だと考えられ、薬を塗ったり、薬を混ぜたりするのに適していたということ。
そしてもう一つは、
薬師如来像(やくしにょらい)〔大医王仏とも〕という病苦を救う仏像が少し曲げているように見える指だったから、薬指という名がついたとも言われています。
そして、さらに時代を遡っていくと、呼ばれ方がどんどん変化して薬指と呼ばれるようになったことが分かります…
古い時代から順に、
【 平安時代 】
『名無し指(ななしゆび)』
中国で名無指と呼ばれていたからではないかということ。
【 鎌倉時代 】
『薬師の指(くすしのゆび)』
薬師如来像の曲げていた指という意味で、ここから変化して薬指。
【 室町時代 】
『紅差し指(べにさしゆび)』
指の中では比較的清潔な指と考え、口紅を塗るのに適していたことから。
特に西日本で使われていたようで、東日本では薬指が主流だったのではないかといわれている。
【 明治時代 】
『薬指(くすりゆび)』
現在と同じ呼び方が全国的に定着。
ちなみに、薬指で薬を塗る利点としては、比較的清潔と考え適していたことともう一つ、薬指だと力が入りづらいため患部にとって丁度よい力加減だといったこともあるようです。