秋の花粉と時期

〔ヨモギの花〕
春のスギやヒノキの花粉が落ち着くと、多くの人は「花粉症シーズンが終わった」と安心してしまいます。
ところが実際には、秋にも花粉が飛んでおり、アレルギー症状に悩まされる人が少なくありません。
今回は、秋に飛ぶ花粉の種類や飛散時期、症状の特徴、そして対策方法を分かりやすく解説します!
秋に飛ぶ主な花粉の種類
秋の花粉症を引き起こす代表的な植物は、春とは異なる「草花」が中心です。
ブタクサ

日本各地に広く分布する雑草。北米原産ですが、日本では道路脇や空き地などでよく見られます。
花粉の大きさが小さいため、風に乗って遠くまで飛散します。
ヨモギ

秋の代表的な草花の一つで、川沿いや道端で群生しています。
ブタクサと同じ時期に花粉を飛ばすため、症状が重なることもあります。
カナムグラ

あまり知られていませんが、ツル植物で河川敷などに多く生えています。花粉の量は少なめですが、近くにあると影響を受けやすい植物です。
これらの草花は、スギやヒノキに比べて背丈が低いため、花粉も比較的地面近くを飛散します。そのため、庭仕事をしたり草むらを歩いたりする際に、症状が強く現れることが多いとされています。
よく間違いやすい「セイタカワダチソウ」と「ブタクサ」の違い!

〔セイタカアワダチソウ〕
よく花粉症の犯人「ブタクサ」に間違われやすい「セイタカアワダチソウ」とはどんな植物なのでしょうか?
2つを比較してみましょう!
ブタクサ(花粉症の原因)

- キク科ブタクサ属の植物。
- 花粉が非常に細かく、風で数キロ先まで飛散します。
- 8月下旬〜10月頃に花粉が多く飛び、秋の花粉症の代表格。
- 花粉の粒子が小さいため、鼻や目に入りやすく、アレルギーを引き起こす。
セイタカアワダチソウ(ほぼ原因にならない)

- 同じキク科ですが、虫媒花(ちゅうばいか)〔虫に花粉を運んでもらうタイプ〕。
- 花粉は重くて飛びにくいので、空気中に大量に舞うことはない。
- 見た目が派手で秋に一斉に咲くため「花粉症の犯人」と誤解されがち。
- 実際には花粉症の原因ではなく、むしろブタクサと同じ時期に咲くので「勘違いされやすい植物」。
- 秋の花粉症=ブタクサやヨモギが主因
- セイタカアワダチソウは花粉症の原因ではない(ほぼ無関係)
「ブタクサ」と「セイタカアワダチソウ」の見た目の特徴
特徴 | ブタクサ | セイタカアワダチソウ |
---|---|---|
草丈 | 30cm〜1.5m程度(低め〜中くらい) | 1.5m〜3m程度(人の背より高いことが多い) |
花の色 | 黄緑色っぽい地味な花 | 鮮やかな黄色の花 |
花の形 | 穂状に小さな花が並ぶ | 円錐状にたくさんの花が密集して咲く |
咲く時期 | 8月下旬〜10月 | 9月〜11月 |
花粉の飛び方 | 風媒花(花粉が風で飛びやすい) | 虫媒花(花粉は重く飛びにくい) |
花粉症への影響 | 秋の花粉症の主原因 | ほぼ無関係、誤解されがち |
秋の花粉が飛ぶ時期はいつ?

〔カナムグラ〕
秋の花粉シーズンは、地域や気候によって多少の差はあるものの、一般的には以下のように分けられます。
- 8月下旬〜10月頃 ⇒ ブタクサの花粉
- 9月〜10月 ⇒ ヨモギの花粉
- 9月〜10月 ⇒ カナムグラの花粉
つまり、夏の終わりから秋本番にかけて花粉が多く飛びやすいのです。特に9月は複数の植物が一斉に花粉を飛ばすため、症状が強まる人が増える傾向にあります。
秋の花粉症の特徴と症状

秋の花粉症は、春の花粉症と同じように次のような症状を引き起こします。
- 鼻水・鼻づまり
- くしゃみ
- 目のかゆみ・充血
ただし、秋は朝晩の気温差や空気の乾燥も影響して、風邪や季節の変わり目の不調と症状が似ているのが特徴です。
花粉症と気付かずに放置してしまうケースも少なくありません。
🍂 秋の花粉症の対策と注意点

秋の花粉対策は基本的に春(スギ・ヒノキ)と同じですが、秋特有の注意点もあります。
- マスク着用
→ 花粉を吸い込む量を大幅に減らせます。 - メガネやゴーグル
→ 目のかゆみ・充血を防ぐ。 - 帰宅時の花粉落とし
→ 衣服や髪についた花粉を玄関前で払う。 - 洗顔・うがい・シャワー
→ 体に付着した花粉を落とす。 - 空気清浄機の使用
→ 室内の花粉濃度を下げる。
🌾 秋ならではの注意点
飛散源が身近であること
春のスギは山から飛んできますが、秋のブタクサ・ヨモギは 道端・空き地・河川敷など身近な場所 に多い。
→ できるなら草むらや河川敷に近づかないこと。
雑草シーズンの管理を怠らない
庭や家の周りにブタクサやヨモギが生えていると、自分の生活圏が花粉源になってしまう。
→ 雑草の草刈りや除去が効果的。
季節の変わり目の体調管理に気を付ける
秋は朝晩の冷え込み・乾燥で 鼻や喉が敏感になりやすい。
→ 保湿や体調管理も症状を軽減するためのポイント!
花粉が多い場所と少ない場所

先ほどもお話ししましたが、秋の花粉はスギやヒノキに比べて飛散距離が短く、数十メートル~数百メートル程度が大半といわれています。
そのため、花粉の発生源の近くに行かなければ比較的症状は軽くすみます。
- 花粉が多い場所
- 河川敷
- 空き地
- 公園や道路脇の雑草が生い茂る場所
- 花粉が少ない場所
- アスファルトで覆われた市街地
- 草刈りが定期的にされている公園
- 樹木の少ない場所
ちょっとした散歩や買い物でも、道端の雑草に注意することが大切です。
まとめ:秋も油断できない花粉症シーズン

春の花粉症がよく知られていますが、実は秋にもブタクサやヨモギを中心とした花粉が飛散し、多くの人にアレルギー症状を引き起こします。
飛散時期は8月下旬から10月頃までで、その中でも9月がピークです。
秋の花粉症は風邪と間違えやすいため、鼻水やくしゃみが長引くときは「もしかすると花粉の影響かも」と考えてみましょう。
外出時や室内でちょっとした工夫を取り入れることで、症状をぐっと抑えることができます。
季節の変わり目を快適に過ごすためにも、秋の花粉対策をしっかり行って、お互いに健康な毎日を送りましょうね!

