黒板なのになぜ緑?

学校の教室を思い出すと、頭に浮かぶのは緑色の黒板。
でも、よく考えてみるとおかしいと思いませんか?
「黒板」という名前なのに、実際には緑色や深緑色が圧倒的に多いのです。
今回は、その理由を分かりやすく解説します!
黒板はもともと“黒”だった

昔の黒板は、本当に黒いスレート板(石板)や、黒く塗装された木製ボードが主流でした。
黒色はチョークの白がはっきり映えるため、授業などには最適だったのです。
ところが、時代が進むにつれて「黒色の黒板」にはある欠点が見つかりました。
- 長時間見ていると目が疲れやすい
- 教室全体が暗く見える
- 光を反射しやすく、角度によっては見えにくい
この問題を解決するために登場したのが「緑色の黒板」です。
緑色が選ばれた理由

1. 目に優しい色だから
人間の目は「緑色」にもっとも敏感で、視認性〔見やすさ〕が高いといわれています。
黒色よりも柔らかく、長時間見ても目の疲労が軽減される効果があります。
2. チョークの色が映える

緑色の黒板は、白や黄色のチョークはもちろん、ピンクや青などのカラーチョークも見やすいのが特徴。
これにより授業の表現方法が広がり、分かりやすさが向上しました。
3. 教室が明るく見える

黒より緑のほうが光を柔らかく反射し、教室全体を明るく保ちやすいという効果があります。
学習環境を快適にするためにも、緑が採用されるようになりました。
いつから緑の黒板になったの?

日本では1960年代ごろから、徐々に黒から緑へと移行していきました。
高度経済成長期〔日本の経済が急成長した時期〕、教育環境の改善が進められる中で、「緑の黒板は学習効率が上がる」と考えられ普及したのです。
そして、現在では黒色の黒板はほとんど姿を消し、緑色=黒板というイメージが定着しました。
最近は黒板も“進化”している
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近年では、緑色の黒板もだんだんと姿を変えています。
- ホワイトボード
マーカーを使うタイプ。オフィスや大学で主流。 - 電子黒板
タッチパネルで操作できる最新式。ICT教育〔情報通信技術の教育〕の広がりとともに導入校が増加中。
それでも、「緑の黒板でチョークを使った授業」のイメージは、今なお多くの人の記憶に残っています。
まとめ:黒板が緑色なのは“目に優しい”から

- もともとは黒色だったが、目の疲労や見づらさが課題になった
- 緑色は見やすく、チョークの色も映え、教室も明るく見える
- 1960年代以降、教育環境改善の流れで広く普及
- 今では緑の黒板がスタンダードに
つまり、黒板が緑色なのは単なる偶然ではなく、学ぶ人のことを考えた進化の結果だったのです。
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