春分とはどういう意味…?

『春分の日』は、毎年3月20日頃に訪れる国民の祝日です。この日は、昼と夜の長さがほぼ同じになる春分を基に定められています。
主に3月20日または21日となるのが一般的ですが、国立天文台が計算し、毎年の祝日として正式に決定されているそうです。
国立天文台… 日本の天文学研究の中核を担う機関で、天体観測や宇宙の研究を行っています。
それでは、この『春分の日』にはどのような意味や背景があるのか、順番に見ていきましょう!
『春分』とは二十四節気の一つ
春分とは、二十四節気(にじゅうしせっき)という、太陰太陽暦〔月の満ち欠けと、1年間の太陽の動きを考えにいれた暦〕で季節を合わせるために二十四に設定された、昔の分類のなかの一つになります。

この春分の日は、※昼と夜の長さがほぼ同じ時間になる日ということなのですが、それは、太陽が春分点を通過した日のことを指します。

※昼と夜の長さはほぼ同じではありますが、厳密には昼の方が十数分ほど長いようです。
天球上〔地球を中心として取り巻く仮想の球体〕で、

黄道(こうどう)〔天球上における太陽の見かけ上の通り道〕と、天の赤道〔赤道を天に投影した天球上のもの〕が交わる2つの点のうち、黄道が南から北へ、天の赤道に交わった方の点を春分点といいます。
春分の日が祝日の理由とは…

春分は、昼と夜の長さが同じになる日なので、確かに、めでたいとは思いますが…
どうして国民の祝日とまでなってしまうのでしょうか…?
もともとは『春季皇霊祭(しゅんきこうれいさい)』
今ある春分の日は、もともと戦前に使われていた旧法では、『春季皇霊祭(しゅんきこうれいさい)』という宮中祭祀(きゅうちゅうさいし)〔天皇が国家、国民の平穏と繁栄を目的として、神々や祖先などを祭ること〕という祭日だったそうです。

しかし戦後、戦争に敗れた日本は、天皇のイメージが強いとされるこの祭日は改称され、新法の祝日法により『春分の日』となりました。

このような経緯もあり、現在でも祝日としてお休みだったわけです。
ちなみに、春分の日の目的は、「自然をたたえ、生物をいつくしむ」なんだそうです…

お彼岸の意味とお墓参りに行く理由

春分の日がある時期は、春の彼岸となりますが、春分の日を挟んで、前3日、後3日の計7日がお彼岸の期間となっています。
それでは、どうして春分の日にお彼岸なの…?
ということなのですが…

(キンセンカ)
彼岸には仏教用語でいう、悟りの境地〔迷い、煩悩、執着を断ち切った世界〕という意味があるそうです。
そして、仏教〔お釈迦さまの教え〕では、悟りの世界である彼岸(ひがん)〔あの世〕は西側、迷いや煩悩に満ちた世界である此岸(しがん)〔この世〕は東側とされているようで、

昼と夜が同じになる春分の日は、太陽がちょうど東から昇り、ちょうど西に沈むため、あの世とこの世が一番近くなると考えられているそうです。
昔は、この時期にはあの世の門が開くと言われていた事もあり、この昼と夜の長さが同じになる、1年に2度の、春と秋の彼岸にご先祖のお墓まりにいくことによって、祈りが届きやすいという意味が込められていたのです。
お彼岸に牡丹餅(ぼたもち)、御萩(おはぎ)はどうして…?

お彼岸に牡丹餅(ぼたもち)、御萩(おはぎ)をお供えして食する習慣があると思いますが、どうしてなのでしょうか…?
赤色には魔除けの力がある

あんこで使用する小豆(あずき)は赤色ですが、昔から赤色には魔除けの力があると言い伝えられているようです。
そして、その時代は今とは違い砂糖はとても貴重なものだったのですが、その貴重な砂糖をたくさん使用した、特別なお餅でご先祖に感謝の気持ちを伝えるとういうことでもあったそうです。
その他にも、「棚からぼた餅」ということわざにもあるように、予想もしない幸運が舞い降りてくようにという願いも込められているとも言われています。
「ぼたもち」と「おはぎ」の違い
ちなみに…
春と秋とで呼び方が変わり、春は牡丹の花で牡丹餅(ぼたもち)

秋は萩の花で御萩(おはぎ)となるようです。



