眠気とは…?

ポカポカ陽気だと、余計に眠気を感じてしまいますが…
素朴な疑問、どうして眠くなるのでしょうか…?
眠くなる原因「ホメオスタシス」と「サーカディアンリズム」

眠くなる原因は主に2つあります。
1つ目は、
ホメオスタシス〔生体恒常性 (せいたいこうじょうせい)〕
2つ目は、
サーカディアンリズム〔概日リズム (がいじつリズム)〕
ホメオスタシス(生体恒常性)とは…
ホメオスタシス(生体恒常性)とは、体が外部や内部の変化に適応して、体内の機能(体温など)を一定に保とうとする働きのことです。
例えば、
気温が寒くなったときでも、体温が極端に下がらないように、ホメオスタシスが働いて体温を安定させます。
風邪などでウイルスが体に入ると、ホメオスタシスは白血球を活性化させ、発熱物質を放出して体温を上げ、病原菌を撃退しようとします。
その他にも、
食べ物を摂取した後、血糖値(血液中のブドウ糖濃度)が上昇すると、ホメオスタシスが働いて、すい臓からインスリンが分泌され、血糖値が過剰に上昇しないように調整します。
日中に体や脳が普段より疲れていると感じたり、睡眠不足のとき、ホメオスタシスは深く、長く眠るように体を調整し回復を促します!
サーカディアンリズム(概日リズム)とは…
サーカディアンリズム(概日リズム)とは、生物の運動や生理現象でみられる、1日(約24~25時間)を周期として繰り返される「生体リズム」をいいます。
脳内の視床下部(ししょうかぶ)内にある視交叉上核(しこうさじょうかく)という場所にこの体内時計があります。

視床下部とは…自律神経系〔体温調節、血圧、消化、睡眠、性機能など〕の中枢として調整、統合をしながら生命維持に重要な役割をする。
夜になると眠くなるのは、生まれつき備わっているサーカディアンリズム(体内時計)の影響が大きいとされているのですが、脳の視床下部にある視交叉上核が指令を出し、夜になると「メラトニン」(入眠ホルモン)が活発に分泌されることで眠気を引き起こします。
例えば、
海外旅行や徹夜をしたときに起こる時差ぼけは、このサーカディアンリズムが乱れることで生じる現象になります。
そのため、このサーカディアンリズム(体内時計)の影響を和らげるには、メラトニンのもととなる「セロトニン」という物質を日中にしっかり分泌させることが重要だとされているのです。
セロトニンとは…脳神経系、小腸粘膜などに存在する神経伝達物質。心身の安定、腸の消化吸収、睡眠、体温調整などに関わる。
「セロトニン」の分泌を活性化する方法

昼間に日光を浴び網膜(もうまく)から入った光が脳に伝わることによってセロトニンの分泌を活性化させることができます。
※網膜とは…光の感覚を受け取る部分。目に入った光を刺激として受け取り脳に伝える組織。カメラでいえばフィルムの役割。
その他、バナナや大豆製品、乳製品に多く含まれる栄養素であるトリプトファン(アミノ酸の一種)を摂取することで、セロトニンを合成することも可能と言われます。
そして夜には逆に、たくさん増やしたセロトニンをメラトニンにするため、光を消して暗くしていくことで、メロトニンの分泌を促すようにするといいそうです!
ポカポカ陽気の春は、本当に眠くなりやすい

ちょっと余談になりますが…
ポカポカ陽気の春は、本当に眠くなりやすいんだそうです。
理由は1つではないのですが、主に寒暖差により自律神経が乱れるからだということです。
冬の寒いときは、交感神経〔興奮の刺激を全身に伝える〕が活発になり、春になり暖かくなると副交感神経〔活動を抑制しリラックスさせる〕が優位となります。
そして、春先は昼間と夜とでも寒暖差が激しいため、それに身体のほうがついていけなく交感神経と副交感神経のバランスがとれないことにより眠気が強くなることもあるそうです。
『春眠、暁を覚えず…』とはこういった訳だったのでしょうか…

