「生きた化石」ゴキブリの生命力
2.5億年~3億年ぐらい前には地球上に誕生しており、「生きた化石」とまで言われるゴキブリ。

どれほどまでの強い生命力があるのでしょうか…?
見てい行きましょう!
食べ飲みなしで2週間生きる…
まず、ゴキブリは何も食べず、飲みもしないで2週間ぐらい、そして水さえ飲めば2ヵ月~3ヵ月ぐらい生きることもあるといわれます。

これを聞いて2~3ヵ月ぐらいなものか…
と、思ってしまうかもしれませんが、日本でよく見かけるゴキブリが成虫になってからの寿命は3ヵ月~7ヵ月ぐらいが多いといわれますので、生きてる間、ほとんど食べないで水だけでも生きることが可能ということが分かります…
頭部がなくても餓死まで生きる。45分間ぐらいは水中で生きる。

ゴキブリは体と翅の隙間に空気を蓄えているので、45分間ぐらいは、水中のような空気がないところで耐えることができると言われています。

そして、頭部がない状態でも餓死するまで何日間も生き続けることがあるそうです…
核の放射能にも耐えることが可能

放射能にも強く、もしも核戦争があったとしても生き続けることが可能だろうなんて
言われてしまうゴキブリ…
たとえ人類が滅びようが、おそらく生存し続けるだけの凄まじい生命力を持っています。
ゴキブリはメス一匹でも繁殖が可能なのは本当…?

ゴキブリを1匹見たら100匹はいる…
なんて話を聞いたことがありますが、実際にどれくらいの繁殖力があるのでしょうか?
ゴキブリは単為生殖(たんいせいしょく)といって、オスがいなく、メスばかりの環境になると、メスのみでも単独で子孫を残そうと繁殖する〔分裂増殖 (クローン)〕ことが、ワモンゴキブリ〔屋内に現れる大型のゴキブリ〕で確認されています。
そして、他の種類のゴキブリも同様に繁殖できる可能性があると言われているのです。
ゴキブリの産卵と特殊な卵の形状
更にゴキブリが減らない理由として、ゴキブリは卵鞘(らんしょう)と呼ばれる小豆(あずき)に似た、カプセル型の硬い殻の中に沢山の卵が入っているものを産みます。
そのため、殺虫剤をかけても殻の中の卵にまで効力が及ばないこともあるようです。
種類によって様々ですが、多いものですと卵鞘に40匹、少なくても10匹、それを一生のあいだに数十回も産卵し、平均すると1匹のメスに対して、400~600匹ぐらいの卵を産む計算になるようです。
そして、ゴキブリは集団で生息しており、メスのゴキブリはあまり活動的ではなく隠れていることが多いため、たとえ見つけたとしてもそのゴキブリはオスの可能性が高く繁殖を食い止めることが難しいと言われています。
もし叩き潰したとしても、体液から出るフェロモンで他のゴキブリを寄せ付け、殺虫剤を掛けたとしても、メスの場合は死ぬ間際に卵を残していることもよくあるそうです。
世界にはゴキブリが1兆5,000億匹ぐらいいる⁉

ちなみに、
世界にはゴキブリが1兆5,000億匹ぐらいいるという推計があるようで、世界の人口が2023年現在で約80億人なので計算すると、ざっと人間の200倍ぐらいの数はいるわけです…
どこから出てきた話だか分かりませんが、1匹みたら100匹はいる…満更ウソではないようです。
もしかしたら、そんなものではないのかもしれません…
ゴキブリの弱点はないの?

ゴキブリは、他の生物と異次元の世界で生き続けていると思えるほどの生命力があるですが、弱点はないのでしょうか…?
①塩、ホウ酸団子が苦手

ゴキブリは、塩やホウ酸団子〔ネズミ駆除などにも使用〕により脱水症状に陥り死に至ります。
②寒さが苦手

ゴキブリは、25度を超えると繁殖しワサワサとでてきますが、20度を下回ると一気に活動が弱まります。
10度ぐらいで繁殖もしなくなり、5度以下になると死に至るものも出てくるようです。
③熱湯が苦手

ちょっと危ない方法で退治にはお勧めしませんが、ゴキブリなどの昆虫は自ら体温調整ができない〔変温動物〕なので、沢山の量の熱湯をかけ続けると、体内のたんぱく質が固まり死に至るということです。

④アルコールの強いものが苦手


アルコールの強いウォッカなどを掛けると、気化熱〔液体から気体に代わるときに周りの熱を奪う〕により一気に冷却され、急激な温度変化により動きが弱まり、呼吸困難となって死に至るということです。
あのゴキブリにも、実は弱点はあったのですね…
アリはハチの仲間。シロアリはゴキブリの仲間。

シロアリなのにアリの仲間ではないってどういうことなのでしょうか…?
蟻(アリ)

【 昆虫綱 ハチ目 アリ科 】
- 完全変態〔幼虫から蛹(さなぎ)になってから成虫になる〕
- 幼虫の時期には活動ができないため、成虫になってから活動する。
- 胸部と腹部の間にくびれがある。
白蟻(シロアリ)

【 昆虫綱 ゴキブリ目 シロアリ科 】
- 不完全変態〔幼虫から蛹(さなぎ)にはならないで成虫になる〕
- 幼虫の時期にも手足がついており活動する。
- 胸部と腹部の間にくびれがない。
と、このように全然違う生きものなのです…
仲間どころか、アリはシロアリを捕食するので、シロアリにとってアリは天敵だったのです。
アリをよく見るとハチに似ている部分が多く、


体の形や口の形、毒針を持っているアリもいるため、祖先は同じだったと考えられています。
シロアリはというと、アリと生活スタイルは似ているのでシロアリと呼ばれるようになったようなのですが、アリと大きく違う部分があります。
蛹(さなぎ)※から成虫になる〔完全変態〕のアリに対して、幼虫からそのまま成虫になるのが〔不完全変態〕シロアリになります。
※蛹(さなぎ)とは…一部の昆虫が、成虫になる前の発育段階で、成虫に似た形で、食物をとらずほぼ静止の状態となったもの。
このことに関して言えば、ゴキブリとシロアリは同じなのです。


そのため、朽木などを食べるゴキブリから長い長い時を経て派生していったものが、シロアリなのではないかと考えられています。
ゴキブリにまつわる都市伝説

ゴキブリが誕生したのは恐竜誕生よりも更に約1億年前になり、現在から約3憶4,000万年前にはすでに地球に存在していたと言われています。
この長い長い歴史のゴキブリにまつわる興味深い話をまとめてみました。

ゴキブリは大昔、とても巨大で人間の祖先を捕食した…?
大昔のゴキブリは、今とは比べ物にならないほど大きかったといわれ、アプソロブラッティナといって体長が50~100㎝もあったという説があります…
(一般的な大きさの便座の直径が45cmぐらい)
(一般的に4歳ぐらいの身長が100cm)
ゴキブリは雑食で共食いも当たり前なのですが、それ程に大きかった時代は人間の祖先〔進化の過程で当時ネズミのような姿をしていた…〕を捕食したという話で、本能的に人間は今でもゴキブリが苦手というのです…
今現在、実際に見つかっているアプソロブラッティナの化石は約10cm程度だということで、100cmあったという話は100mmの誤植から始まったゴシップだともいわれていますが…
(官製はがきの横幅が約10cm)
けれども、3億年前に実在していたメガネウラという、羽を広げると70cm以上にもなる巨大トンボの化石は発見されていますので、

実際のところはどうだったのでしょうか…
ゴキブリを食べたらお腹の中で繁殖する都市伝説…
これは都市伝説として昔から有名なお話なのですが、実際のところは人間の胃液で溶けてしまいそのようなことはないようです。

過去に昆虫の早食い大会で、ゴキブリやヤスデなどを食べて死亡した人がいたらしいのですが、ゴキブリが問題だったのではなく、ヤスデの毒が原因だったのではないかといわれています。
ゴキブリはどんなに狭い隙間でも移動可能!

ゴキブリは体を薄くしながらの移動が可能で、一般的な大きさの成虫でも2~3mmぐらいあれば平気で隙間に入っていってしまうことができます。
これは現実のようです…
例えば、
500円玉や10円玉でしたら、2枚分の厚さがあれば余裕で移動できるということになります…

(500円玉の1枚の厚さが約1.8mm)

(10円玉1枚の厚さが約1.5mm)
ゴキブリの動くスピードは新幹線並み…?
俊敏に動けるゴキブリですが、1秒間に体長の約50倍近くは移動するといわれており、それを人間の大きさに換算した場合、


新幹線並みのスピードで移動する計算になると言われています。

実際に何百キロものスピードが出るわけではないので少しわかりずらい話になりますが、逃げ足はとにかくピカイチなわけです。
ゴキブリは排尿をしない…

ふつうでは考えられない話になりますが…
ゴキブリの体内に住み着いている細菌により、老廃物(尿素など)を分解し、ゴキブリに必要な物質に変換して再利用しているそうです。
そのため、代謝までコントロールしてしまうゴキブリは排尿をしないのです。
やはり、ゴキブリは異次元の生物なのかもしれませんね…(笑)

