日本の地震とプレートの関係
日本は地震が多い国として知られていますが、なぜ日本ではこんなに地震が多いのでしょうか…?
それは、日本が「プレート」と呼ばれる地球の巨大な岩盤の境界に位置しているからなのです。
『プレート』とは? 地球の表面は割れている…
地球の表面は一つの大きな板ではなく、「プレート」と呼ばれる硬い岩盤で覆われています。
このプレートは何枚かに分かれており、まるでパズルのピースのように組み合わさっているのですが、それぞれが独立して動いています。
そして、プレートは地球内部の熱によってゆっくりと移動し〔マントルという層がゆっくりと流れているため〕、ぶつかったり、横にずれて動くことがあります。
日本は、そのプレートの「ぶつかり合う場所」に位置しているため、地震が多発するのです。
日本の下にある『プレート』:地震や火山活動が多い理由
日本の下には、ユーラシアプレート、太平洋プレート、フィリピン海プレート、北米プレート〔北アメリカプレート〕の4つがあります。
これらのプレートが衝突したり、沈み込んだり、横にずれてすれ違ったりすると、大きなエネルギーが生まれます。そのエネルギーが解放されることで、地震が発生します。
4つのプレートの特徴
4つのプレートの主な特徴は次のようになります。
ユーラシアプレート
ユーラシアプレートは西日本の方に広がっています。
このプレートはヨーロッパやアジアの大部分を覆っており、日本では主に東側でフィリピン海プレートと、北側で北米プレート(北アメリカプレート)と接しています。
ユーラシアプレートは非常に大きく、その動きは比較的遅いため、プレートの境界で地殻変動(ちかくへんどう)〔地球のプレート運動によって地表が変形・変動する現象〕が起こりやすいと言われています。
そのため日本では、ユーラシアプレートと他のプレートとの衝突が、地震や火山の原因ともなっています。
火山活動とプレートの関係
火山活動は、主にプレートの境界で起こります。プレートが衝突して一方が他方の下に沈み込む場所(沈み込み帯)や、プレートが引き離される場所でマグマが生成され、火山が形成されるためです。
そのため、特に日本のようなプレート境界に位置する地域では、火山活動が活発となります。
北米プレート(北アメリカプレート)
北米プレートは、東日本のほうに広がっており、上の図では分かりずらいのですが、その下には太平洋プレートがあります。
このプレートは、更にアメリカ大陸の北部からアジアの北東部まで広がり、アリューシャン列島やカムチャツカ半島まで含んでいます。
特に北海道方面では、北米プレートと太平洋プレートの間での相互作用が地震を引き起こすことが分かっています。
フィリピン海プレート
フィリピン海プレートは、日本の南側に位置し、特に本州、四国、九州の南側に接しています。
このプレートは、南から北に向かってユーラシアプレートの下に沈み込んでおり、これが沈み込み帯を形成しています。
南海トラフや沖縄トラフなどがこのプレートの沈み込みに関連しており、これらの地域では巨大地震が発生するリスクが高いと言われます。
更にフィリピン海プレートの沈み込みによって、火山活動も活発になっています。
『南海トラフ』『中央構造線』とは? 地震との関係性について
『南海トラフ』とは、日本の南海岸沖に位置する海溝で、フィリピン海プレートがユーラシアプレートの下に沈み込む場所です。
そして、『中央構造線』は、日本列島を横断〔特に本州の中部から九州にかけて広がる〕する大規模な断層帯となります。
南海トラフでフィリピン海プレートがユーラシアプレートに沈み込む際、その力が中央構造線に伝わり、断層活動や地震を引き起こす可能性があるため、両者は密接に関連していると言われています。
南海トラフでは、過去にも約100〜150年周期で巨大地震が発生しており、最後に発生したのは1946年の昭和南海地震です。そのため、現在では次の地震がいつ発生してもおかしくない状態と考えられています。
太平洋プレート
太平洋プレートは、非常に大きなプレートで、太平洋の大部分を覆っています。
日本では、特に東北地方の下に位置し、北米プレート〔北アメリカプレート〕の下に沈み込んでいます。
そして、この沈み込み帯は東日本大震災のような巨大地震を引き起こす原因と考えられています。
2011年に発生した東日本大震災は、太平洋プレートが北米プレートの下に急激に沈み込んだことで起きました。そのため津波を引き起こし、広範囲に甚大な被害をもたらしました。
太平洋プレートは常に西に移動しているのですが、その結果、地震活動や火山活動が活発になることがあります。
地震の原因を簡単に
地震は、プレートが動くときに生じる「ひずみ」の解放によって起こります。
例えば、太平洋プレートが日本の下に沈み込むとき、その動きがスムーズにいかないことがあります。
その結果、プレートが歪んでエネルギーが溜まり、ついにはそのエネルギーが一気に解放されると地震が発生します。
最後に
日本が地震大国である理由は、日本の位置にあります。日本は複数のプレートの上にあり、これらのプレートがぶつかり合うことで頻繁に地震が発生していたのです。
地震はいつどこで起こるか予測が難しい自然現象ですが、私たちはその影響を最小限に抑えるためにできることがあります。
例えば、地震が発生した際の避難経路を確認したり、身近な人たちと避難場所を話し合ったり、緊急時の備えをしておくなどです。
こうした準備が、私たちの安全を守る第一歩になるかもしれません。