料理の “さしすせそ” には何が隠されている?

料理をしているとよく聞く「さしすせそ」。
でも、これってどうしてこの順番なんでしょう?
ただの語呂合わせじゃなくて、きちんとした理由があるんです。
しかも、順番を守るだけで味がグッとおいしくなる!
今回は、和食の基本「さしすせそ」に隠された秘密を、料理初心者でもわかるようにやさしく解説します!
まずは結論!「さしすせそ」は “味がしみこむ順番” のこと

ずばり、「さしすせそ」の順番は調味料が素材にしみこむスピードや香りの強さに合わせた並びなんです。
つまり、
砂糖 → 塩 → 酢 → 醤油 → 味噌 (さ→し→す→せ→そ)
この順で入れると、素材の味を引き出しながらバランスよく仕上がります。
「さ」=砂糖 最初に入れるのはなぜ?

砂糖の分子(ぶんし)は大きくて食材にしみこみにくいので、早めに入れるのがポイント。
煮物などで最初に砂糖を入れると、ゆっくり甘みが染みこんでいきます。
逆に、塩を先に入れると、食材の表面が引き締まって砂糖が入らなくなるんです。
だから最初は「さ(砂糖)」から!
※分子って何なの?はこちら↓
「し」=塩 味を引き締めるタイミング

塩は分子が小さく、すぐに食材に浸透します。
水分を引き出して味を締める効果があるので、砂糖のあとがベスト。
砂糖の甘みと塩味がうまく混ざり合って、素材のうま味が引き立ちます。
「す」=酢 酸味でさっぱり&臭み消し

酢は酸で臭みを取ったり、たんぱく質をやわらげたりする働きがあります。
早めに入れると酸味がやわらぎ、まろやかに。
遅く入れると酸味がしっかり残ります。
煮物や南蛮漬けなど、仕上がりの目的に合わせてタイミングを調整してみましょう。
「せ」=醤油 香りと色づけの主役

醤油は香ばしさとうま味、色づけを担当します。
ただし、香りは熱に弱いので、早く入れすぎると飛んでしまいます。
だから、中盤~仕上げ前に加えるのがベスト。
ちなみに「せ」は、昔の「せうゆ(しょうゆ)」という言い方から来ています。
「そ」=味噌 最後に入れるのが鉄則!

味噌は発酵食品なので、香りがとてもデリケート。
※発酵食品 … 微生物の働きによって食材のうま味や栄養、保存性が高まった食品。
煮立てると風味が飛んでしまうので、火を止める直前に入れるのがコツです。
汁物なら、お玉に味噌を溶いてから加えると香りがしっかり残りますよ!
『酒』と『みりん』はどこで入れるの?

実は、「さしすせそ」の前に入れるのが一般的。
酒やみりんは、臭み取りや風味づけに使われるからです。
まず『酒』で臭みを飛ばし、『みりん』でコクと照りを加えると、味が全体的にまとまります。


例外もある? 料理によって順番は変えてOK!

- 照り焼きなど ⇒ 合わせ調味料にして一気に入れることも。
- 肉や魚の下味 ⇒ 塩を先にふる方が向いている場合もあります。
- マリネや漬け物 ⇒ 酢や塩を先に使って味をしみ込ませます。
つまり、「さしすせそ」は “基本ルール” であって、料理の目的によってアレンジOKなんです!
実践!さしすせそで作る基本の煮物

〔鶏と大根の味噌煮〕
材料(2人分)
鶏もも肉200g・大根200g・だし300ml
手順
- 鶏と大根を下ゆでしてアクを取る。
- 酒を入れてひと煮立ちさせる。
- 砂糖(さ)を加え、しっかり溶かす。
- 塩(し)で下味を整える。
- 酢(す)で臭みを消す(好みでOK)。
- 醤油(せ)で味と色を加える。
- 最後に味噌(そ)を溶き入れて完成!
この順番を守るだけで、味の深みと香りが全然違います。
覚えておきたい3つのルール

- 「さしすせそ」は基本、でもアレンジも大事。
- 味噌は最後に入れて香りを守る。
- 酒・みりんは最初に使うと臭みが消える。
まとめ — 「さしすせそ」はおいしさの公式!

「さしすせそ」は、昔の人の経験と科学の知恵が詰まった黄金ルール。
この順番を覚えるだけで、いつもの家庭料理がプロの味に近づきます。
今日からぜひ、砂糖→塩→酢→醤油→味噌の順番を意識してみてください。
きっと味がぐんと変わりますよ!








