Last Updated on 2025年6月17日 by 子供のギモン?大人も…ギモン?
食品添加物ってどんなもの?

近年では、無添加という言葉をよく見かけるようになってきましたが…
そもそも食品添加物とは何なのでしょうか…?
食品と食品添加物の違い
まず、食品と食品添加物の違いについてですが、食品とは、そのまま食べたり、調理して食べることができるものを指します。
一方、食品添加物とは、食品の製造・加工・保存などの目的で、意図的に加えられるものをいいます。
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食品添加物の歴史
食品添加物という言葉は戦前は使われておらず、戦後の昭和22年に食品衛生法によって規定されました。
『食品の製造の過程において又は加工若しくは保存の目的で、食品に添加(付け加える)、混和(混ぜ合わせる)、浸潤(液体をしみ込ます)その他の方法によって使用するものをいう』
そして、毒性があるかどうかの試験を通過し、厚生労働大臣の指定を受けたものが、食品添加物〔指定食品添加物〕として使用されているということです。
食品添加物〔指定食品添加物〕の例外
指定添加物のほかに、食品添加物には以下のような例外的な分類もあります。
一般飲食物添加物
通常は食品として食べられているものだが、食品添加物として特定の用途に使われるもの(例:寒天、ゼラチンなど)
既存添加物
昔から長く使われており、安全性が認められ、すでに食品業界で広く使われている天然由来の添加物。
天然香料
植物や動物などの天然物から得られ、香りをつける目的で使われるもの。
これらはすべて、国が「食品添加物」としてきちんと認めているものですが、「指定添加物」とはちょっと違います。
指定添加物は、国が成分ごとに審査して新しく認可する添加物ですが、既存添加物などは昔から使われてきて安全性が確かだとわかっているため、特別な許可がなくても使えるという位置づけになっています。
食品添加物はどのような目的で使用されている?
なんとなく体には良くないと感じてしまう食品添加物ですが、実は、なくては食卓にまでたどり着かない、意外な食品もあるんです。
それでは、どんな食品に添加物は使用されているのでしょうか…?見ていきましょう!
食品の製造や加工する過程で使用する

- 豆腐のにがりなど → 豆腐を固める凝固剤として使用

- ラーメンのかんすい → 弾力などの触感を出すために使用

- アイスクリームの乳化剤 (界面活性剤) → 油と水を混ぜ合わせるために使用

などなど…
食品の品質維持、保存のために使用する
- 酸化防止剤〔酸化防止剤が酸化をすることにより製品の酸化を防ぐ〕ワイン、惣菜など

- 防カビ剤〔カビの発生、増殖を防ぐ〕海外から輸入した柑橘類、バナナなど

- 保存料〔食品の細菌の増殖を抑える〕ソーセージ、漬物、加工食品など

- 日持向上剤〔数日、数時間など比較的短い間の腐敗や変色、味の変化を抑制〕※だたし、グリシン、リゾチーム、酢酸ナトリウムなどの成分で表示されいている。弁当、サラダなど

食品の見栄えや風味のために使用する
- 甘味料〔甘みをつけるために使用〕 飲料、お菓子など

- 着色料〔色によって見栄えをよくするために使用〕 ハム、明太子など

- 香料〔香りと味の一部をつけるために使用〕 飲料、食品全般

- 膨張剤〔ふっくらさせるために使用〕 ケーキ、パンなど

- 増粘安定剤〔粘り、とろみなどをつけるために使用〕 ゼリー、アイス、麺類など

食品の栄養を強化するために使用する
- 強化剤〔ビタミン類、ミネラル類、アミノ酸類など〕※ただし、強化剤として添加した場合は表示を免除されています。
食品添加物の種類はどれくらいある…?

それでは、このように使用されている食品添加物ですが、今現在どのくらいの種類があるのでしょうか…?
- 厚生労働大臣が指定した添加物→ 460品目以上
- 既存添加物〔昔から利用され長い食経験があるもの〕→ 360品目以上
- 天然香料〔動植物から得られる天然の物質で香りをつけるために利用〕→ 約600品目
- 一般飲食物添加物〔通常は食品とされる物を添加物として利用〕→ 約100品目
※数え方によって〔特に香料〕品目数が大きく変わります。
ちなみに、世界から見た食品添加物の数ですが、国や地域によって統計方法が違うため一概には言えませんが、日本は世界的にみても多いほうであるということです。
食品添加物は安全なの…?
食品添加物の安全性に関しては、個人や企業によっても考え方がまちまちで、難しい問題のような気がしますが、近年ではどのように捉えられているのでしょうか…
添加物の肯定的な意見について
まず、添加物の肯定的な意見にはどういった話があるのでしょうか…?
- 食品添加物がほとんどなかった時代には食中毒での死者が沢山いた。食品添加物による体の影響よりも大きい問題だ…
- 食品添加物のおかげで腐食させず長期保存や輸入などが可能なため、食品の価格を抑え、値段も安定することができている…
- 消費者の妥当な価格設定で、美味しいものを作るには食品添加物は必要不可欠。全てが無添加にこだわりすぎると、需要に対しての供給が間に合わない…
- 天然の物でも、大量に摂取すれば食品添加物以上に体に影響がでることもある。天然なら安全というわけではない…
などなど、なるほどと思います…
食品添加物に否定的な意見について
それでは、食品添加物そのものだったり、表示方法などに否定的、疑問視する見方になりますと、どんな意見があるでしょうか…?
- EUなどでは発がん性物質と疑われ使用が禁止されている、臭素酸カリウムが日本ではまだ添加物として使用できる。〔現在は小麦粉原料のパンのみ〕日本はまだ安全性が不十分なのではないのか…?
※EU(欧州連合 おうしゅうれんごう)とは…? ヨーロッパを中心に政治、経済面での統合を目指し、加盟国間で の協力強化を目的に設立された機関。
- あまりにもカビない腐らない、抗菌作用のある食べ物を人の体内に入れ続ければ、腸内細菌の善玉菌にも影響がでるのではないか…?〔見解が割れており、時間と共に腸内細菌は回復するので問題ないとの意見もありました。〕
- 缶詰などの加工の段階で、劇物や毒物などに指定されている添加物を使用しても、完成段階で取り除いている、もしくは中和しているとみなされたら表示を免除できる。これで本当に大丈夫なの…?

- ph調整剤、調味料(アミノ酸等)等、凝固剤、乳化剤などは、その表示によって複数の食品添加物を一括表示ができるため、実際にどの添加物を使っているかわからない。人体への影響が不安…
- 企業によっては、添加物の一括表示をうまく利用して、安全と見せかけているのではないか…?それでは表示としての意味がないのでは…
- 商品を作るための、原材料の段階に添加物が使われていても、製品段階でその効果が出なければ表示が免除されている。結局、添加物が使われていても消費者はわからないのでは…?〔パンの原料で利用した臭素酸カリウムもこれに入ります〕
- パッケージが小さいもの〔ばら売り、包装の面積が30㎠以下のものなど〕は添加物の表示が免除。これでは添加物入れ放題では…?

などなど、例をあげれば切りがなく…
これら話の内容に賛否あるかもしれせんが、添加物は無くてはならない物だということも伝わってきますし、添加物にはまだ疑問な部分があることも分かります。
要は、バランスが必要だということなのかもしれませんが…
食品添加物による人体の影響についての考え方

それでは、今現在での添加物による人体の影響についての考え方を見てみたいと思います。
今現在の食品添加物の毒性の調査方法になりますが、まず添加物の量を徐々に減らしていくことによって、人体に何も影響が出ない分量を探り、その状態からラットやイヌなどでその影響をみるようです。
そこで、なにも影響がなかったところを【無毒性量】というようですが、その無毒性量の100分1の量を『一日摂取許容量(ADI)』と設定しているということです。
そしてこの数値が、一生、毎日その物を食べ続けても人体に影響がないとされる値とされているそうです。
個々のニーズによって食品添加物の考え方が違うのは当然の話だと思いますが、現状を知っておくに越したことはないのかもしれませんね…

