バケツを回しても水がこぼれないのはなぜ?
子供のころ、やはり掃除のときバケツをぐるぐると回していましたが…(笑)
バケツに水を入れて、腕をグルグルと回転させると、なぜか頭上でも水が落ちてきませんが、どうしてなのでしょうか…?
これには、
『遠心力(えんしんりょく)』
『重力(じゅうりょく)』
『向心力(こうしんりょく)』
という力が大きく関わってきます。
※厳密にはもっと複雑なようですが簡単にお話しさせて頂きます。
『遠心力(えんしんりょく)』とは?
『遠心力』というのは、バケツ回しでいえば、腕を軸として回転させた際に、中心から離れていく方に向かって働く力〔中心から遠ざかろうとする力〕を言います。
身近なことですと、まっすぐに進む、車や電車などが速いスピードや急カーブで曲がるとき、
乗り物の重心に対して、曲がる方向と逆側に体が持っていかれるような感覚が遠心力となります。
※ここでは、スピードと角度が重要な要素となります。
飛行機は鉄の塊なのにどうして飛ぶの…?飛んでいる飛行機に働く4つの力とは…
『重力(じゅうりょく)』とは?
『重力』は、バケツで回しでいえば、水が下に落ちること〔地球の中心から引き付けられる力〕です。
例えば、ボールを上に投げたら、いつかは落ちてきますが、
言い方を変えると、地球の重力によって引き付けられているともいえるわけです。
そのため、バケツをグルグルと速く回した場合、遠心力〔外向きの力〕と、重力〔地球に引き付けられる力〕の引っ張り合いによって、重力よりも遠心力が勝っている状態だから、水がこぼれないでバケツの中に留まっているといえます。
『向心力(こうしんりょく)』とは?
ただし、説明としてはここで終わると一つ問題があり、バケツを回した時の外向きの力〔遠心力〕ですが、回している腕側から引っ張られる力があることによって働く力であるということです。
それが釣り合って、はじめてバケツの底で水を押し戻しすことができ、バケツが飛んでいかずに水がこぼれないでいる〔重力に逆らう〕のです。
言い方を変えると、引っ張られる力がなくなり、その力が釣り合わなくなれば、バケツが飛んでいき水がこぼれてしまうわけです。
少し複雑になってきましたが…
この引っ張る側の働きを『向心力』といい、
実際は、この向心力の存在があるので、遠心力があるかのように見えるのです。
そのため、遠心力は見せかけの力といわれており、実は向心力があって、それにより起こる反作用〔同時に同じ大きさで反対方向に働く力〕が遠心力となります。
先ほどの例でいえば、
まっすぐに進む、車や電車などが速いスピードや急カーブで曲がるとき、
乗り物の重心に対して、急カーブに向かって車を動かしている力〔向心力〕があります。
それでもまっすぐに進もうとする車に対して、外で見ている人ではなく(ココが重要です)、その中の乗車している人が、
向心力と逆側に体が持っていかれるような感覚〔遠心力〕を受けているといえるわけです。
まとめ
少し長くなってしまいましたが、今までの話をまとめると…
強引な話、バケツを回している人だったり、それを見ている人ではなく、車の中のように、回っているバケツの中に、もしも人が乗っていて、
その人が『私は遠心力を感じている。』と言うのがただしい遠心力という言葉の使い方なのかもしれません…
そして、ここまでのお話は大まかなことになり、回転バケツには実際、もっといろいろな力が重なり合っているようなのです。
とても難しいですね…