日本の紙幣の原料とは?
(日本銀行本店)
日本の紙幣〔正式名称:日本銀行券〕はとても品質が良く、丈夫な高級和紙で製造されているということです。
現在の原材料は植物繊維で、ジンチョウゲ科の三椏(みつまた)〔主にネパールから輸入〕と、
補助原料として、水に強いバショウ科のマニラ麻〔ロープなどの原料〕が採用されているようです。
そのためボロボロにはなりにくいのですが、紙幣ですので勿論破れてしまうこともあると思います。
和紙、洋紙、新聞紙はどうやって作られる…?紙が出来上がるまでの工程について
破損した紙幣の価値は…
それでは、破れてしまった紙幣の価値はどうなってしまうのでしょうか…?
- 紙幣の3分の2以上ある → 全額の価値
- 紙幣の5分の2以上、3分の2未満ある → 額面の半額
- 紙幣の5分の2未満 → 失効
というようになります。
交換場所ですが、普通銀行〔ゆうちょ銀行は不可〕もしくは、日本銀行〔紙幣を発行する銀行〕ですぐに交換きるのですが、あまりにも細かく破れてしまった場合は、日本銀行での鑑定が必要となるため時間を要するということです。
余談ですが…
今では品質の高い紙幣ですが、日本銀行から発行がはじまったばかりの明治時代〔10円紙幣〕には、こんにゃく粉を混ぜ、紙幣の強度を上げていたこともあったようです。
しかし、ねずみや虫の被害が多くなり、数年で新しいものに変わったのだとか…
紙幣の製造コスト
紙幣には壱萬円、五千円、千円などと印刷してあるので、価値〔信用〕としてはその金額として、物やサービスなどと交換できますが、実際にその紙幣を造るのには、どれだけの金額が掛かっているのでしょうか…?
ここ数年の製造コストは、
一万円札… 約25円 〔三椏(みつまた)、マニラ麻(アバカ)など〕
五千円札… 約20円 〔三椏(みつまた)、マニラ麻(アバカ)など〕
千円札… 約15円 〔三椏(みつまた)、マニラ麻(アバカ)など〕
と言われています。
江戸時代に入るまでは紙幣ではなく硬貨が使われていましたが、人口増加と共に金属資源の問題や、製造コストの問題も出てきたため、硬貨より安価で造れる紙幣が導入されたそうです。
ちなみに、
米国の100ドル紙幣の製造コストは、
現在の為替ですと日本円にして約15円ぐらいだということです。
硬貨の製造コストと原料
それでは次に、現在ある日本の硬貨の製造コストを見ていきたいと思います。
1円硬貨… 約3円 〔アルミ〕
5円硬貨… 約7円 〔銅、亜鉛〕
10円硬貨… 約10円 〔銅(5円玉より多い)、亜鉛、スズ〕
50円硬貨… 約20円 〔銅、ニッケル〕
100円硬貨… 約25円 〔銅、ニッケル〕
500円硬貨… 約30円 〔銅、亜鉛、ニッケル〕
ちなみに日本のお金は、紙幣(日本銀行券)は、国立印刷局で製造され、日本銀行が発行しており、硬貨は、造幣局で製造され、日本政府〔財務省〕が発行しています。
(造幣局)
紙幣の寿命はどれくらい?
硬貨とは違って、紙幣の寿命は短くなるとは思いますが、どれぐらいの期間、使用することができるのでしょうか…?
日本銀行によると、お金のやり取りが多い千円札や五千円札は約1年~2年の寿命で、
高額な一万円札は約4~5年の寿命の場合が多いということです。
紙幣〔日本銀行券〕の流れについて
日本銀行〔紙幣を発行する銀行〕で発注した分の紙幣を、
(日本銀行)
国立印刷局〔紙幣、切手、パスポートなどを印刷する場所〕で印刷し、日本銀行で保管されます。
そこから金融機関を介して、世の中に紙幣が出回ります。
その後、巡り巡って金融機関に戻り、最終的に日本銀行へ帰ってくるのですが、紙幣のチェックがされ、使えなくなった紙幣は裁断し焼却、もしくは、古紙としてトイレットペーパーなどに再利用されたりもしているそうです。