生命の起源について
地球が形成されたのは今から約46億年前のことになるのですが、それから数億年もの長い年月が経過した今から約40億年前頃に地球に初めて生物が誕生したと推定されています。
それでは、生命が誕生するまでの過程を太陽系の誕生から順を追って見ていきたいと思います。
【太陽系の誕生~地球の誕生】
約46億年前、太陽系は原始的なガス〔太陽系が形成された初期の段階に存在したガスのこと。水素やヘリウムと考えられている〕や、塵(ちり)の雲〔宇宙空間に存在する微小な粒子や塵が集まった雲〕から形成されたと考えられているのですが、この雲は重力の影響で収縮し中心部に太陽が誕生しました。
この原始的なガスと塵の雲は太陽の周りに広がり、太陽系の惑星やその他の天体の原料ともなり、原始惑星系円盤(げんしわくせいけいえんばん)と呼ばれる円盤状の構造を形成し、この円盤内で太陽系の惑星と共に地球が誕生します。
そのころの地球は、岩石や金属からなる溶けた岩石の海に覆われていました。
そして、地球の表面はこのマグマの海(マグマオーシャン)からの蒸発や火山活動によって激しく活動します。
その後、地球の表面は徐々に冷え、岩石の海は固まり地殻(ちかく)※が形成されました。地殻の形成により、地球の表面は固体として安定し始めます。
≪地殻(ちかく)とは…?≫
地球表面の最も外側の岩石の層。地殻は地球の固体部分の中で最も薄く厚さは海洋地殻と大陸地殻で異なります。地殻は地質学的な活動やプレートテクトニクス〔地球の表面が移動する大きな板で構成される理論〕のプロセスによって形成され、地球上の陸地や海底を形成しています。
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【海の誕生】
地球初期の大気は、地殻の冷却や火山活動によって形成されたのですが、この大気は主に水蒸気や二酸化炭素などで構成されていました。
しかし、 隕石や彗星などと地球は激しい衝突を繰り返し、その結果、地球の形状や大気組成が変化〔主成分は窒素。酸素はほぼ無し〕します。
そして地球上に初期の海が誕生します。
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【生命の誕生】
そして、約40億年前にその海の中から最初の生命が誕生するのですが、それはとても小さい単細胞生物(たんさいぼうせいぶつ)※であるバクテリア(細菌)だったと現在は考えられています。
≪単細胞生物とは…?≫
単細胞生物とは、一つの細胞から成り立つ生物のことです。単一の細胞内ですべての生命活動を行います。単細胞生物は地球上で最初に出現した生物であり、他の多細胞生物〔植物、動物、菌類など〕の祖先でもあります。
単細胞生物~多細胞生物(植物や動物などの細胞)になるまで
地球が誕生したが高温で岩石が溶けた状態、表面には大気もなく火山活動や隕石、彗星の衝突などが頻繁に起こる。
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約45億年前、地球の表面が冷えて水蒸気が大雨となる。そして地表に水が溜まり海が誕生する。
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海の中では、無機物(石や水、気体など)が、太陽からの光や地球の熱などの影響で化学反応を起こして有機化合物(ゆうきかごうぶつ)※が生成。後に生命の基本的な材料となる。
≪※有機化合物(ゆうきぶんし)とは…?≫
有機化合物は、主に炭素を含む化合物のことです。一般的には、水素、酸素、窒素、硫黄など他の元素と結合してさまざまな構造を持ちます。
生物学的なシステムや生命の基本構造において重要な役割を果たします。例えば、タンパク質、炭水化物、脂質、核酸などの生体分子はすべて有機化合物です。
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有機化合物は、自己複製する能力を持つように進化。そして遺伝情報を保存し次の世代に伝達する能力を持つことによって生命が発展。
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約40億年前、原核生物(単細胞生物)が海の中で誕生。
原核生物は最も単純な生物で、細胞内に核を持たず、細胞質内にDNA〔遺伝情報を保持する分子〕が存在。
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約20億年前、原核生物(単細胞生物)が進化して、真核生物〔細胞核を持つ生物〕が誕生。
真核生物になり、細胞内に核膜を持ち、複雑な細胞内小器官〔核、ミトコンドリア、ゴルジ体など〕を持てるようになる。
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約12億年前、真核生物がさらに進化して多細胞生物※が誕生。
それにより生物の体が大きくなり、体のつくりも複雑になっていく。
【真核生物】と【多細胞生物】の違い
真核生物は細胞内に細胞核を持つ生物を指し、多細胞生物は複数の細胞から構成されている生物を指します。
そのため、動物や植物などは真核生物であり、多細胞生物でもあります。
更に、真核生物には単細胞生物〔組織や器官を持たない〕を含む場合もあります。
例えば、アメーバは単細胞生物であり、真核生物〔細胞内に細胞核を持つ生物〕にも分類されます。
ちなみに、アメーバは単細胞生物でありながら、移動して食物を摂取するための仮足(かそく)〔細胞の表面から伸びる突起〕を使ったりもします〔アメーバ運動〕