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蚊とユスリカの違いとは…?蚊に刺されると痒くなる理由。

生物・生態

蚊(カ)とユスリカ


蚊とユスリカ、同じように血を吸ってくる蚊の一種のような気がしますが、何かが違うようです。

どんな違いがあるのでしょうか…?

蚊柱を見たり巻き込まれたりしたことがあるかもしれませんが、あれはユスリカといって蚊とは違い血を吸わないのが特徴なのですが、ほぼ全てオスの大群なんだそうで、その中にメス1匹のみが入り込んで結婚相手を探す場なんだそうです…


蚊とユスリカの違い



それでは、ユスリカ違いを画像で見ていきたいと思います。

蚊(カ)


【 昆虫綱※ ハエ目 カ科 】

(こう)… 生物の分類における階級のひとつ。


〈幼虫〉 ボウフラ


〈寿命〉 1~2か月


揺蚊(ユスリカ)



【 昆虫綱 ハエ目 ユスリカ科 】

〈幼虫〉 アカムシ〔釣り餌など魚のエサなどにもなる〕



〈寿命〉 1週間程度






どちらともハエ目にはなりますが別の種類で、





大きな特徴としては、蚊は血を吸う(ただしメスのみ)ユスリカは血を吸いません




ユスリカの種類の多くは、口が退化してしまっていて、餌を口にしないまま寿命短く死んでいきます。

蚊やユスリカは不快ですし、特に蚊は病気を媒介することもあるので害虫ではあるのですが、実は益虫〔人間に役立つ虫〕としても貢献しています。


蚊やユスリカは水たまりや排水溝、池、下水、河川などの水辺が生息地なのですが、幼虫は水中の有機物〔生き物の死骸や糞、落ち葉などの生物を構成する物質〕や、バクテリア〔細菌〕を餌としているため、生態系のバランスを調整してくれます。



そして糞をすることによって、微生物〔顕微鏡で見ないと見えない生物の総称〕が無機物〔有機物以外のもの〕に分解できるほどの大きさにしてくれるので汚染されていた水や土壌の浄化をしてくれるというわけです。


他にも、

成虫になれば花粉を運ぶ役割もしており、実は世の中のために働いてくれていたのです。

ただ、そうは言っても耳元で飛ばれると不快でしかないですよね…




 

蚊は世の中で一番の殺人鬼…?



世の中で、一番殺人をしているのが『蚊』であることをご存知ですか…?




物騒な話ですが、その数は猛獣や人が殺人をするより遥かに多く、蚊はとても恐ろしい生き物なのです…


統計によると、世界では少なくても、年間80万人以上の人が蚊の犠牲になっていると言われています。



その死因として一番代表的なのがマラリアです。




マラリアとは、マラリア原虫〔寄生虫〕をもったハマダラカ↓という蚊が人を刺したときに、体内へ侵入してしまい感染するのですが、


その原虫は血液中の赤血球を破壊していきます。

赤血球とは… 酸素を運び、二酸化炭素の排出の役割がある。






それにより高熱、下痢、頭痛、嘔吐、さらには臓器不全意識障害などを起こし、最悪の場合は死に至ります

そのためHIV結核に並んで三大感染症にも数えられています。


※HIV(ヒト免疫不全ウイルス)とは? 

エイズ〔病気から守る免疫力を壊してしまう病気〕の原因ウイルス。

※結核(けっかく)とは…? 

結核菌に感染することによって発症する病気。主に肺に侵入し咳、痰、発熱など、その他の臓器にも侵入し症状を引き起こすことがある。

他にも、

  • デング熱ネッタイシマカヒトスジシマカにより、人からデングウイルスを媒介
  • 日本脳炎コガタアカイエカにより、家畜などのブタから人日本脳炎ウイルスを媒介


など、蚊による感染症は猛威を振るっているのです。


蚊の針は6本もある…?



1本に見える蚊の針ですが、実は6本もあったのです…

普段は↑上の写真のようなくの字になっている部分下唇(かしん)〔下のくちびる〕の中に針6本が、鞘(さや)に納まった刀のようになっています。




蚊はこの6本の針と、1本の下唇、合わせて7本を巧みに使って血液を吸っています。


≪ 6本の針と1本の下唇の役割 ≫


  • 小顎(こあご)2本… ノコギリのような形状で皮膚を切ることができる。

  • 上唇(じょうしん)1本… ストローのように血を吸うことができる。

  • 咽頭(いんとう)1本 … 痛みを感じなくする麻酔や、血液を凝固させない作用となる唾液を注入する。
  • 大顎(おおあご)2本 … 血液を吸う時の支える役割

  • 下唇(かしん)1本 … 刀のさやの役割皮膚に穴を開ける役割


昆虫のからだの構造。脳や血管(血液)はある?



蚊に刺されると痒くなるのはどうして?



蚊に刺されてかゆみを感じるシステムですが…

蚊に刺されたとき、先ほどの咽頭から出た唾液を異物と感じることにより、人間は体をガードしようとします。


そのうち体が過剰に反応し過ぎた分アレルギー反応を起こしてしまい、腫れたりかゆみとして出てきているということです。

歳を重ねると共に、腫れやかゆみが出なくなる傾向にあるのですが、それは異物に対して、ガードしようとする仕事を放棄してしまっている状態だといわれています。

このことを免疫寛容(めんえきかんよう)といいます。


蚊は猛暑に弱い




年々、日本の夏の暑さも厳しくなってきて、今までにはなかったような気温にぐったりですが…



実は、人間だけでなく暑さに強そうな蚊もあまりの猛暑にぐったりしていたようです…




蚊は寒さには弱いため約15℃以下ぐらいになると活動をしなくなるようですが、逆に暑すぎるのも苦手で、約30℃を超えた辺りから動きが鈍くなっていき、約35℃を超えると活動を止めて人を刺すことさえしなくなる傾向にあるようです。

人を刺すのはメスのみなのですが、産卵期に多くのたんぱく質が必要となるため血を吸いに来ます。人間ではなく家畜などをターゲットにする種類の蚊もいるということです。


猛暑のあいだはどこにいる…?



それでは、猛暑のあいだはどこに隠れているのかですが…



野外にいる蚊は、葉っぱの裏などの木陰で身を潜め、夕暮れ時の日差しが弱く、少し涼しくなったころに活動をはじめます。



秋口の少しだけ涼しくなったようなころにも、蚊が多く感じるかもしれませんが、繁殖に適する気温が約25~30℃ぐらいのため、活発に活動していたのです。

ただし、猛暑を苦手としている蚊も、雨上がりなどで湿度が高いような場合は、気温が35℃に近いような日でも活動し始めることがあるので注意が必要とのことです。


ちなみに…


蚊は風を弱点としており、蚊自体が風で飛ばされてしまうのもありますが、人の居場所を感知するのに必要な、呼気に含まれている二酸化炭素も吹き飛ばされてしまうので、人に近寄ることができなくなるそうです。


そのため、扇風機は手軽な蚊よけ対策として、とても便利だということです。



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