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世界の卒業シーズンを徹底比較!3月卒業は日本だけなの?

歴史・文化

世界の卒業シーズンを比較!




春の訪れとともに、日本では多くの学校で卒業式が行われます。



3月に卒業するのが当たり前のように思えますが、実はこれ、世界的に見ると珍しいケースなのをご存じでしょうか?



今回は、日本の3月卒業がどのように定着したのか、そして世界の卒業シーズンはどうなっているのかを詳しく解説していきます!


日本の卒業はなぜ3月?その歴史を探る!




日本の学校が3月に卒業し、4月から新学年が始まる理由には、歴史的な背景があります。


この仕組みは明治時代から続いていますが、もともとは必ずしも3月卒業ではありませんでした。


明治時代の「会計年度」が影響




1872年(明治5年)、日本政府は「学制」を導入し、近代的な教育制度をスタートさせました。初めは9月入学も検討されましたが、最終的に4月入学・3月卒業が定着しました。

「学制」とは?

日本政府はフランスの教育制度を参考にして「学制」を導入しました。この学制は、全国に学校を設置し、国民に初等教育を普及させることを目的としたもので、日本における近代的な学校教育の基礎を築きました。

これにより、すべての国民に教育の機会が与えられ、国家の発展に不可欠な知識や技術を習得することが求められました。


その理由の一つが、日本の会計年度(財政年度)です。



日本の官庁〔国の仕事をする役所〕や企業の会計年度は4月1日から翌年の3月31日までとなっており、政府の教育予算もこれに合わせて決められます。



そのため、学校も4月に新学年を始めるのが合理的だったのです。


農業との関係




明治時代の日本は、主に農業を基盤とした社会でした。



春は農作業が本格化する時期であり、秋には収穫があるため、子どもたちが農作業を手伝う必要がありました。



新学期を4月に設定することで、春の農作業が始まる前に学校生活を整えられるという考えもあったとされています。



世界の卒業シーズンはいつ?国別に比較!



それでは、日本以外の国ではいつ卒業するのでしょうか?

日本の3月卒業が世界的に珍しいのか、他の国の卒業シーズンと比較してみましょう!


1. アメリカ(5月~6月卒業)




アメリカのほとんどの学校では、卒業式は5月から6月に迎えます。これは、アメリカの学校が新学年は9月に始まり、卒業が5月~6月に行われるサイクルになっているからです。


アメリカの1年は、主に以下のように構成されています。

  • 秋(8月~9月):新学年スタート
  • 冬(12月末):冬休み(クリスマス休暇、通常2週間程度)
  • 春(3月~4月):春休み(スプリングブレイク、1週間程度。大学は2月~4月の間で学校によって異なる)
  • 初夏(5月~6月):学年終了、卒業シーズン



高校や大学などの卒業式で帽子を投げる伝統的なセレモニー(ハット・トス)が行われることでも有名ですよね!

※しかし、最近では安全上の理由や帽子の紛失を避けるため、一部の学校では帽子を投げるのを控えるよう指導していることもあるようです…




2. イギリス(6月~7月卒業)




イギリスのほとんどの学校では、新学年は9月に始まり、6月または7月に卒業式を迎えます。



ただし、イギリスの「卒業」の概念は日本とは異なります。

  • 16歳(GCSE修了) → 義務教育はここで終了するが、「卒業式」はなく、「修了」と表される。

  • 18歳(Aレベル/BTEC修了) → 日本の高校卒業に相当するが、一斉の卒業式は行われず、「修了」とされるのが一般的

  • 大学(学士・修士・博士)正式な「卒業式」が行われる



イギリスの大学では、卒業式は7月に行われることが多いですが、大学によっては12月にも実施されることがあります。



卒業生は伝統的なガウンと角帽を着用し、正式な式典として行われるのが特徴です。



3. フランス(6月~7月卒業)




フランスも、一般的に新学年は9月に始まり、卒業は6月から7月の制度です。



高校生は「バカロレア」と呼ばれる大学入試試験を6月に受け、それを合格すると卒業となります。バカロレアはフランスの教育システムにおける非常に重要な試験で、これを通過しないと大学進学ができません。

大学の卒業式は、アメリカのように華やかで盛大なものではなく、比較的シンプルに行われることが多いです。


フランスの大学では、卒業式よりも個別の学位授与が重視される傾向があります。



4. ドイツ(6月~7月卒業)




ドイツも、フランスなどと同じく一般的に新学年は9月に始まり、卒業は6月から7月の制度をとっています。



ただし、ドイツでは各州によって教育制度が異なるため、卒業の時期や進学の条件に若干の違いがあることがあります。



例えば、ドイツの一部の州では、卒業試験の時期に前後がある場合や、学年の開始や終了時期にも少し差が生じることがあります。



5. オーストラリア(11月~12月卒業)




オーストラリアは南半球に位置するため、日本とは季節が逆転しています。



そのため、オーストラリアの学校では新学年が1月末から2月に始まり、11月から12月に卒業式が行われます。



オーストラリアの夏は12月から2月までなので、学校の夏休みは12月から1月にかけて行われ、卒業シーズンは夏の終わりに近い時期にあたります。



6. 韓国(2月卒業)




日本に最も近い韓国は、2月に卒業式を行い、新学年は3月に始まる国の一つです。



これは、日本の教育制度をモデルにした歴史があるため、日本と似た学年サイクルが採用されているからです。



ただし、韓国の大学入試は11月に行われるため、高校卒業後、大学進学まで少し期間があります。そのため、卒業式は大学入試後の2月に行われることになっています。



7. 中国(6月卒業)




中国の学校制度は近代化の過程で欧米の教育制度を参考にしたため、卒業式は6月に行われ、新学年は9月に始まることが一般的です。



また、中国の全国統一大学入試である「高考」は6月上旬に実施されるため、高校生は高考後に卒業式を迎える流れとなっています。



このように、中国の学生は卒業式直前に大学入試が行われるという特徴があります。



世界の卒業時期まとめ

国・地域卒業時期新学年開始
日本3月4月
アメリカ5月~6月8月~9月
イギリス6月~7月9月
フランス6月6月~7月9月
ドイツ6月~7月9月
韓国2月3月
中国6月~7月(高校・大学)9月
オーストラリア12月1月または2月
ニュージーランド12月1月または2月




こうして見ると、3月に卒業する日本は少数派で、世界的には6月や7月に卒業する国が多い傾向にあります。


まとめ:3月卒業は日本ならではの文化だった!



  • 日本の3月卒業は、明治時代に財政年度に合わせて決められたことがきっかけ。


  • 世界では5月~7月卒業(欧米)、12月卒業(南半球)が主流で、日本の3月卒業は珍しい部類に入る。ただし、韓国も2月卒業で日本に近い制度を持っている。


  • 新学年も日本の4月スタートなのは世界的に見ると少数派で、多くの国では9月から新学年が始まる


日本では3月卒業が当たり前に感じますが、世界的に見ると国ごとにさまざまな卒業時期があることが分かります。



今後、グローバル化が進む中で、日本の教育制度にも変化があるかもしれませんね!



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